あの家に暮らす四人の女 (中公文庫) [Kindle]

著者 :
  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • 杉並にある古い洋館に住む三十代後半の女とそのノー天気な母親、娘の友達とその10歳下の同僚という同居人、祖父の代から敷地に住む作男の物語。
    途中カラスが語ったり、亡くなったはずの父親が霊で出てきたり、少し現実離れした展開もあるが、読み終えた時に、この最後の5行のための出演だったのだとわかる。正直で温かいストーリー。舟を編むから2冊目。三浦しをんさんをしばらく読もうと思う。

  • これはファンタジー。
    カラスが集合知をもっているのが面白いなあ。
    おとうさん、いくらなんでも河童の中に入って動いたらあかん。
    ドラマもみたい~

    2018/12/31

  • 2019.7.22読了。
    久しぶりの三浦しをん作品面白かった。
    河童は笑える

  • 読了。
    淡々とした生活に入り込むいくつかのエピソード。河童やカラスの集合知という不思議な視点が登場し彼女たちの生活を多角的に写しだします。

  • 「汝、星のごとく」に続き刺繍作家が主人公のお話。
    いきなりカラスが話し始めた時は「あれ?こういう系?」と思ったけどすぐにちょっと不思議な世界観に慣れた。
    2019年に単発ドラマもやってたみたいですね。見たかったなぁ。

  • 谷崎潤一郎の金字塔的名作「細雪」がモチーフらしい。
    その著作は知ってはいたが、恥ずかしながら未だ読んでない。まあその意味では、何ら先入観なく新鮮に読めた、とも云えようか。(そりゃ違うか)
    しかし、掛値なしに面白かった。途中で読み止めるのが勿体なく、最初から最後まで一気に読んでしまえたほど。著者の本はもう数え切れないほど読んだが、本作を読み終え、これまでに読んだ他の本の印象も併せると、やや下世話な言い方だが「テレビドラマや映画で楽しみたいタイプの物語が多いな」という感じ。いや決して悪い意味ではない。登場人物の誰もがそれぞれ個性的で魅力的な特徴を与えられ、先の読めない物語の展開に惹き込まれ、そして最後には決して軽々しくはない、さりとて過度に押し付けがましくもない余韻と満足感に浸れるような。
    本作の登場人物の4人、そして守衛小屋の住人や壁紙職人らのキャラクターも実に個性的で愛すべき人たちばかり。読んでいるうちに「自分もまた、この物語の登場人物の一人に加えてもらい、彼女たちの日常に関わっていきたい」と思わせられる読者もきっと少なくないだろう。

  • 細雪云々とかはさておき
    途中までは、いつもの三浦しをん節を楽しく読んでいたけれども…烏が語り部になったあたりでちょっとイヤな予感がして、とうとう父が出てきたところでウワァ…てなってしまった
    そもそも同居話がファンタジーなのに、それ以上のふわっふわのファンタジー要素を入れるのはいかがなものか
    見守るだけで愛情を主張してくる系の親ってのが苦手なせいで余計にそう思うのかもしれないけど、登場人物それぞれの考えを読めるとか、女ばかりの中をふわふわ見守る父ってただただ気持ち悪い感じしかしなくて半ばくらいから飛ばし読みしてしまった
    大した仕掛けじゃないのだから、それなら冒頭から語り部を設定すべきだったように思う

  • 拍子抜け感もあったけどそれはそれで良しと言う感じ。何気ない日常の中で少し神様を信じてもいいかなと思う瞬間を読むような。河童がかわいい。

  • けれど、「いつか」の未来を恐れて、夢を見るのをやめてしまったら、おとぎ話は永遠におとぎ話のままだ。孵化せず化石になった卵みたいに、現実化する道は閉ざされる。それって馬鹿みたいじゃないか、と佐知は思う。夢を見ない賢者よりは、夢見る馬鹿になって、信じたい。体現したい。おとぎ話が現実に変わる日を。

  • 笑えます。東京もんの性質から始まり、河童、善福丸、不恋、川太郎、深刻な展開かと思ったら、幸夫&川太郎。
    最後も、この先の展開が気になるところで終わっていて、ちょうどいい。
    四人の女と山田さんもそれぞれ素敵で、幸夫に代わって見守りたいと思った。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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