天才はあきらめた (朝日文庫) [Kindle]

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  • 朝日新聞出版
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感想・レビュー・書評

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  • 人生の中でベスト3に入る一冊。

    南海キャンディーズ・山里亮太という天才が紡ぎだす文章の素晴らしさは必読だと思います。

    「天才になりたい」と言っていた山里亮太が「天才はあきらめた」という境地に至るまで。

    文庫化されてタイトルを変えるまでのその心境の変化。

    蒼井優さんと結婚する前の本ですが、山里亮太さんが成長していくシンデレラストーリーを追体験できる一冊です。

    いろいろなものがたりないひとたちは絶対に読むべき。

    ボスがいてくれてよかった。一人のディルディアンより。

  • (audibleで聴く)
    南海キャンディーズの山ちゃんがお笑い志し、そして相方しずちゃんとの出会い、さらには南海キャンディーズ結成後のその後を描いてる。
    正直、試しに聴いてみたが、案外面白くて聴いてしまいました笑。
    感想としては山ちゃんのお笑いに対しての努力にものすごさ感じました。
    前から言葉の選び方などが本当にうまいと思ったけど、この本を読むと本当にそれがわかる。
    前半は山ちゃんのクソぶりが出て、後半に少し成長して、
    今度は壁にぶつかって、また、クソぶりが出るなど起伏が激しくてすごくひきこまれていきました。
    後、お母さんもすごく素敵なお母さんだなと実感しました。
    また、最後あたりでのべていた「他人からの努力強制はやらならない、自分がやばいと思った時に努力する」はすごく共感できる。
    あとは怒りをガソリンにして頑張れるのはすごいとしかいいようがない。
    そこは談志師匠と同じ事言ってたので、驚き。
    意外と面白いので、ぜひ!
    #読書
    #読書記録
    #読書好きな人と繋がりたい
    #audible
    #山里亮太
    #天才をあきらめた

  • “自分に自信がない”と思っている
    すべての人に読んで欲しい本。

    自信というのは、
    自分で水をやり、肥料をやり、日に当てて、
    根気よく育てていくものである、と、
    この本は教えてくれる。

    自分で決めた道に向かって、
    毎日愚直に自分との約束を守っていく、
    その地道な繰り返しの果てにしか
    “自信”はないのだと教えてくれる。

  • ■ざっくり解説
    南海キャンディーズ 山ちゃんのエッセイ。
    ユーモアあふれるツッコミのイメージだけど、沢山ノートに書きなぐって、天才になろうとしていたんだな。
    芸人になる前~芸人としてヒットするまでのことが、赤裸々に綴っています。
    山ちゃんと話している感じ。ユーモア溢れる文章に飲み込まれました。

    ■お気に入りの部分
    p.35 退路を断つと、普段サボるために頭の中に出てくる言い訳の数々をすぐつぶすことが出来る。けれどあまりに逃げ道をなくすとプレッシャーになりしんどくなりすぎてしまうので、退路を断ったおかげで頑張れたときには、そこに橋を架けるようなイメージでサボりたい気持ちに従って、休む。それをしっかりご褒美と感じながら。そしてその橋を壊すことで、またしっかり努力を始める。根性なしの僕は、この方法でなんとか頑張れた。

    ■アクションプラン
    山ちゃんのように、自分の思いを文章化できるよう、ブクログを始める(始めた!)

  • お笑い芸人・南海キャンディーズ山ちゃんのエッセイ。人見知りの話が目から鱗♪「こう言うとこう思われるんじゃないか?」で終わらず「ならどう言ったら喜ばれるだろう?」と問いを足すことで、人見知りは誰よりも相手のことを幸せにする才能へと変わる。山ちゃん天才!

  • 負の感情をエネルギーに変えられるなんてそうそうないことだ。変えたい、と思っててもなかなか実行できず、大体はそのまま腐るか苦しむかになると思うんだよね。私がそう。今思うと私は逃げてばかりの人生だったな、と実感。山ちゃんはもう全面的に真正面からぶつかりに行っていてなおかつ退路も絶って。それくらいの熱量で挑めることに出会えたことといい人に出会えたことの運もあって、いいな。努力した者のところに運が向くんだな。ほんとは何かに熱中したいと考えてるのに、闘志を燃やすことから逃げてば無駄がだった。私も頑張ろう。

  • 山ちゃんがこんなにもインテリで努力家だったとは知らなかった。
    陰湿な性格であることは想像がついたけれど、本当にクズ発言が多い。笑
    それを本人がクズですと言いながらも公開して、きちんとネタにしているところに芸人さんの強さがあるなあと感じた。

  • 今年もM-1の日がやってきました!
    ということで、「積読」の山里亮太さんのエッセイを手に取った。南海キャンディーズの04年準優勝をリアルタイムで観てたしね。

    エッセイは日常を面白くするスパイスだからできるだけ読みたい。特にニュースが暗いものばかりなので笑わせてくれるエッセイは貴重である。

    とは言え、人気タレントのエッセイに「当たり」はほぼない。初速の面白さはあっても、中だるみするかグダグダになって終わる。例に出して申し訳ないが(序盤が最高なだけにもったいないという意味です)、大泉洋さんや星野源さんのは途中で読むのをやめた。彼らは忙しすぎるので呼吸するように書けるくらいの筆力が必要だ(ゴーストライターならなおのこと”その人らしさ”を出すことが難しくなる)。都合よく毎度面白いことも起こらないし、そもそも固定ファンが日常を綴ってくれるだけで喜んでくれるので切迫感もない。モチベーションが続かなくなるのだろう。

    前置きが長くなってしまったが、本書もそういう読後感を想定してたが見事に裏切ってくれた。最後まで面白かった。「蒼井優さんとの出会い前」までの半生が綴られている。04年のM-1準優勝後もその舞台に最年長になっても立ち続けた背景も綴られていた。

    山里さんは「秀才タイプ」だ。抜群の頭の回転の速さで演者らのボケを拾い上げて絶妙な言葉のチョイスでツッコミを連打する。天才的な努力でお笑いを「ワザ」として習得していくオール巨人さんや島田紳助さんタイプの優秀さだ。このタイプはお笑いに限らずどの業界でも第一人者になれる万能の人だ。

    04年の南海キャンディーズの快進撃はよく覚えている。山里さんの自虐の芸風は誰も傷つけない。クサしたとしても相方か花形スター(同期のキングコングとかね)を選んでるので基本的には誰も敵に回さない。ルックスもあのインパクトだ。ブサ男の自虐芸とシズちゃんの珍獣(?)芸の掛け算は、お笑いに敏感でない一般女性層からはパッと見で「格下」扱いされてマウントを取らせることに成功している。つまり敷居が低く間口が広い。一般ウケしないはずがない。山里さんの戦略勝ちだ。
    でもそのキャッチーさと結成間もなかったこともあり、尖った芸風の笑い飯や技の多彩さのアンタッチャブルや麒麟、タカアンドトシに比べると技術的な見劣り感があった。お笑いに敏感な層からの支持は低かったと思う。正直「一発屋」の印象もあった。

    本書のクライマックスはあの快進撃以後にある。シズちゃんは映画出演やボクシングでオリンピック目指したり、人気タレントの階段を駆け上がった。その反面、山里さんは芸能界をやめる手前まで落ちていったという。頂点からどん底、そして復活のキッカケを与えてくれた千鳥の大悟さんとのエピソードは感動的だった。

    これまでは”山ちゃん”と言えば、山里亮太でもなく、世界の山ちゃん(手羽先)でもなく、声優の山寺宏一さんだったが、これからは山里亮太さんも親しみを込めて”山ちゃん”と呼ぶことにしよう。世間に山はたくさん立っているが、山ちゃんと言えばあの人だよね、という称号を得ることは本当にスゴイことです。

  • とんでもないパワーをもらった。
    読んだ後が人生の分岐点になるような、とにかくとんでもない作品だった。

  • 別に悪い本ではない。
    山ちゃんの自伝。人からの批判をエネルギーに変えたとか、サボらないように自分で逃げ道を絶ったとか、上手く、自分を理解した上で、構造的にやらざるを得ない状態を作るのはよいこと。
    そのためには、何かしらの絶対成長したい、という気持ちがないといけない。

    やっぱり両親から愛情を持って育てられるというのは大事。
    お前はできる、と言われて育っているとセルフイメージが高くなる。できない時は、どうしたらできるんだろうと考えるようになる。

    愛情が乏しいと、自分はダメだと思ったり、自分がダメな故に、何かに依存したりしてしまう。

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著者プロフィール

芸人。1977年生まれ、千葉県出身。漫才コンビ「南海キャンディーズ」のツッコミ担当。通称、山ちゃん。関西大学文学部卒。在学中に吉本興業のタレント養成学校NSC22期生になる。2003年に「しずちゃん」こと山崎静代と南海キャンディーズを結成。2004年にABCお笑い新人グランプリ優秀新人賞、M‐1グランプリ2004準優勝。2018年コンビとして初の単独ライブ「他力本願」を開催。著書に『ニュースがもっとよくわかる本』(池上彰と共著、海竜社)、『天才はあきらめた』(朝日文庫)など。

「2020年 『知らないと恥をかく東アジアの大問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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