カサンドラ症候群 身近な人がアスペルガーだったら (角川新書) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 精神科医、医学博士の岡田尊司氏の著書。

    先人や研究者のおかげで、近年は一般の人々の間でも発達障害などの知識や理解が進みました。
    昔は単に女のヒステリーととらえられていた症状が、ASDの夫の共感性の乏しさによりコミュニーションをうまく築けず、妻がストレスにより自身も不安や抑うつなど心身の不調を生じている状態。もちろん、男性と女性が逆の立場になることもありますが、この状態のことをカサンドラ症候群というようです。

    著書の中では、原因はADHDやASDだけではなく、愛着障害やパーソナリティ障害もカサンドラ症候群の原因となると述べられています。
    そして、いくつかの夫婦間の事例が示されています。

    岡田氏は
    『カサンドラ症候群の本質は、パートナーが安全基地とならないことで、愛着の仕組みがうまく働かなくなり、心身にトラブルが起きているのだと言える。したがって、カサンドラ症候群を予防し、あるいは改善していくために、もっとも望ましいアプローチは、パートナーが問題を自覚して、安全基地としての機能を取り戻すことで、愛着の仕組みが本来の働きを回復し、お互いの心と体を守れるようになることである。』
    と述べています。
    そして、安全基地となるための方法やアプローチについて具体的に説明しています。

    たとえパートナーがASDやアスペルガーではなくても、読んでみて損はない本だと思います。
    このような本が20年以上前にあったらなあ、と思ってしまいました。

  • hontoのセールでかなり安かったので購入。電書にて。

    カサンドラになる、カサンドラを起こす、など雑な表現がいっぱい。愛着障害についての書籍があまりに粗雑だったので期待はしていなかったが「まえがき」にそれなりにいいことが書いてあったりもしたのでいちおう読んでみた(ちゃんと読了しました)。

    もっともらしいこともいろいろ書いてあるが多くボリュームが割かれているのはASタイプの夫には「機嫌を損ねないよう丁寧に"お願い"しましょう」「母のように夫の気持ちを理解し、安全基地になってあげましょう」的な。基本は妻に「そういう人だと思って本人のペースを尊重してあげるべき」という論調。フザケンナ。

    妻の方が夫の"安全基地"になってあげる努力をすればその気持ちが通じて夫の方も"安全基地"になってくれるものだ、みたいなことも書いてあるんだけどさあ。そういう共感性や気づきがある人だったらそもそも妻はカサンドラ状態にならないんじゃないのか。
    離婚したら生活が困窮する、子どもに非行や精神障害のリスクが高まる、など母への呪いの言葉も。

    ○○型愛着タイプの人は〜、などととにかく類型化して十把一絡げにするような論調が目立つ。文中では成人ADHDと診断される人のほとんどはADHDではなかった、とかいう"研究"が紹介されてるけど出典はなし。
    愛着障害の本で脚光を浴びたこともあってか、やたらに愛着の問題と絡めてある。

    最後まで我慢して読みました。ところどころまともなことも書いてないわけじゃないけど、これくらいのことなら他の本にいくらでも書いてあるので私的には読む価値ない本でした。

    ※岡田氏ファンの人には申し訳ないですが、あくまで個人の感想です。

  • さすが岡田先生
    読みやすい。
    ハリー・ハーロウの人生って映画化されないの?というくらい劇的な人生。アタッチメントだけじゃなかったのね。

    二極性のある人を想像するとあぁとなる。

  • 途中から夫婦関係のカウンセリング本に変わってきたのはどういうことなのか。ほぼ女性視点からの話で、男性視点とため置き換えれば良いというものでもなかろう。会社で負担を強いられ心が壊れて休職した人に対し、一日中家にいるのだから家事ぐらい全部やっておけという妻に対し、夫はどう立ち向かえというのか。その上妻は夫にアスペルガーだと決めつけカウンセラー特攻するも、貴女が悪いと言われ、子供の親権を求め裁判所へ。調停を1回で不調し裁判へ。高裁まで控訴するも敗訴し、夫も心身ともに疲労。という事例はどうすべきか教えて欲しい。

  • 最近注目されてる、アスペルガー症候群のパートナーがかかると言われてるカサンドラ症候群について。

    とかく、ASD/ADHDの当事者のみ注目されがちだが、その周囲の人(主にパートナー)も共倒れにならないように、注意する必要があると感じた。

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著者プロフィール

岡田尊司(おかだ・たかし)
1960年香川県生まれ。精神科医、作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒業。同大学院医学研究科修了。医学博士。京都医療少年院勤務などを経て、2013年より岡田クリニック(大阪府枚方市)院長。日本心理教育センター顧問。パーソナリティ障害、発達障害、愛着障害を専門とし、治療とケアの最前線で現代人の心の問題に向き合う。著書『悲しみの子どもたち』(集英社新書)、『愛着障害』『愛着障害の克服』(いずれも光文社新書)、『愛着アプローチ』(角川選書)、『母という病』(ポプラ新書)、『母親を失うということ』(光文社)など多数。

「2022年 『病める母親とその子どもたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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