謎解き 聖書物語 (ちくまプリマー新書) [Kindle]

著者 :
  • 筑摩書房
3.88
  • (0)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (210ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 所謂「旧約聖書」に収められた5篇の物語を読み解く。日本の歴史教育では、考古学的・歴史学的な裏付けのないまま、あたかも史実であるかのように教科書に掲載される「出エジプト」の話など、なかなか興味深い。取り上げられている話はどれも有名どころ。プリマー新書の対象年齢層にも知識として必要だと思う一方、いささか深くて、語り口は易しいながらも難解でもあるような。色々な宗教バックグラウンドを持つ学友に囲まれている中学1年生の息子に読ませようかと思ったけど、ちと背伸びが過ぎるかもしれないなぁ。

  •  中高生向けのちくまプリマー文庫なので,聖書の知識がなくても分かるように丁寧に書かれているせいか,全体的に冗長に感じたが,西アジアの古代史と各地に点在する伝承と,誰もが知る有名な旧約聖書の逸話を関連付けて考察する内容は興味深かった。
     聖書の文章をよく知る私は聖書からの引用を読んで「あれ?」と思ったが,然り,全て著者が自分で翻訳した文章だった。著者はオリエント史・旧約学・西アジア考古学が専門で,ハイデルベルク大学神学部博士課程,テルアビブ大学ユダヤ史学科博士課程を修めており,歴史・神学どちらの視点も持ち合わせているため,キリスト教には縁がなくても世界史的に聖書に興味を持てる内容になっていると思う。

  • 旧約聖書におさめられた物語のうちの代表的な5つを読み解いていく。

    ノアの方舟やバベルの塔など、なんとなく知っているけれども、それらを文学作品という視点で見るのは初めてで新鮮な驚きがあった。その影響力に気づかないほど当たり前になっていることも多々あるのだと知った。
    伝承や各地の物語をまとめたり付け足したりして編集されてきた聖書に人間味を感じ、まったく新しい書物に出会ったような気待ちだ。

  • 読了。旧約聖書から5つのエピソードを選んで解説している。聖書を学問として扱った作品としてはかつて三田誠広の「聖書の謎を解く」も良かったが、どちらかというと新約聖書の解説が主で、そっちでは紹介されていなかったエピソードも解説があった。全体として素人でもサラッと読めるように書かれているが、それでいて本格的な解説になっている(と思わせる)良書。

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

1971年生まれ。立教大学文学部教授。筑波大学大学院博士課程単位取得退学。テル・アヴィヴ大学(イスラエル)大学院ユダヤ史学科博士課程修了。専門はオリエント史、旧約学、西アジア考古学。 主著に『聖書考古学』『旧約聖書の謎』(中公新書)、『ヴィジュアルBOOK 旧約聖書の世界と時代』(日本キリスト教団出版局)、『歴史学者と読む高校世界史』(共編著、勁草書房)、『謎解き 聖書物語』(筑摩書房)など。

「2020年 『旧約聖書 〈戦い〉の書物』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長谷川修一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×