観応の擾乱 室町幕府を二つに裂いた足利尊氏・直義兄弟の戦い (中公新書) [Kindle]

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  • 中央公論新社
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感想・レビュー・書評

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  • 観応の擾乱について丁寧にわかりやすく描かれており面白かった。
    観応の擾乱がなぜ発生し後に収束したのか、足利兄弟や高師直等の政権での役割等にも言及されていました。

  • 大河ドラマ『太平記』を見ていてなんと面白い話だ…と。
    そして一方でこの時代のことはさっぱりわからないと、一念発起で流行りに乗る。

    様々定説に触れつつ、より深い人間関係やことの経緯を知る。そもそも定説という定説を知らないので、触れてくれるのは助かる話。『太平記』のおかげで人物などもスっと入ってきてくれた。

    足利高氏が精神障害を患っていたという説もあるなどなど、驚く話も多々。自分の無知を恥じるところだが、改めてこの時代のことも知ってみたくなる。

  • 足利幕府の揺籃期、南北朝の対立と幕府内での権力闘争を解説。尊氏・義詮ー高師直・直泰(ー北朝)vs直義・直冬ー斯波高経(ー南朝)の対立、師直の失脚、尊氏派の勝利、政権の組織改編、安定化の過程(=観応の擾(じょうらん)乱)を詳細に描く。詳細且つ学術レベル高く可成り難解。

  • 足利直義というと、立場の変化で花押の位置など様式に変化がみられるため、初めて古文書なるものを勉強してみようとする学生がこの人物の発給した文書を写真で見ることが多い印象がある。短期間で実務の重責を担う状況になったのだろうと思うが、苦労人だったんだろうなという程度の印象しかなかった。
    太平記の現代語訳などを読んで、ふんわり直感型の兄の役に立とうと何とか頑張る生真面目な弟が複雑な人間関係に翻弄されて気づいたら兄と対立する羽目になった、というイメージを勝手に抱いていたが、この本を読むとどうやらそういう単純な話でもなさそうである。非常に勉強になった。

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著者プロフィール

亀田俊和(かめだ・としたか)
1973年秋田県生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。京都大学博士(文学)。現在、国立台湾大学日本語文学系助理教授。主な著書は『室町幕府管領施行システムの研究』(思文閣出版)、『観応の擾乱』(中公新書)、『高師直 室町新秩序の創造者』(吉川弘文館)、『征夷大将軍・護良親王』(戎光祥出版)など。

「2021年 『新説戦乱の日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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