Kindle版読了。
父親が冤罪を掛けられ没落してからは下町でボビンレース職人として生計を立てている気立てが良く初心な17歳元伯爵令嬢ヒロインと、行方不明の飼い犬を探している途中でヒロインと出会った有能で冷静な訳あり侯爵ヒーローとのラブストーリーです。
ヒロインは伯爵令嬢でしたが、伯爵だった父親に異教徒の冤罪が掛けられた事で爵位と財産を没収されてしまいます。
下町のアパートに移り住みますが、両親の死後は親切な隣人の老女に助けられながら、ボビンレース職人としてなんとか生計を立てていました。
ある日、怪我をした小型犬を保護しますが、飼い主だという侯爵ヒーローと出会い、犬の怪我が完治する迄は公爵家で住み込みで面倒を見る事になります。
…序盤でヒロインが侯爵家に滞在する理由は、ちょっと無理があるように思いました。
ヒーロー視点あります。
侯爵家も父親と兄の死に不審な点があり、ヒーローが冷徹に見えるような態度を取りながらも侯爵家の立て直しに尽力している事が分かります。
ヒーローは基本的に冷徹というか冷静な性格だと思うのですが、ヒロイン限定でデレていたのが良かったです。
下町娘には見えない品の良さと男心をくすぐるのか何処か放っておけないヒロインに、ヒーローは初期の頃から無自覚に落ちていたようです。
初Hが婚前交渉だったのは残念でした。
有能なヒーローの働きで、ヒロインは爵位と名誉を取り戻す事が出来、伯爵令嬢に戻ります。
ただ、当時の事を語った神父の言動が、どうも理解不能でした。
侯爵家を不幸にした黒幕は予想通りの人物でした。
というか、最初から怪しいし、消去法で彼しかいません。
しかし、ヒロインはやはり育ちの良いお嬢様だったようで、ヒロインだけが夫婦の寝室に入って犬を連れ出してくれば良かったのに、親戚とはいえ他の男を寝室に入れたヒロインが浅慮過ぎるでしょう…と呆れました。
後で分かりますが、有能なヒーローが事前に行動を起こしていたので、結果的には事なきを得ていました。
あと、ヒロインが真犯人に捕らわれた時に、自分も殺されるかもしれないという思考にならなかった事が、お花畑過ぎるだろう…と更に呆れました。
隣人の老女が最初から最後迄格好良くて、ヒーローの格好良さが霞んで見えました(笑)。
思わず、ジ○リのドー○さんが重なりました。
表紙もロリコンのようなヒロインですが、挿し絵のヒロインも少女のように華奢なのに男のロマンなのか胸だけは大きいのが気になりました。
ヒーローの年齢が22〜23歳だとは分かりましたが、正確な年齢は最後迄不明でした。
ヴァニラ文庫のKindle版は、挿絵が小さいのが残念です。