超AI入門 ディープラーニングはどこまで進化するのか [Kindle]

  • NHK出版
3.50
  • (2)
  • (6)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 61
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (172ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 本書は、Eテレ「人間ってナンだ? 超AI入門 シーズン1」(2017年10~12月放送)の「講義1」の内容を再構成・加筆したもの。AIのメカニズムそのものよりも、AIと人間の違い、AIは人間のように意識や感情を持つことができるか、今後のAIの発展可能性等を中心に論じられいる。

    人間の自由意志について考察している部分が面白かった。

    人間には、実は自由意志は存在しないという。「物理法則はすべて、時間(t-1)の状態から時間(t)の状態が決まることを示唆しています。確率的な現象はあっても、過去から未来は決まり、自由意志のようなあいまいなものが介在する余地はないのです」と。それなのになぜ我々は自分に意思があるように思うのか。

    著者は、「人間の意識は、会社で言うところの取締役会のようなもの」なのだという。「意識に上るということは、相当大きな問題だったり、予想と違うことだったりするわけです。取締役会は、それに対処するために、大雑把な計画を立てて事業部に指示を出す。この取締役の事業部に対する命令、あるいは、事業部が行ったことを、取締役が勝手に自分の指示の結果だと解釈したものが、後付けでの自由意志です。」と。なるほど。ベンジャミン・リベットによる、人間の「自由意志」についての研究は知っていたが、それをどう解釈するかは難しいと思っていた。取締役会に例えると、確かに分かりやすいかもしれない。もって生まれた性格やこれまでの経験などから大まかな方針は決まっていて、細かいことについては(意識に上ることなく)半ば自動的に判断されていく。ただ、そのうち重要ないくつかのイベントは意識にも上ってきて、あたかもその場で自由に判断しているかのように錯覚しているってことなのかもしれないな。

    AIと人間の知能は似て非なるもの、それは、鳥と飛行機のようなものだ、という例えも分かりやすかった。

  • 人間ってナンだ?という番組を書籍化したものらしいので、人工知能との違いから人間の知能の理解を深めるというのが主題でした。

    そのおかげで、AIの概要もそうですが、人間の知能や意識についてもざっくり把握できます。
    シンボルグラウンディング問題とかGANが、記号接地問題や、敵対的生成ネットワークと記載されていてちょっと戸惑いました。

  • ふむ

  • 入門としてはいいかもしれないけど,入門だからこそ説明難しいんだろうなーって内容の本

  • AIは仕事を奪うのか?その答えを自分なりに出すために読みました。結果は記事にまとめています

    https://introbooks.info/practical/ainyumon/

  • AIの仕組みや可能性について解説した本。NHK Eテレで放送された番組「人間ってナンだ?超AI入門」のエッセンスをまとめたもの。

    AIについてひもときながら、人間とAIの違いについて書かれています。

  • ■感想・意見
    AI(人工知能) について学びながら、「人間とは何か」という問いをに答える本。
    Eテレ「人間ってナンだ? 超AI入門 シーズン1」(二〇一七年一〇~一二月放送)からこの書籍ができたそうなので、本来は番組を見ている方が良いのだろうけど、番組は見ていません。
    わかりやすい語り口で、番組を見ていなくても面白く読めたけど、番組を見ている方がより楽しめたのかなと思う。

    『人間は、言葉を使うことで、情報を落とし、抽象化して要約して、保存性を良くしている。
    人間は言葉によってものごとを抽象化して保存している。一方、コンピュータはいくらでも記憶ができるので、複雑な情報をそのまま保存することも可能。ただし、現時点では人間と同じレベルでの抽象化はできない。』

    現時点での、人間とAIの大きな違いは、この部分かと思った。「抽象化能力」というのは、人間のアドバンテージだと思う。

    ■目次
    講義1:AIと人間の間で会話は成立するのか
    講義2:脳とAI、違いはどこにあるのか
    講義3:AIは芸術作品を生み出せるのか
    講義4:AIロボットの実現はなぜ難しいのか
    講義5:AIの画像認識技術で暮らしはどう変わるのか
    講義6:AIと人間は融合するのか
    インタビュー1:ジェフリー・ヒントン「ディープラーニング誕生までの道のり」
    インタビュー2:ヤン・ルカン「人間のように学べるAIを目指して」

  • 人工知能と脳(人間)を比較することは、飛行機と鳥を比較することに似ている、という文章に衝撃というか、分かりやすさと相違点を理解できました。

    他にもいろいろ書かれていたのでぜひ読んでみて欲しいです。

  • 近年、AI研究にブレイクスルーをもたらした深層学習の技術的なポイントをきっかけに「知性とは」「人間とは」を問う。

    第一人者である松尾教授の解説だけあって分かりやすく、技術の可能性にワクワクする。

    本文より、感情や本能が自己保存という生命の目的(進化)に由来するものだと考えると、生命でないAIが本質的な意味で感情を持つことはない。

    一方で、ハイパーパラメータを自ら推論するAIは、本来「進化」で行うべきことを「学習」で代替しているとも言える。

    その果てにあるものは何か。

    人間とは大きく性質の異なる「知性」との遭遇が待っているように思う。

    今後10年で世界が大きく変わるかもしれない。
    当事者として見届けたい。

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1953 年、新潟県五泉市生まれ。1978 年東京教育大学教育学部芸術学科(彫塑専攻)卒。1989 年、毎日新聞社主催・毎日郷土提言賞富山県優秀賞受賞。
著書に『新潟街角の芸術̶̶野外彫刻の散歩道』(新潟日報事業社,1987)、『富山の野外彫刻』(桂書房,1991)

「2015年 『パブリックアートの展開と到達点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松尾豊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×