アーロン収容所 改版 西欧ヒューマニズムの限界 (中公新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • やはり強烈な一次体験の記録は、時代•思想など関係なくそれ自体の力がある

    著者が何度も強調するように、これはある特殊環境下における著者の記録であり、そこに映し出される人間像はそれ自体それでしかなく、ひどく一面的である。
    そこから無理に敷衍して、大きくイギリス人、インド人などを論じようという試みでは全くない。
    現代的視点で見るとビルマ人などへの差別的な視点も読み取れるし、イギリス人への見方も関わっているのが軍人のみの時点でひどく一面的だ。

    それでもなお、この本には強烈な力がある。
    そこには間違いなく西洋ヒューマニズムの欺瞞がある

    これもまた、その一面性のみでは否定しきることのできないある一つの真実なのである。

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著者プロフィール

会田雄次

一九一六年京都府に生まれる。四〇年京都帝国大学史学科卒業。四三年に応召、ビルマ戦線に送られ、戦後二年間、英軍捕虜としてラングーンに抑留された。帰国後、神戸大学、京都大学(人文科学研究所)をへて、京都大学名誉教授。専攻はイタリア・ルネサンス史。著書は『アーロン収容所』『ルネサンスの美術と社会』『ミケランジェロ』など多数。九七年逝去。

「2019年 『日本史の黒幕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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