青い春 [DVD]

監督 : 豊田利晃 
出演 : 松田龍平  新井浩文  高岡蒼佑  大柴祐介  山崎裕太  忍成修吾  塚本高史 
3.00
  • (0)
  • (2)
  • (4)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 12
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988707544200

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 若い時に観ていたら随分感じるところは違っていたような気がする。カッコいい映画の部類に入っていたんだろうな。自分が何をしたいのか、何になりたいのかもわからない九條や青木の日常はいまのオイラには退屈だ。ただ松田龍平が演じる九條は、どこか諦観しているところがピッタリだった。薄気味悪いって感じが。青木がひとりで始めたベランダ・ゲームを見て屋上に向かって走った九條は、そこだけやけに普通の人のようで印象的だった。

  • 2002年 日本 82分
    監督:豊田利晃
    原作:松本大洋『青い春』
    出演:松田龍平/新井浩文/高岡蒼佑/大柴裕介/山崎裕太/忍成修吾/瑛太/塚本高史/マメ山田/又吉直樹/小泉今日子

    男子校の朝日高校。春から3年生になる不良生徒たちが屋上に集まり、柵の向こう側に立って、手を放して何度手を叩けるかを競う「しあわせなら手をたたこう」ベランダゲームをしている。最高記録を出し勝ち残った九條(松田龍平)は新しい番長として認められるが、感情をどこかに置き忘れてきたかのような彼は、その地位にあまり執着がない。彼の幼馴染の青木(新井浩文)のほうがむしろ下級生をシメようとはりきっている。

    卒業した先輩に媚びを売りいきがる大田(山崎裕太)と、無表情に彼の相手をしながらも得体のしれないメガネの雪男(高岡蒼佑)、野球に打ち込んでいたが諦めてヤクザの先輩についていく木村(大柴裕介)、黙々と一人で練習する野球部の後輩(塚本高史)、パシリ扱いされている吉村(忍成修吾)、病気なので授業中いつも寝ているが桜の木につく毛虫を必死で駆除しているオバケ(瑛太)らの群像劇。

    原作が90年代の発表ということもあり、途中までは80年代ヤンキー文化的バイオレンスな部分も若干あったが、最終的には松本大洋の原作らしく『ピンポン』におけるペコとスマイル、『鉄コン筋クリート』におけるシロとクロのように、九條と青木の関係性にクローズアップしていく。九條への劣等感のあまり闇堕ちしてしまう青木と、何ごとにも心を動かされなかった九條が彼のために必死で屋上に駆けあがる場面はさすがに胸アツ。

    音楽がとても良かった。エンディングの「ドロップ」はじめ、ミッシェル・ガン・エレファントの曲が沢山使われていて(赤毛のケリー、モナリザ、ブギー)それらも勿論良かったけど、音楽を担当した上田ケンジ(元ピロウズ)と元レピッシュの杉本恭一のユニットanalersの曲もとても良かった。(https://www.youtube.com/watch?v=jj4CQtAnFXA

    2002年の映画なので、まだ幼さの残る松田龍平や、のちに「まほろ」シリーズでコンビを組む瑛太(まだEITA表記の時代)、ヤンキー映画の常連になる高岡蒼佑や新井浩文などの若かりし日が新鮮。とくに高岡蒼佑がまだ線の細いイケメン風味がありカッコ良かった。舞台ではよく見るマメ山田氏の、いつもお花に水をやってる、生徒思いの先生役もとても良い。駄菓子屋のおばちゃん役で小泉今日子も出演。

    ヤンキーものなので暴力描写も多少あるが、それがメインの抗争ものではないので比較的ひかえめ。唯一闇堕ちした青木がある生徒をボコボコにする場面がちょっと凄惨だけど、この被害者役がなんとまだ線香花火時代の又吉直樹で驚いた。

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。1991年、阪本順治監督の『王手』の脚本家として映画界に登場。その後、阪本順治監督『ビリケン』(1996年)の脚本を手掛けた他、演劇部隊や劇画の原作なども手掛ける。1998年、千原浩史(千原ジュニア)主演『ポルノスター』で監督デビュー。その年の日本映画監督協会新人賞を受賞する。2001年に初のドキュメンタリー映画『アンチェイン』を監督。2002年には人気漫画家・松本大洋の『青い春』を松田龍平主演で映画化し、大ヒットを記録。ドイツのニッポン・コネクション映画祭で観客賞を受賞。2003年『ナイン・ソウルズ』、2005年、直木賞作家角田光代の原作『空中庭園』(主演:小泉今日子)を監督。2009年『蘇りの血』(主演:中村達也)、2012年『IM FLASH!』(主演:藤原竜也、松田龍平)、2014年『クローズEXPLODE』(主演:東出昌大)を監督。2015~2016年舞台『怪獣の教え』を演出。2018年『泣き虫しょったんの奇跡』(主演:松田龍平)、2019年短編映画『狼煙が呼ぶ』を監督。2020年ドキュメンタリー映画『プラネティスト』が公開。

「2021年 『7.24映画戦争2019-2021』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×