ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方 (ブルーバックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 科学的な根拠をしっかり述べてインターバル速歩トレーニングが体力向上に良いことが記載されている。しかし、少し詳しすぎる感じもする。内容が難しく理解が追いつかないところがあったので、少し飛ばし飛ばし読んだ。
    ウォーキングの方法自体はそれほど難しいものではないし、自分の生活にも取り入れやすい方法だと感じたので少し試してみたいと思った。

  •  ウォーキングの本なのに、単純なウォーキングだけでは効果がないことを提唱してもいて、驚いた。筋力・体力維持にはウォーキングでは負荷が足りず、1万歩歩いても、労力に見合うほどの健康維持・改善効果は見られないという。そこで著者は「インターバル速歩」を提唱する。
     運動強度と筋力と体力がわかりやすく原理から解説されており、著者の言う「インターバル速歩」でなく「ランニング」を選択するにせよ一読の価値はある。

     結論から言うと、筋力・体力の向上には最大酸素摂取量の6割~7割の強度の運動が週60分以上が必要だそうだ。そしてその「最大酸素摂取量の6割」というのは酸素消費量を図れないなら、心拍数で求める。計算式は下記の通り。
     {(220-年齢)-安静時心拍数}×0.6+安静時心拍数。
     自分の場合この式で計算すると140弱になった。最大酸素摂取量の7割とすると150程度。つまり心拍数140~150の運動を週60分ということか。参考まで自分は30代小太り体型で運動経験は平均より大分下だ。
     実際に試すと、軽く運動して息があがるけど、息が吸えないくらい苦しい、というほどではない、という感じ。
     筋トレ目的なら「最大酸素摂取量の8割」を1日8回・3セットを週3回。8割なので上記の式の0.6を0.8に変更して計算すると……自分の場合は160程度。実際に試すと、これはきつい。かなり息が上がって苦しい。会話はできない。そんなレベルだ。
     著者の提唱している「インターバル速歩」だが、3分のウォーキングの後に3分の早歩きを行う。この早歩きの時間が15分になるように、というもの。
     高齢者なら大半が「最大酸素摂取量の6~7割」が早歩きすると達するということ。多くのウォーキングの本あるあるだけど、この本も高齢者をメインターゲットにしている。早歩きで「最大酸素摂取量の6割」に満たない若者は走ってもよいらしい。
     30代の自分が早歩きをするとどうなるか、というと、早歩きではなかなか「最大酸素摂取量の6割」まで心拍数は上がらない。走らず……つまり両足が地面に接していない時間が0で、かかとを地面につけていかに早く歩くかという「競歩トレーニングゲーム」だと思ってかなり頑張ると最大酸素摂取量の6割まであがる。けど、これが結構大変で……なら、まあ、ランニングしちゃった方が早いかな。そんな感じだった。
     若者なら「インターバル速歩」ではなく「インターバルランニング」になりそう。
     まあ、ここらへんは個人個人で嗜好がわかれそうだ。
     『週60分以上の「最大酸素摂取量の6~7割」の運動』ということを覚えておけば、あとは個人があうやり方でやればよいので、個人の好みで運動すれば良い。
    (著者曰く、単純に15分中強度運動を行うこと、だと辛くて続かない人が多いのだが、インターバルということでメリハリをつけると続く人が多いので、これを提唱しているそうだ)
     全体的に、かなりわかりやすく勉強になった。

    以下蛇足。

     最後の医療費をこのような運動で削減できるできるので、その地方が負担している医療費の削減分を、運動を促進する事業にあて、トレーナーのなど地方の雇用につなげる、という話は大変興味深い。
     これは地方が個々の市民にあてて運動を促進する事業を行うのではなく、社員に運動を促し実施したことを確認した企業に対して補助を行うなど、個々人単位ではなく企業単位で行うことが現実的ではないかな、と思う。

     ところで、本書の主旨には全く関係がないが、本書に掲載されていた筋力(膝を曲げる力)を縦軸に、年齢を横軸にしたグラフの男女差が大変興味深かった。
     というのも、もちろん、男女問わず20代をピークに年齢とともに筋力が下がっていくのだが、その男女差の筋力差がすごい。
     女性のピークである20代と、このグラフの一番高年齢で右肩下がりの一番下である70代男性だと、なんと20代女性より高いのだ。こんなに男女で筋力差があるのか……。
     一方、体力(最大酸素摂取量)の方は筋力ほどには男女差がない。女性のピークは20歳~30歳だが、男性でいうと45歳くらいと同じである。そしてなんと70歳になると男女差がなくなる。
     70歳男性はピークの20代女性より筋力はあるのに、体力は70歳女性と変わらないのだ。
     なんとなく日常で感じていた通りなのだが(認知症の高齢じいさんに若手女性職員が筋力的にかなわなかったり筋力面では女性は普通男性にかなわないのに、体力ではそこまで差がない)、グラフを見ると一目瞭然で、個人的になんだか興味深いグラフであった。

  • インターバル速歩を推奨する証拠が色々書いてある。でもあんま覚えてない。体力と筋力と生活習慣病と気分の落ち込みに良いらしい。あとマグロの身が赤くて、ヒラメの身が白い理由みたいなあんま関係ないことはよく覚えてる。

    メモ: 各セットを3分に設定にしたのはそれ以上は参加者が続けられないため。なので長くやっても良い。

  •  「ややきつい」と感じる早歩きとゆっくり歩きを繰り返す「インターバル速歩」を続けることで,加齢によって低下していたミトコンドリア機能が改善し,最高酸素消費量が増加する。結果,生活習慣病や睡眠,うつ症状,認知機能など多くの問題が解決されて医療費の削減にも繋がる。これらの研究と得られた結果について,データを示しながら分かりやすく解説されており,自分もインターバル速歩を始めて身体機能を改善したいという気持ちになった。

  • 理屈はわりと簡単で試しやすそうで良かった。個人的には、なぜ効果があるかについては難しくて結論しか理解してない部分も多いが、詳しい理屈や根拠があったほうが納得して行動できる人はモチベーション向上にとてもよいと思う。

  • (図書館で借りた本)
    読み始めた(1月22日〉〜読み終わった(2月5日)

    ジムなどに通わず、無理なく、体力・筋力アップや認知機能の改善ご期待できる「インターバル速歩」の紹介がされていて、とても参考になった。
    普段からランニングをしているので、体重や血圧値は標準値かそれ以下であるので、引き続きランニングは継続していきたい。
    データに基づいているし、多くのグラフなどが掲載されているが、全てを理解することは難しかった。
    居住の町でも実施してくれたら、絶対参加したいと思った。
    差し当たり、掲載のQRコードからアプリをダウンロードして試してみます。

  • 要点は「効果が保証されている運動処方の国際標準は、個人の体力に合わせた運動強度で一定頻度で一定期間実施すること」。筆者はこれを解決する方法として、インターバル速歩という方法を提唱している。
    なぜ運動強度が必要なのか?なぜ1万歩歩くだけでは不十分なのか?という問への解答が運動生理学の観点から端的に説明されていてわかりやすい。なおインターバル速歩のやり方そのものは、序文を読めば事足りるので購入して読むほどのものではない。
    ちなみに本書は50-60代を想定して書かれているので、若年世代なら速歩では運動強度が足りないかもしれない(本文中にもそのようなエクスキューズがある)。その点は注意が必要だ。

  • 癌を患って術後4年を毎朝のウォーキングと共に経過した。おかげさまでQOLを落とさず再発なし。この習慣は生涯続けたい。

  • 速筋は酸素を使わない代謝系(嫌気的代謝系:この系による運動を無酸素運動と呼ぶ)が主で、赤いミトコンドリアを少ししか含まないので白い。一方、遅い筋は酸素を使う代謝系(好気的代謝系:この系による運動を有酸素運動と呼ぶ)が主で、ミトコンドリアを多く含むので赤い。  そのため、動作のすばやいニワトリの筋肉は白く、動作のゆっくりした牛の筋肉は赤い。

  • インターバル速歩がいいよ、というお話。

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著者プロフィール

能勢博(のせ・ひろし)
医学博士 信州大学医学部特任教授
1952年生まれ。京都府立医科大学医学部卒業。京都府立医科大学助手、米国イエール大学医学部博士研究員、京都府立医科大学助教授、信州大学学術院医学系教授(疾患予防医科学系専攻・スポーツ医科学講座)を経て、現在、同大学医学部特任教授。画期的な効果で、これまでのウォーキングの常識を変えたと言われる「インターバル速歩」を提唱。信州大学、松本市、市民が協力する中高年の健康づくり事業「熟年体育大学」などにおいて、20年余りで8700人に運動指導をしてきた。趣味は登山。長野県の常念岳診療所長などを歴任し、81年には中国・天山山脈の未踏峰、ボゴダ・オーラ峰に医師として同行、自らも登頂。著書に『いくつになっても自分で歩ける!「筋トレ」ウォーキング』(青春出版社)、『山に登る前に読む本』『ウォーキングの科学』(共に講談社)など。NHK「ためしてガッテン!」「ラジオ深夜便」などマスコミ出演も多数。

「2020年 『最高の歩き方 やせる!若返る!疲れにくくなる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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