AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望 (NHK出版新書) [Kindle]

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  • AIの真のリスクと可能性とは?様々なジャンルの“世界的知性”が、今、そしてこれからのAIについて考察する。NHKの番組「世界の知性が語るパラダイム転換」をまとめた書籍。

    ■意識(マックス・テグマーク/物理学者)
    ・AI研究の究極の目標は、学習能力があり、何でも人間より上手くできる汎用人工知能(AGI)の開発である。
    ・AGIを考える時、「意識とは何か」という根源的な問いについて考える必要がある。
    ・意識とは「主観的体験」であり、「情報処理」の一種でもある。
    ・今後、研究が進み、何が意識を伴う情報処理かを判断できるようになれば、AIが意識を持つ上で必要なものがわかる。

    ■倫理(ウェンデル・ウォラック/倫理学者)
    ・自律したAIが意思決定を下すことで、甚大な社会的被害が起こりうる。よって、AI自身が道徳的判断を下せるようにする必要がある。
    ・そのためには、人間がどのように道徳的判断を行い、道徳を学習しているかにも目を向けねばならない。
    ・善悪の概念は人によって異なる。そのため、AIに正しい価値観を教えることは、不可能かもしれない。

    ■自律(ダニエル・デネット/哲学者)
    ・AIが「自律」するようになると、人間の命令を拒否する可能性もある。
    ・そうなった場合、人間はAI を動かすために説得する必要性が出てくる。また、AIが自律性を持てば、人間に隠しごとをするようになるだろう。
    ・こうした点を考えれば、人間と同等、またはより賢いAIをつくることには、慎重になるべきである。

  • 進化し続けるAIの今後と、AIが社会や人間にどう影響を与えるかについて、4人の研究者の意見をまとめた本。

    本書は哲学的なアプローチからAIの今後について読み解いています。

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著者プロフィール

丸山 俊一(マルヤマ シュンイチ)
NHKエンタープライズ エグゼクティブ・プロデューサー
1962年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。「欲望の資本主義」「欲望の時代の哲学」などの「欲望」シリーズをはじめ「世界サブカルチャー史 欲望の系譜」「人間ってナンだ?超AI入門」「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」「地球タクシー」他、異色の教養番組を企画・制作。
著書『14歳からの資本主義』『14歳からの個人主義』『結論は出さなくていい』他。制作班などとの共著に『欲望の資本主義』『欲望の資本主義2~5』『岩井克人「欲望の貨幣論」を語る』『欲望の民主主義』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学するⅡ』『マルクス・ガブリエル 危機の時代を語る』『マルクス・ガブリエル 新時代に生きる「道徳哲学」』『AI以後』『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 アメリカ70~90s「超大国」の憂鬱』他。東京藝術大学客員教授を兼務。

「2022年 『脱成長と欲望の資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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