AI以後 変貌するテクノロジーの危機と希望 (NHK出版新書) [Kindle]
- NHK出版 (2019年10月10日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (160ページ)
感想・レビュー・書評
-
AIの真のリスクと可能性とは?様々なジャンルの“世界的知性”が、今、そしてこれからのAIについて考察する。NHKの番組「世界の知性が語るパラダイム転換」をまとめた書籍。
■意識(マックス・テグマーク/物理学者)
・AI研究の究極の目標は、学習能力があり、何でも人間より上手くできる汎用人工知能(AGI)の開発である。
・AGIを考える時、「意識とは何か」という根源的な問いについて考える必要がある。
・意識とは「主観的体験」であり、「情報処理」の一種でもある。
・今後、研究が進み、何が意識を伴う情報処理かを判断できるようになれば、AIが意識を持つ上で必要なものがわかる。
■倫理(ウェンデル・ウォラック/倫理学者)
・自律したAIが意思決定を下すことで、甚大な社会的被害が起こりうる。よって、AI自身が道徳的判断を下せるようにする必要がある。
・そのためには、人間がどのように道徳的判断を行い、道徳を学習しているかにも目を向けねばならない。
・善悪の概念は人によって異なる。そのため、AIに正しい価値観を教えることは、不可能かもしれない。
■自律(ダニエル・デネット/哲学者)
・AIが「自律」するようになると、人間の命令を拒否する可能性もある。
・そうなった場合、人間はAI を動かすために説得する必要性が出てくる。また、AIが自律性を持てば、人間に隠しごとをするようになるだろう。
・こうした点を考えれば、人間と同等、またはより賢いAIをつくることには、慎重になるべきである。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
進化し続けるAIの今後と、AIが社会や人間にどう影響を与えるかについて、4人の研究者の意見をまとめた本。
本書は哲学的なアプローチからAIの今後について読み解いています。