小説 シライサン (角川文庫) [Kindle]

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 13
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感想・レビュー・書評

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  • 話を聞いた者は皆呪い殺されてしまう、とてもとても恐ろしい怪談。温泉旅館でその怪談を耳にした3人の学生は、長い黒髪で目が異様に大きな女の幽霊に次々殺されてしまう。その女から目を逸らすと両目を破裂させられ、たちまち死んでしまうのだ。怪談はネット上に拡散し、呪いの被害は徐々に広がっていく。

    身の毛もよだつホラー話だが、短編向きのネタを強引に長編化した感が否めないな。

  •  今まで徹底してホラーを避けてきたというのに、まさか作者読みでひっかかってしまうとは。ホラーは克服したいと思いつつもやっぱり苦手で敬遠してきたが、大人になり神経が図太くなったからか何とか読了できた。でも、怖かった。
     ホラーの王道なのかはわからないが、聞いた人が呪われてしまう怪談を知ると怪死する。冒頭からいきなり強烈な死のシーンに戦慄。対処法はわずかながらあれども、実行にはなかなかの精神力を要する上、成功してもまたやって来る可能性があるとなると…。最後まで読むと、冬美が「夫さえあの場所にいなければ」と思ったくだりの意味がわかる。

  • 怖かったー!怖かったよー!軽い気持ちで読み始めたけど、この手のホラーは苦手。小説のリングの怖さ。リングはビデオを見なきゃ良いけど、これは読んじゃってるし…。怖いよー!

  • 「リング」や「螺旋」っぽさのあるホラー小説で良かった。

  •  乙一さんの「zoo」面白かったので、映画化されたという長編を読んでみた。
    が、いまいち。劣化版「リング」。もうちょっと面白くできたんじゃないか。リングみたいに一人は理論的なアプローチで事件解決を試みるキャラも欲しかった。(その過程で物語が深くなったのでは?)
     
     映画化されるって先に決まってて、スポンサーの意向とか入れなきゃいけなかったのかな?これ本人書いてるのかな?と感じるくらい、乙一さんらしくないなーという印象の作品でした。
     最後の間宮冬美が子供を預かってるというところあたりは良かったですが、
    どうして人を殺し続けるのかとか、なぜそうなったのか、複数人でいるときは誰かが目を合わせていれば大丈夫というような設定はどこからきたのかなど、諸々の設定が甘いところがあり、その粗さが残念でした。

  • 怪談が伝播することで、聞いた人にも怪異が襲いかかる呪いがかけられるホラー小説。
    「シライサン」の描写は怖いんだけど、それ以上に「都市伝説」の伝播の仕方とか、どこまで改編したら力が無くなるのかとか、ネット時代の怪談のあり方みたいなものを考えさせられた。
    でも見てる間は近寄って来ないのって、テレサと同じよね…。
    最後らへんのどんでん返しとか「シライサン」の正体も面白かった。
    さすが乙一。

  • 図書館にて。
    本棚に乙一作品を見ないな、と寂しく思っていたら、実は何冊か小説を出していて慌てて注文したうちの1冊。
    でもこれはちょっと中途半端な感じ…。
    シライサン、十分怖いんだけどなんだろう。
    解決しない感じもとっても怖いんだけど、呪いの大元の女性の恨みのようなものがいまいちはっきりしない感じがするからなのかな。

  • 肝心のシライサンの描写が大雑把で想像力を掻き立てられるような恐怖感がまったくなかった・・
    話で伝染するっていうのがリングと似通ってて、2020年の小説にしては捻りがなくて古典的。
    最初から映画化を狙ったような台詞回し、ご都合主義な作風も鼻について自分には合わずとてもつまらなかったです。

    「夏と花火と〜」は面白かった記憶があるのになぁ

  • ある話を聞くと3日後に死ぬ呪い、というありがちなホラーですが、結構怖いし、内容も引き込まれ、読むのが止まらない。
    で、オチは「え?終わり?」という感じです。解決しない。助かったのか、助からなかったのか。評価はわかれそう。
    え、その子だれ? え、どういうこと?と数分考えて、あ、そういうことか、と……。
    明確に記載されていないので、立ち止まって考えないとオチに気づけないオチというのがまた面白くて自分は好きです。
    かなり考察できる余地がある終わりです。
    伏線回収が下手で……とかではなく、意図的にそういう終わりになっています。この人のこのセリフはこういう意味?いやこういう意味かな?結局はこういうことだったんじゃ?いやいや、そうではないかと……など、解釈がいくつもできる。読みお終わった後、誰かと話し合いたくなる。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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