楽天のトラリーマン、仲山達哉さんとかつて読売ヴェルディの黄金期に選手だった菊原志郎さんの対談形式でサッカーの育成を通した対談による育成の本質を語り合った内容。
育成年代における教育についてはしばらくテーマにしているので、なかなかに興味深かった。
サッカーの育成を通した話は高校の部活動の先生の本などを読むことも多いが、大体が人間力の指導になるが、本書でもそれに準ずる内容だった。
また、コーチとして、どのように指導をしているかの実践知の多くだったので、金言が多かったように感じる。
伸びる子と伸びない子の差については純粋に主体性を持って目的を達成するための試行錯誤ができるかどうかという話や、それができるためには夢中になることが必要であること、それを取り巻く大人・保護者がどう振舞ってはいけないかなどの話は共感するところが多かった。
無意識にやってしまうことやかけてしまう言葉が、子供の将来に大きな影響を与えることもあるので、そうしたことはやはり気をけたいなと思った。
学びの取れ高を多くして成長することを目的とするということは非常によかったので、使っていきたい。
育成の本質はより短い期間で変われるように支援することと率直に書いてあったのもよかった。
たしかにそうだなと思う。遅かれ早かれ人間は変わったりするものだが、その成長速度をあげられる、気づかせることができるコーチというのは本質的なのではないかと思った。
これをトラッキングできたりすると、よりナレッジも蓄積するだろうな。オススメ。
◆目次
第1章 天才の「育ち方」
第2章 強いチームを育む組織文化
第3章 組織の育成―自走するチームのつくり方
第4章 個の育成1―伸びる子と伸びない子の違い
第5章 個の育成2―自走人の増やし方
第6章 「個を伸ばす指導者・保護者」と「個をつぶす指導者・保護者」の違い
第7章 グローバル時代の育成
第8章 サッカーから学んだことを通して幸せになる