紙版を購入。特集は「手紙」。個人的には、このzineは、”砂漠を生きる”さんの文章を読むために買っているといっても過言ではない。今回も、”仔ヌーを逃がす”は奇想とサスペンスに満ちていて好み。/他に、十二音技法で現代音楽の扉を開いたシェーンベルグが、自分はチャイコフスキーの改良版の作曲家と思ってほしい、そして人々に私のメロディを知ってもらい、口笛で吹いてほしいのです、という手紙を書いていたことには意外の感。作曲家たちがなぜ作曲を続けられたのか、という問いには、彼らは誰かが言わなくてはならなかったことを、自ら言わねばならなかったのです、と力強く答えている。/もう一箇所目をひいたのが、ニコライ・フョードロフの「フランスや西欧全体が、それが人生の唯一の目的とでもいうかのように、各人の金儲けへの権利を保証することを神聖視している。すなわち、生きることは完全に徒労であると認めているわけである。」という一節。