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感想・レビュー・書評
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ある食品会社(どこにでもあるような会社)の内情を
“チャラ男”と呼ばれる部長を含めた
さまざまな立場の人が独白していく。
昔の会社には(それこそバブルの頃には)
“チャラ男”がうじゃうじゃいた。
肯定的ではないにしろ、その存在は認められていた。
“チャラ男”になりたい、という人もいたと思う。
時代は変わり、社会全体に余裕がなくなってきた。
会社にも余裕はない。
しっかりビジョンを持って経営しなければ、
会社だっていつなくなるか、わからない。
大きな不祥事があれば、会社は簡単に吹っ飛ぶ。
社員はそれぞれの事情で会社を離れていく。
だからといって、人的補充はない。
物理的にも、心情的にも余裕がなくなる。
伴い、“チャラ男”を認める、許容する雰囲気もなくなってしまう。
“チャラ男”は“チャラ男”なりに考えて行動しているのだが……。
絲山秋子の著書を読むのは初めてだったし、
タイトルからして、もうちょっと“軽いタッチ”の小説かと思っていたが、
すごく、『いま』をあらわしている作品だと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
伊藤ちゃんの病んでいく過程がリアルで、身につまされた。シカ男のはずの社長が、1番の無責任男だったな。