御社のチャラ男 [Kindle]

著者 :
  • 講談社
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  • ある食品会社(どこにでもあるような会社)の内情を
    “チャラ男”と呼ばれる部長を含めた
    さまざまな立場の人が独白していく。

    昔の会社には(それこそバブルの頃には)
    “チャラ男”がうじゃうじゃいた。
    肯定的ではないにしろ、その存在は認められていた。
    “チャラ男”になりたい、という人もいたと思う。

    時代は変わり、社会全体に余裕がなくなってきた。
    会社にも余裕はない。
    しっかりビジョンを持って経営しなければ、
    会社だっていつなくなるか、わからない。
    大きな不祥事があれば、会社は簡単に吹っ飛ぶ。
    社員はそれぞれの事情で会社を離れていく。
    だからといって、人的補充はない。
    物理的にも、心情的にも余裕がなくなる。
    伴い、“チャラ男”を認める、許容する雰囲気もなくなってしまう。
    “チャラ男”は“チャラ男”なりに考えて行動しているのだが……。

    絲山秋子の著書を読むのは初めてだったし、
    タイトルからして、もうちょっと“軽いタッチ”の小説かと思っていたが、
    すごく、『いま』をあらわしている作品だと思った。

  • 伊藤ちゃんの病んでいく過程がリアルで、身につまされた。シカ男のはずの社長が、1番の無責任男だったな。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞を受賞しデビュー。「袋小路の男」で川端賞、『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、「沖で待つ」で芥川賞、『薄情』で谷崎賞を受賞。

「2023年 『ばかもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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