シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成 (NewsPicksパブリッシング) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ファクトフルネスで読んでほっとしたが。この本を読んでみるとまさかの逆に悪くなって言ってることがわかりおどろきました!

  • 学ぶことが多すぎた1冊。学生である自分の何段階も上の視座にいるとこれほどまでのスケールで話が出来るのかと恐ろしさを感じるほどであった。
    日本が直面している危機をファクト(データ)ベースで説明してあり、その解決策までも提示してあった。自分の狭い視野と思考力じゃ到底考えつかない様なことばかりだが、どれもファクトを知った上では納得感のあるものだった。
    大きく2つのことを心に刻んだ。
    1つ目は自分自身が異人となり、リーダー層として日本を盛り上げられる様な人材になるということだ。自分の心を開き、正しいと感じたもの、面白いと感じたものに素直になり未来を切り開いていきたいと思う。
    2つ目は、日本のことをもっと知ろうということだ。自分はあまりにも生まれ故郷のことを知らなすぎ、その中の良し悪しに全然気づいていない。この本をきっかけに、歴史や環境、経済など様々な視点から母国について学んでいきたい。
    いづれ自分も安宅さんのような視点で国のような大規模な対象を捉えて課題解決に結びつけることができる人物になりたい。

  • 以前読んだ「イシューから始めよ」の本を通じて私は知的生産の革命に大きな感銘を受けました。その著者の次なる著作が本書「シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成」です。
    昨今の日本では、「AIに仕事が奪われる」「AIが人間を超える」などの危機感が蔓延していますね。本書はこういった言説に対して、「これからの日本はどうすればいいのか?」「私たちにはどんな教育が必要なのか?」といった提言が書かれています。「作者はきっとこの国のことを本当に良くしていきたいと思って書いたんだなぁ・・・」ということがしみじみ伝わってくる内容でした。

    そんな本書ですが、筆者は最初に「今の日本はまったくもってオワコン」と言います。しかし、このオワコンともいえる状況をもって、ここから勝てる!オワコンだからこそ日本は勝てるのだ!とするのが本書の主張です。確かに、今の日本には未来に希望を持っている18歳が1割以下しかいないといった、悲観的な調査結果もあります。しかし筆者は、これから確実に到来する変化の波を「黒船」にたとえ、かつて黒船襲来によって日本が鎖国から解き放たれたように、変化を日本新生の契機に掲げていました。

    本書は400ページを超える分量で、そのボリューム故に複数の切り口で論じられています。「データ×AI利活用の基本ループ」「国富を生む方程式の変容」、「産業革命の3段階」「価値創出の型と生み出す価値」「現代リベラルアーツ」・・・などなどたくさんあり過ぎて書ききれないので、詳細はぜひ読んで確かめて欲しいです。さて、未来を創るための切り口として、本書は「出口産業」と「妄想力」を掲げています。正直言うと私自身も、本書を読むまではコロナ禍での今後の日本の社会や産業にこの先に打つ手を見いだせずにいました。しかし、読後の今は、飽くなき妄想の力に希望すら思うようになりました。また、出口産業についても、これからの日本は、GAFAのような既に君臨する巨大プラットフォーマーを目指すのではなく、データ×AIを実際の産業、利用分野へ活用する道を模索していくべきだという主張で、ここにも強く頷くことになりました。
    総じていうと、本書は「未来を創る」ための提言集だと言えます。目下、2020卒~2021年卒の就活生はとても苦労していると思いますが、これだけでも希望が持てる内容なので、特に就活・転職をしている人は希望の一冊になると思います。

  • 先輩研究者のススメで読んだ。
    youtubeとかで要約を聞いて読んだ気になっていた。実際読んでみたら、その情報量と熱量に驚いた。
    やはり原著は良かった!!特に、「若手に投資しよう」という考えに旨を打たれた。
    確かに現在の日本では博士進学が茨の道に空の道になっているのは本当に心からよくわかる。
    しかもそれがリソース配分の問題でどうにかなるかもしれないと言うのも大変興味深かった。それを含めて若者に投資するような日本にもっと変わっていくやっていくべきだと強く感じた。
    また風の谷構想も大変興味深かった。
    確かに今後日本は地方の中で生きていく道を探らなければいけない気がする。都市化の流れから逆行するのは、なかなか大変な気がするが、のびのびと地方で生きるという選択肢もありそうと思う。

    情報量が多かったので、また読んでみたら違った感想が出てきそうな気がする。
    おすすめしたい素敵な本だった。

  • 読書家の知人に紹介されて本屋でそのタイトルとオレンジの色合いを見て購入し、奮闘しながら読了。 430ページ以上という内容以上に重厚だった。 じっくり読んでたらなかなか前に進まなくて途中で挫折してしまったかもしれない。 著者がはじめにで以下の記載があり相当の覚悟をもってでも読んで力になる本だと思う。
    ―――――――
    それなりに広範な領域で生きてきた自分でも、専門とは言い難いことにもかなり首を突っ込んで書いた。これだけの広がりをつなぎ合わせないと見えない大切な話がずいぶんとあるからだ。それを一緒に感じ、考えてもらえるのであれば、と思って自分の限界までストレッチしてこの本を書き下ろした。
    ―――――――

    AI×データ時代、という中、自分もなんとかいろいろと勉強しながら進めているが、日本の立場・日本の未来を見据え、かなりな広範囲な情報とその裏付けとなるデータ、若者への期待を込めての未来への提言、風の谷構想など、実に興味深い内容であった。 10年後に読み返したら、あぁ、なるほどなんとなくこの方向に近づいているのかな、と思う日が来るのかもしれない。
    『シン・ニホン』 謝辞にそのタイトルの由来の記載があるが、日本人として、この本は読んでおいてよかったと思う。(ただしやはり思うが、なまはんかな気持ちでこの本を読もうと思わないほうがいい。圧倒的な熱量に飲み込まれる)

    NewsPicksパブリッシングということもあり、『読み終わってからが、始まり。』というオンライン読書会の案内が挟まれているのもぐっときた。 
    本書とは(直接は)関係ないが最終頁のNewsPicksパブリッシング案内から抜粋しておこう
    ===========
    こんな時代に立ち上がる出版社として、私たちがすべきこと。
    それは「既存のシステムの中で勝ち抜くノウハウ」を発信することではありません。
    錆びついたシステムは手放して、新たなシステムを試行する。
    限られた椅子を奪い合うのではなく、新たな椅子を作り出す。
    そんな姿勢で現実に立ち向かう人たちの言葉を私たちは「希望」と呼び、
    その発信源となることをここに宣言します。

    もっともらしい分析も、他人事のような評論も、もう聞き飽きました。
    この困難な時代に、したたかに希望を実現していくことこそ、最高の娯楽(エンタメ)です。
    私たちはそう考える著者や読者のハブとなり、時代にうねりを生み出していきます。

    希望の灯を掲げましょう。
    一冊の本がその種火となったなら、これほど嬉しいことはありません。
    ===========

  • TEDxTokyoを観たのだが、改めてじっくり考えようと購入う。動画を観ていたので、大体のアウトラインは理解しているため、読むときにもシッカリと頭に入ってきた。これから購入する人も、まずTEDを観てからだとよいのでは。

  • ・時代の潮流に乗ること
    ・人間社会で成功するかどうかは運、根気、勘、Charmにかかっている
    ・知覚できないものは知識になりえない。知覚を育むことを意識すべき
    ・知覚した内容を自分なりにアウトプットすることが有効かつ重要である=真の理解につながる
    ・人口減少は必ずしも悪ではない。生産性向上ができれば3000万人程度でも経済的に持続可能

  • 僕にはキャパオーバーな本でした(不甲斐ない)
    そんな本だけあって感想もしっかりと書かれているのが多い様な・・・皆さん流石です

    僕も含めて初心者はYouTubeの要約動画を観た方が頭に入るかも汗

  • 2021/01/03 シン・ニホン☆☆☆安宅和人
    さすがマッキンゼーOBならではのスケールとプレゼンを感じさせる本
    米国のMBAテキスト風にかなりの分量だが、文章は平易で読みやすい
    テーマは「ニホンの未来を創る」かなと思う
    幕末ー明治維新と同じで、「国家のガラガラポン」が不可避だが出来るか
    このまま衰退していく見方が大勢のようだ
    1.「ニホン病」
      突き詰めるとかっての英国のように、蓄えを食い潰しながら困窮化
      サッチャーのようなリーダーがでないと根本的な改革は進まない ジリ貧
      国家の危機感 幕末の黒船のような 
      コロナを対処療法でごまかしているうちはダメ
    2.AI時代への適応 
      ニホンは後発だが応用期には強みあり 勝機に向けて挑戦すべき
      人材の勝負 ①リーダー②専門家③リテラシー
    3.教育の再興
      時代の変化に適合していない 硬直化①制度②人事③予算④組織
      Global時代にニホンの教育はガラパゴス 
      変えられるのは外人・外資 明治・敗戦後と同じ
      →「大学の改革」は面白い
    4.社会保障・財政
      国としてのPL面白く判りやすいマッキンゼー流
      持続不可能だが、「若い人への支出増」が勝負手 許容範囲
      BSについてはあえて触れない 
    5.地方の独立経営 
      地方交付税で補填するやり方は持続不可能 
      負担している都市部が自分の高齢化で余裕がなくなる
      「ふるさと納税」は逆行 政府に認識あるのか

  •  現在の日本社会の教育や労働力に内在する問題をデータで浮き上がらせ解決策を提示していく。事例が多く本分と図説が被っているので冗長に感じるが,非常に論理的な考え方が示されており,説得力はある。

     これからの時代には,言葉や数字になっていない世界を知覚できる能力の開発が必要。具体的な事象に向かい合う5つのコツは,「現象、対象を全体として受け止める訓練をする」「現象、対象を構造像的に見る訓練を行う」「知覚した内容を表現する」「意図的に多面的に見る訓練をする」「物事の意味合いを深く、何度も考える」こと。旧教育の「スポンジ力」ではなく,これからの時代には「気づく力」が必要になる。スポンジ力は人間よりAIの方が得意な分野である。そういう人材を育成する教育システムが必要。現在は未来に必要となる人材を育成するための教育刷新が行われていない危険な状態だ。
     少子化は地球規模で見て将来の人間に必要なことであり問題ではない。日本の労働力の問題は,65歳で伐採する定年制を廃止することやG7中でも最低レベルの労働効率を上げること,女性の労働力を活かすことなどにより解決可能である。国全体を家族として考えてみた場合,おじいちゃんおばあちゃんは食事ができ,お父さんお母さんは粗食,子供には食べ物が与えられていない状態。老人を生かすために若者を犠牲にする国に未来はない。未来のために最適なリソース配分は,「育て評価する人の像を刷新」することにより可能となる。

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著者プロフィール

慶應義塾大学 環境情報学部教授。ヤフー株式会社 CSO(チーフストラテジーオフィサー)
データサイエンティスト協会理事・スキル定義委員長。東京大学大学院生物化学専攻にて修士課程終了後、マッキンゼー入社。4年半の勤務後、イェール大学脳神経科学プログラムに入学。2001年春、学位取得(Ph.D.)。ポスドクを経て2001年末マッキンゼー復帰に伴い帰国。マーケティング研究グループのアジア太平洋地域中心メンバーの一人として幅広い商品・事業開発、ブランド再生に関わる。2008年よりヤフー。2012年7月よりCSO(現兼務)。全社横断的な戦略課題の解決、事業開発に加え、途中データ及び研究開発部門も統括。2016年春より慶応義塾大学SFCにてデータドリブン時代の基礎教養について教える。2018年9月より現職。内閣府 総合科学技術イノベーション会議(CSTI)基本計画専門調査会 委員、官民研究開発投資拡大プログラム (PRISM) AI技術領域 運営委員、数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度検討会 副座長なども務める。著書に『イシューからはじめよ』(英治出版、2010)

「2020年 『シン・ニホン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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