人間たちの話 (ハヤカワ文庫JA) [Kindle]

著者 :
  • 早川書房
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感想 : 28
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感想・レビュー・書評

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  • 横浜駅SFで出会った柞刈湯葉さんの最新の短編集。

    6つの短編、それぞれが、別の方向からのサイエンス・フィクションでした。

    そう、SFってサイエンス・フィクション、の略なんですよね。SFの「サイエンス」の部分が強い調味料になっている作品たち。でも、その中で「人間(地球人)」である自分ってなんだろう?というのを考えさせる作品ばかりで読み応えありました。

    ・冬の時代
    ・たのしい超監視社会
    ・人間たちの話
    ・宇宙ラーメン重油味
    ・記念日
    ・No Reaction

    「記念日」が、なんだか妙に好きでした。



    よし、これでPodcastの「いんよう!」の続きが聞けるっ!(「人間たちの話」の感想回がまだ聞けてなかったのw)

  • おもしろい!とてもおもしろい!!
    SFは読んだことがなかったのですが、とてもおもしろいです。←この程度の語彙の私ですがアッという間に読み終わりました。

  • 表紙からも想像されるとおり、ポップなSFといった感じで、全体的に軽く読める。重量はない。
    ネット以後の文体といった感じで読みやすいと思う。ライトノベルやなろう小説ほどの軽さがないのは、バックボーンの違いだと思う。

    あとがきを読んでもわかるが、小説は小説としてエッセイも向いているんじゃないかとも思うけれど、なかなか本になることもないだろう。

  • 冬の時代 2.5
    読みやすくはあったが個人的に内容に魅力を感じなかった。短編である以上仕方ないのだが、もう少し徘徊を知りたい、自分の想像力で話を膨らませるにしては情報が少なすぎてあまりに拡がりすぎてしまうように感じた。
    たのしい超監視社会4.0
    読みやすかった。内容が自分にはぶっ刺さった。ネタバレになるので詳しくは書けないが、そもそもの当たり前だとか概念がどれだけ社会に依存したものであり、他者からそれを見た時に、当人がどれだけそれを重要だと思っていようとも、それはちっぽけなものにしか感じられないこともありうる。価値観の大きな乖離は行動の要因を理解することを難しくする。ということがここまで読みやすく表現出来るのかと思った。終わり方も安い(安いは失礼かもしれないが)漫画の始まりではなく、妙にリアリティがあってよかった。リアリティというよりは、より多くの保守的な人間の行動。
    人間たちの話4.5
    これもかなり良かった。前半は少しだけ太宰治みを感じられた。ネタバレになるので書けないが自分の考えと似通った部分があり、また人間ってこうだよなという特徴?特性?慣習?のようなものが見られて良かった。
    宇宙ラーメン重油味3.0
    読みやすかった。ただ、内容はかなりありきたり?ありきたりではないが、すごく単調な感じがして、満足感がなかった。終わり方もどちらかと言えばチープな感じがして自分の好みではなかった。
    記念日3.5
    良かった。他の話でも言えることだが、理路整然と道筋のたった考えが書かれているのがすごく気持ちよかった。一瞬、精神的に参ってしまい、自分を見出す存在をその大きなものとして考えてしまっているのかな?(そう考えれば女の返信とも辻褄が合う)とも思ったが、そこはSF的な自分の理解のまだ足りていない部分なのだと思う。対比的に、最後は少し答え合わせをするような感覚になった。ちょっとだけ。
    No Reaction3.0
    これも読みやすかった。が、やはり自分のSF的造詣が浅いせいなのか、もうすこし論理的な説明が欲しいような、その設定では辻褄合わなくない?と思ってしまう部分があった。(物語の本筋とは関係ないけど)
    これももう少し長めの話として読んでみたい。

    総評4.0
    かなり読みやすく、SFをあまり読まない自分でも話に入り込みやすくてよかった。満足感もあると思う。値段もちょうどいいので、買って読まなきゃ良かったとなることは無いと思う。

  • あらゐけいいち先生の装丁ってすごい。
    装丁で見ただけでちゃんと物語が頭に再生されるときにあらゐけいいち先生の絵で再生される。
    個人的にはおもしろいけど、自分の中でおもしろくなりきる前に終わったような感覚の作品が多かった。
    まだ柞刈湯葉先生の長編を読んでないので長編を読みたい。

  • 2023/12

  • 生物学研究者という著者の経歴をフルに生かしたSF短編集。
    評価項目に『発想・アイデア』があれば、★10ぐらいつけたい作品。

    どの話も突飛な世界ではあるのだが、現実から地続きの未来のようでもあり、いつかこんな世界になるのではと薄ら寒さを覚える話もある。これが柞刈先生の作品の魅力だと考える。
    ただ短編集ということもあり、全ての話にきっちりと起承転結がついているわけではなくオチらしいオチがないものもあった。

    『たのしい超監視社会』がイチオシ。

  • 久々のSFでした。長編いってみるかな、って思った。

  •  全体的にピンとくる話はあまりなかったが、「記念日」という話がめちゃくちゃ好きだった。こういう話に出会いたいから本を読んでるところある。

  • 面白かったが、話によっては鼻につくサブカル、ラノベ感が度々気になった。ラノベが悪いなどと言うつもりはないが、ラノベ的な言葉遣いや設定、展開に対して、漫画を読むようには受け入れられない。
    繰り返すが、作品自体は面白く、SFとして楽しめるものが多かった。ただ他の作品も読みたいか、というと…どうだろう。

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著者プロフィール

2016年、小説投稿サイト「カクヨム」に投稿した『横浜駅SF』が第1回カクヨムWeb小説コンテストSF部門大賞を受賞し、デビュー。著書に『重力アルケミック』『未来職安』『人間たちの話』『まず牛を球とします。』他。

「2022年 『SF作家の地球旅行記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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