銀河鉄道の父 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • よかった。
    思っていた宮沢賢治とは少し違うけれど、まぁ、これは父の物語。そう、父の。
    そこそこページ数があるけれど、あっという間に読み終えた。
    賢治が初めてきちんと童話を書き上げた時に、父に対する思いに気づくシーンにぐっときた。

    映画はどこをどんなふうに切り取っているのか、気になる。

  • 第一印象は「家族の物語」。賢治もだけど、主人公であるお父さんも、妹のトシも、みんな魅力的だった。トシの描いた物語は読んでみたかった。その彼女の最期の「言葉」をエゴで奪った賢治には正直引いたけど、それも作家の性なのかな、と思ったり。ちょっと読むのに間を開けながらだったので、そのうちじっくり再読したい。

  • 作者の小説を初めて読んだが、とても読みやすかった。
    とても器の大きなお父さん にしてあの賢治が生まれた。
    亡くなった後、宮澤賢治は評価されたが、生前から父は賢治の作品を評価していた。
    沈黙はいちばんの贖罪
    本は読む者を攻撃しては来ない。
    本に書かれた言葉との穏やかで静かな対話。

  • 映画をやると聞いたので、読んでみたミーハーです。あのうつくしい文章を書いたひとは、どのようにして育ち、そして死んでいったのか。父親の目線から語られる。多少フィクションが入っているとは思うが、どれも本当のこととしか思えないリアリティさ。賢さん、アナタそんな頑固な性格だったのね…学校で習ったときはなんとも思わなかった「永訣の朝」。賢治の思いが痛いほど伝わってきた。理不尽な時代に生まれながら、子を愛した、温かい父の物語だった。

  • 父親からの視点で見る宮沢賢治像は、今までと全く違った見え方がして面白い。人は1人にしてならず。病魔に負けそうな賢治に檄を飛ばす場面が特に好き。

  • 最近読んだ中で一番好きな本になった。有名な人はその本人にだけ注目しがちでも、お父さんの視点から描かれていると周囲がどう捉えていたか分かるからおもしろい。賢治もトシももっと長く生きていたらどんな文章を残していたか気になる。現代では普通のお父さんとして捉えられることでも当時はかなり甘い父親と見られていて、だからそれぞれの子供がそれぞれの道を歩めたのかと思った。

  • 政次郎はあまりにも”親”で、”好敵手”だった。
    これを役所広司が演じるのも楽しみ!

  • 宮沢賢治が、天才というより、むしろ聞き分けのない、できない息子をして描かれている。父の努力と愛情があってこそ、賢治は開花したのだな、という父の愛情がふんだんに描かれてる。見る視点を変えるのは大切だと思った。

  • 聖人じみたエピソードとともに語られがちな宮沢賢治のイメージが変わる作品。彼の父目線だからこその人物像の掘り下げであり、切り口が面白いと感じた。
    常に我が子を気にかけ、時に厳しく、時に優しい親として在り続けた姿には頭が下がる。
     

  • なんとなく立派な人という勝手なイメージの宮沢賢治像が壊されたが、かえって人間味あふれるごく普通、というかむしろ面倒な人物であると感じた。
    その父も明治の父親とはずいぶん異なる温かきまた頼りがいのある、本当の意味での立派な父親であった。

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著者プロフィール

1971年群馬県生まれ。同志社大学文学部卒業。2003年、第42回オール讀物推理小説新人賞を「キッドナッパーズ」で受賞しデビュー。15年に『東京帝大叡古教授』が第153回直木賞候補、16年に『家康、江戸を建てる』が第155回直木賞候補となる。16年に『マジカル・ヒストリー・ツアー ミステリと美術で読む近代』で第69回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)、同年に咲くやこの花賞(文芸その他部門)を受賞。18年に『銀河鉄道の父』で第158回直木賞を受賞。近著に『ロミオとジュリエットと三人の魔女』『信長、鉄砲で君臨する』『江戸一新』などがある。

「2023年 『どうした、家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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