- Amazon.co.jp ・電子書籍 (223ページ)
感想・レビュー・書評
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難しい部分はかなり飛ばしてしまった。
歴史やその周辺の知識がない私にはレベル高すぎた。
ただ、第一次世界大戦や第二次世界大戦を生きた人の体験から語られる話としてとても生々しく響いてきたのは事実。
日本って被爆国だし、自分の祖父母世代は東京大空襲を経験してるし、日本人から語られる戦争の話ってどうしてもどこか“被害者意識”がある。
そして、昔の話をするとき人はだいたい誇張してしまうもの。
だからこそ、被害者という立場を取らず、冷静に戦争について論じるオーウェルの見方は興味深かった。
『絞首刑』は死刑というものの怖さについて考え直したし、
『象を撃つ』は、タイトル通り象を撃つ話なのだけど、そこに至るまでの過程の心理描写がえぐかった。 -
ジョージ・オーウェルは学生の頃に読んだことがある。1984年と動物農場を読んだ。また「象を撃つ」も読んだと思う。
今読んでみると、実に面白いと思う。
植民地支配も冷戦も一応過去のものになった今だからこそ、ジョージ・オーウェルの言っていることは大変地に足のついた知性のあることであるように思う。
植民地も冷戦も(当時のリアルタイム状況に比べれば)過去のものと言えるだけに、歴史の後付け公爵ができるので楽だが、最後のガンジーに対する評論はまだまだリアルタイムで、面白かった。引き継ぎ事項って感じがする。 -
名前は聞いたことはあるが、読んだことのなかったジョージ・オーウェル。しかしUK系のロックを聴いていると時々出てくるキーワードでもあり、トランプ政権になってからも「1984」が売れる等、今後も名を残す著者の本を、そろそろ読もうと思っていたところ、2019年に出版された、この本をみつけた
この本は、訳者がこの時代に読んでほしいと選んだ、オーウェルが1930~1945年頃に書いたエッセイ集だ。すでに評論集が出ているので、それとは違う観点で纏められている。これ等は純粋に当時のイギリス、欧州がどうだったのかを知ることが出来るなど、オーウェルという観点を抜きにしても興味深いし、「おいしい一杯のお茶(紅茶について11の鉄則を延々と語る」や「スポーツ精神(国代表で争うスポーツは銃撃戦のない戦争にすぎないとディスる)」などでは、オーウェルがどれだけ「小難しいインテリ系のイギリス人」なのかを知ることが出来る
正直、エッセイのテーマがばらつき過ぎているという感もある。最初にオーウェルの本を手に取り、どういった時代で、オーウェルがどういった人物だったかを端的に知るには良いと思うが、有名なエッセイ(像を撃つ)は他の編集本とも重複するので、その点でも、オーウェルを読み深めていく人には向かない気もする