たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 〈昭和ミステリ〉シリーズ [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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  • ・このミステリーがすごい2021年1位。
    ・戦後が舞台の推理小説。もちろん時代を感じさせない雰囲気で楽しめた。

  • 密室に首切り殺人と豪勢だが、死体を窓から滑り台で滑らせたとか、首切り死体は床から頭だけ出した形でのものだったなど物理的なものでたいして面白くない。それよりは戦後の情緒のほうが面白いのかもしれない。タイトルも、終戦の日にアメリカ人捕虜を殺そうた人を議員を責めたところ逆に殺されてしまったことの復讐での殺人で、大量の人が戦争で死んでいく中、一人くらい殺しても「たかが殺人じゃないか」というわけだ。
    それよりエンディングが面白い。
    「トーストだったわね。本格ミステリはどうでもいい話が長々つづいて、終わりになるまで犯人がわからない、民主的じゃないといったのは。だから意地になって書いたんですって」
    「へえ、どんな具合に書いたんた」
    「最初の一ページで、すぐ犯人を紹介する!」
    級長の宣言に、トーストと姫が吹き出し白い息を吐いた。
    「事件もはじまりないのに、犯人が出せるかよ」
    「うまくいったらお慰みですわね」
    テーブルの上でカリカリと音をたてていた勝利が、その手を止めて声をかけた。
    「お待たせ!最後まで書いたから、もういいぞ。こいつを印刷する間に、きみたちは一ページから読んでくれ!」
    いわれるまで律儀に待っていた三人が額を寄せてきた。
    そして読みはじめた。

    「犯人はお前だ!」
    鉄筆の先端で、廊下に面した戸を指したとたん。
    タイミングよくその戸が開いたから、驚いた。部屋にはいろうとした別宮操先生も、目をまるくして立っている。「ヘェ、私が犯人?」

  • ミステリーよりも青春小説という印象が強い。
    こんなクソみたいな大人が生き残ったんじゃあ、学生運動も起こるわなあ。

  • 期待はずれ
    つまらなかった
    嫌いな描写もあり。結局、消費してる。

  •  
    ── 辻 真先《たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 20200529 東京創元社》[Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B087X98Z7C
     
     Tsuji, Masaki 作家 19320323 愛知 /名古屋大文学部卒業
    /1954-1962 NHKテレビの制作演出を担当。その後、アニメ脚本家と
    《エイトマン》《巨人の星》、現在も《名探偵コナン》などを担当。
    《仮題・中学殺人事件 1972》でデビュー、《アリスの国の殺人 1981》
    で日本推理作家協会賞、2019日本ミステリー文学大賞。主な作品に
    《迷犬ルパン》《ユーカリおばさん》の各シリーズなど。
     
    (20210103)
     

  • 「サザエさん」、「デビルマン」、「名探偵コナン」の脚本を出かけた88歳の作者が描く、戦後まもなくの新制高校を舞台にしたサスペンス。昭和で流行った少年探偵団や金田一耕助シリーズを思わせる探偵や学生の活躍はノスタルジーを感じる。若い世代には「名探偵コナン」に似たストーリ展開であり、親しみやすいのかもしれない。

  • 今発表する作品に作者が知っている日本の終戦前後の舞台設定をしたのは興味深かった。密室を作ったり、バラバラ殺人にしたりしたところはストーリー上犯人の行動に必然性がなかったように思え、今一つ犯人に感情移入できなかった。

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著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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