よみがえる変態 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 星野源さん ガッキーと結婚した人 というくらいの浅い認識だったが 本を読み終えてちょっとファンになった。

    カフェで 電車の中で…読みながら思わず声を出して笑ったり 「えっ? こんなこと書いちゃって大丈夫なの?」って思ったり ほっこりしたり ジーンとしたり… 

    気負うことなく 
    世の中の「あたりまえ」みたいなことを ちょっと斜めからみていて その表現が絶妙で…
    星野源という人の感じたこと 思うことが 空気みたいな自然さで感じられる作品

    書かれている内容は闘病記だったりするんだけど 読み終えてなんだか幸せな感じが残る そんな1冊

  • 一番最初の章からおっぱいの話なのがこのエッセイの「変態的」な部分だろうなと思う.書いたときはまさかガッキーと結婚するとは読者も思うまい.前半部分はとにかくくだらない生活の描写が面白おかしいし,節々に挟まれるミュージシャン的記述には色々興味深いなあと思ったりでこれも良い.私が星野源をちゃんと認識したのがちょうどクドカンの「11人もいる!」のドラマからなので最初は役者さんだと思っていた.その章を読んでいるとクドカンはやっぱり面白い作品を作る人の目線だと思うし神木くんはかわいい.後半の「生きる」以降の章は必読.読み物としても面白いしこれから生きるパワーにもつながるし,何より星野源作品を聴くときにコクが出る.この本を読み終わったら「地獄でなぜ悪い」と「創造」を聞こう.

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  • まさかこんなに感動するとは。人間の奥深いところにあるドス黒さと繊細な柔らかさを曝け出して語り合う姿勢が大好き。

  • ・忙しくて追い込まれてる様子と手術前後のしんどさと。どちらもそれぞれ読んでて少し辛かった……。
    ・「タモリ学」の読書中、意味の否定という文脈で星野源(の歌詞)を思い出していた。この本を続けて読んだのはただの偶然だけど、タモリを慕っている様子が見えて面白かった。タモリも星野源も王道になってしまった(なれた)異端の人。
    ・ちなみにこの本を読んでて今度はARuFaを想起した。彼の脳内も覗いてみたいけど、こういう真面目なエッセイ本は書いてくれないんだろうなぁ。でも星野源との親和性は高そう。
    ・創作物への愛と、自身も創作し表現する者であることの喜び苦しみと、がやっぱり自分には全然ない感情だなぁと思った。(産みの苦しみの部分の記述には少し助けられているのだが別軸の話)

  • ポップソングにおいて、異彩な存在感を持つ音楽家、あるいはどこか純朴さを残しながら子気味いい演技をする名俳優、はたまた、独自の変態的哲学を抜群の筆致で書き上げる奇才ライターか。

    様々な顔を持ち、常にユーモアを欠かさず大衆を楽しませるエンターテイナー、星野源。

    先の年には、ガッキーこと女優''新垣結衣''との結婚を発表し、世間では彼をいわゆる''勝ち組''と表現する者も多くなった。

    このエッセイは、彼がそこまでの成果をあげるための過程、または試練と評するものもいるかもしれない、彼の少し昔の話である。

    ものづくりに現れる、ルーツや好きなものやこと。
    音楽制作、俳優業での生活と秘話。エロ。哲学。病。

    文章を読んでいて、彼は自分たちと何一つ変わらない人間であり、数多の人間臭さを残していることに気づく。弱音も吐くし、皮肉屋な目で世界を見ているし、なんなら人間の弱さみたいなものを多く残しすぎているとすら思う。

    しかし、彼の生む音楽や文章などあらゆるエンターテインメントには、悲しみをはねのけて笑いへと昇華する強い力がある。人間のはかなさを人一倍かかえながらも、それを否定するでもなく受容し、どうにかしてシリアスをコミカルへ、抗って変えようとする強さがあると、このエッセイを読んで感じた。

    また、エッセイを読んでから改めて曲を聞くと、感じるものがあり、とてもおすすめです。

  • 今ではメディアで見たり聞いたりしない日はない星野源さんですが、過去には死の淵に立たされたことも記憶に新しいです。 九死に一生を得た時にどう感じ、どういう思いだったのかが気になり本作を読みました。読んでみて、生きてるだけで平凡な毎日があるだけで素晴らしいなと改めて思えました。同時に毎日楽しく過ごすべきだなとも。 星野さんも毎日お忙しくしていると思いますが、健康には気を付けてこれからも素敵な作品を世に送り出して欲しいです!(敏腕医師のおかげで発症率は一般の人よりも低いようですが、気を付けて欲しいです!)

  • 仕事と向き合った記録だと思ったら仕事とタイマンで殴り合っていた感じ。殴り殴られてみないと得られない莫大な気づきがあっただろうし、一度捨て身で仕事する経験も必要なのかもと思った。

    日常での気づきみたいなものを記されていたけど、星野さんの場合、それが詞となり文章となりラジオでの発声になるから最終的には仕事に収束している。失敗が失敗で終わらない様子は一見羨ましくもあるけど、良いことばかりなはずもなく、まさに地獄なのかもしれない。

    文章を読んだ最初の感想。
    星野さん、良い音楽と良い芝居と良いラジオといい文章を届けてくれてありがとうございます。

  • 同い年の星野源さんのエッセイを初めて読んだ。
    同じ時間軸を生きているのだなあ。共感がたくさん。
    くも膜下出血、動脈瘤再発、本当に辛かったのだと思う。よく無事で生き残ってくれた。

  • くも膜下出血を起こす前のギリギリの生活をしている様子から、入院を経て、復帰して、再入院して、地獄を味わったからこそ、毎日を大切に出来るようになった様子が描かれている。

    自分も何かに追われがちになることが多いし日々の仕事などに追われて「心の振り子の振れ幅」が狭くなってることが多いように思う。

    いっぱい色んな経験をして、色んな人と交流して、身近にある死を意識した上で、日々を生きていきたい。そう思えた。

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著者プロフィール

1981年、埼玉県生まれ。俳優・音楽家・文筆家。俳優として、映画『罪の声』で第44回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。音楽家としては、近年に『SUN』『恋』『ドラえもん』『アイデア』『創造』『不思議』など多数の楽曲を発表。また、著作に『そして生活はつづく』『働く男』『よみがえる変態』がある。音楽、エッセイ、演技のジャンルを横断した活動が評価され、2017年に第 9 回伊丹十三賞を受賞。

「2022年 『いのちの車窓から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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