肉弾 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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感想・レビュー・書評

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  • 肉弾 (角川文庫)は、河崎秋子という作家の小説で、2017年に大藪春彦賞を受賞した作品です。この小説は、引きこもり気味の青年キミヤが、父親に連れられて北海道で狩猟に出かけるところから始まります。しかし、父親は熊に襲われて死んでしまい、キミヤは山中で野犬と共に生き延びるために闘うことになります。この小説は、人間と動物の命のぶつかり合いを描いたハードボイルドな物語です。

    私はこの小説の感想として、以下のようなことを言えると思います。

    - この小説は、人間の本能と自然の摂理について考えさせられる作品です。キミヤは、文明社会で何の目的もなく生きていたが、山中で獣として生きることを選択します。彼は、自分の命を守るために、熊や犬と戦い、食べることを学びます。彼は、人間としての知性や道徳を捨てて、自然の一部になろうとします。しかし、彼は本当に獣になれるのでしょうか。人間は獣になろうとすることができるが、獣は一生獣なのだという言葉が印象的でした。
    - この小説は、人間と動物の関係についても描いています。人間は、自分の利益のために、動物を駆逐したり、ペットとして飼ったりします。しかし、その結果、動物は人間に対して凶暴化したり、捨てられたりします。この小説では、キミヤが野犬と出会い、仲間となります。野犬たちは、人に虐待されたり、捨てられたりした過去を持っていますが、それでも人に温もりを求めています。キミヤと野犬たちの関係は、人間と動物の本来の姿を示しているのかもしれません。
    - この小説は、北海道の自然と歴史についても紹介しています。キミヤが泊まった宿の老人は、開拓時代の苦労や、熊との闘いの話をします。また、キミヤが狩猟に出かけた場所は、摩周湖の近くで、カルデラの武闘場と呼ばれる場所です。この小説は、人間が自然を破壊したことで、生態系が崩れたことを告発しているのかもしれません。

    以上が、私の感想です。この小説は、読んだことのない視点からのストーリーで、衝撃を受けました。生と死の本当の意味を知るために、キミヤのように極限状態にならなければならないのでしょうか。この小説は、人間と動物、自然と文明の関係について考えさせられる作品でした。

  • 野生の動物の苛烈な生きざまとヒトと動物の命の平等性、そして人間の理不尽さが物語を重層的に展開する。
    引き込まれました。

  • 文字を読んでいるだけなのにニオイがしてきた、とそう感じた。すごいな。
    結局、父親はなんの目的で森に連れ出したのだろうか。

  • 狩り好きの親に連れ出された山中で
    クマVS野犬と人間のサバイバルが始まるっ

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著者プロフィール

1979年北海道別海町生まれ。2012年「東陬遺事」で第46回北海道新聞文学賞、14年『颶風の王』で三浦綾子文学賞、15年同作でJRA賞馬事文化賞、19年『肉弾』で第21回大藪春彦賞を受賞。『土に贖う』で新田次郎賞を受賞。

「2020年 『鳩護』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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