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感想・レビュー・書評
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読了。
まず、作者が普通の人じゃない。元防衛大教官にして自衛隊初の特殊部隊創設者、もう顔つきからして普通じゃない、ハッキリ言えば怖いw。別著「国のために死ねるか」も読んだが、今回は小説の体での著作。小説家ではないので小説としてのクオリティは置いといて、、、現実の国際情勢に鑑みて、北朝鮮や中国がこのように動くかどうかは知る由もないが、仮にこう動いたら、こうなる、というシミュレーションに関しては、圧倒的リアリティに満ちている。本作が書かれた時点では、ある意味荒唐無稽なお題だったのかもしれないが、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにした今、その臨場感に背筋が寒くなる思いだ。エンタメ小説としてではなく、有事のシミュレーション・ノベルとして一読の価値あり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一人の人間を救うために何人の命を差し出すのか。損得ではなく、どんな犠牲を払ってでも国民を守り抜く。そんな国家に国民は誇りを持ち国を愛すのだと思う。
自衛隊が海外治安活動に行っているが、誰かが打たれなければ自分を守るための発砲もできないなんて。国家を代表して行っているのだから、命を守ることが出来る様にしようよ。 -
有りそうで無い話だと思いたい。しかし著者の経歴を見ると妙にリアリティが浮かび上がる。
作者はどこ迄本気で書いているのか知りたい。
小説の作品としては表現に滑らかさが無い印象がある。 -
形容の仕方がわからないほど素晴らしい。
自衛隊特殊部隊のことはほぼ全く知らなかったのだが、本書ではその特性が内部の者でなければわからないレベルで詳細に記述されており、知的好奇心が大いに満たされた。
また、本書は意外なラストが待ち構えているが、ある出来事を解釈するときに、世間一般の解釈だけでなく国際政治への理解に基づいた、深いレベルでの洞察を行うことの重要性も示唆として挙げられている。現実世界が小説のような状況になっているか否かはさておき、今後はもっと批判的かつ多角的に事実を見つめたいと思った。
本書の特に素晴らしい点は、小説にありがちな「専門領域の話に深入りしすぎて読者が一時的に興味をなくしてしまう」様な箇所がほとんど、いや、全くなく、全ての文章を味わって読むことができたことだろう。それは個人的な興味にもよるところが大きいかもしれないが、是非多くの人にお勧めしたい本である。 -
ページを置くこと能わずの本だという書評が目立つ。確かに面白い。今の日本政府が北朝鮮の法人奪還を目指したとき、政治家にどれだけの覚悟がいるのか、そしてわずか数人救出のためでもどれだけの自衛隊員を犠牲にする必要があるのか、など私達は軽々には決断ができないことが思い知らされる。
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特殊部隊の創設時より特別警務隊に在籍した、元先任小隊長が書いた小説が面白くないはずがない。
官僚化してしまった自衛隊幹部の問題点も厳しく指摘している。実際そうなんだろうなと、あまりにもリアル。