邦人奪還―自衛隊特殊部隊が動くとき― [Kindle]

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  • 新潮社
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感想・レビュー・書評

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  • 読了。
    まず、作者が普通の人じゃない。元防衛大教官にして自衛隊初の特殊部隊創設者、もう顔つきからして普通じゃない、ハッキリ言えば怖いw。別著「国のために死ねるか」も読んだが、今回は小説の体での著作。小説家ではないので小説としてのクオリティは置いといて、、、現実の国際情勢に鑑みて、北朝鮮や中国がこのように動くかどうかは知る由もないが、仮にこう動いたら、こうなる、というシミュレーションに関しては、圧倒的リアリティに満ちている。本作が書かれた時点では、ある意味荒唐無稽なお題だったのかもしれないが、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにした今、その臨場感に背筋が寒くなる思いだ。エンタメ小説としてではなく、有事のシミュレーション・ノベルとして一読の価値あり。

  • 米国が北朝鮮のクーデターの為に空爆予告
    そこに拉致被害者がいる
    海自陸自の特殊部隊が突入
    21人戦死し6名の拉致被害者を救出
    ヘリがRPGで撃墜された。計画が北朝鮮にリーク
    リークしたのは米国。北朝鮮に資源を各国が狙っている。日本と北朝鮮の関係悪化が目的
    救出の実行部隊のリーダー藤井3佐は硫黄島に左遷
    辞めるつもりが手に職がない。怖くなって左遷をうけいれた。

  • 一人の人間を救うために何人の命を差し出すのか。損得ではなく、どんな犠牲を払ってでも国民を守り抜く。そんな国家に国民は誇りを持ち国を愛すのだと思う。
    自衛隊が海外治安活動に行っているが、誰かが打たれなければ自分を守るための発砲もできないなんて。国家を代表して行っているのだから、命を守ることが出来る様にしようよ。

  • ふむ

  • 自衛隊の悲しい立ち位置や政治に振り回されるもどかしさを感じる一方で、このような頼もしい部隊が存在することが希望でもある。

    また、とある事象に対する多くのものを得た組織、失った組織を考える。一次陽動かけて、二次陽動かけて、それから本当に潰したい目標を攻撃する。

    アメリカは日本と北朝鮮が近づいてほしくないから(地下資源があるから)、拉致被害者の引き渡しを邪魔したり、解決を図ろうとしない。

  • 自衛隊を2等海佐で退官した伊藤祐靖さんが書いた本。
    自分の経験を存分に生かして記述したと思われる部分が多いので、自衛隊のものの考え方がよく分かって新鮮だった。
    拉致被害者を救出する場面は少し出来過ぎのような感じはするが、これほどまでに多くのの犠牲者を出してまで救出しなければいけないのかを考えさせるには十分だった。

  • 有りそうで無い話だと思いたい。しかし著者の経歴を見ると妙にリアリティが浮かび上がる。
    作者はどこ迄本気で書いているのか知りたい。
    小説の作品としては表現に滑らかさが無い印象がある。

  • 形容の仕方がわからないほど素晴らしい。

    自衛隊特殊部隊のことはほぼ全く知らなかったのだが、本書ではその特性が内部の者でなければわからないレベルで詳細に記述されており、知的好奇心が大いに満たされた。

    また、本書は意外なラストが待ち構えているが、ある出来事を解釈するときに、世間一般の解釈だけでなく国際政治への理解に基づいた、深いレベルでの洞察を行うことの重要性も示唆として挙げられている。現実世界が小説のような状況になっているか否かはさておき、今後はもっと批判的かつ多角的に事実を見つめたいと思った。

    本書の特に素晴らしい点は、小説にありがちな「専門領域の話に深入りしすぎて読者が一時的に興味をなくしてしまう」様な箇所がほとんど、いや、全くなく、全ての文章を味わって読むことができたことだろう。それは個人的な興味にもよるところが大きいかもしれないが、是非多くの人にお勧めしたい本である。

  • ページを置くこと能わずの本だという書評が目立つ。確かに面白い。今の日本政府が北朝鮮の法人奪還を目指したとき、政治家にどれだけの覚悟がいるのか、そしてわずか数人救出のためでもどれだけの自衛隊員を犠牲にする必要があるのか、など私達は軽々には決断ができないことが思い知らされる。

  • 特殊部隊の創設時より特別警務隊に在籍した、元先任小隊長が書いた小説が面白くないはずがない。

    官僚化してしまった自衛隊幹部の問題点も厳しく指摘している。実際そうなんだろうなと、あまりにもリアル。

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著者プロフィール

伊藤祐靖(いとう・すけやす)
元海上自衛隊特別警備隊先任小隊長。昭和39(1964)年、東京都生まれ。日本体育大学卒業後、海上自衛隊入隊。防大指導官、「たちかぜ」砲術長等を歴任。イージス艦「みょうこう」航海長時に遭遇した能登沖不審船事件を契機に、自衛隊初の特殊部隊である特別警備隊の創隊に関わり、創隊以降7年間先任小隊長を務める。平成19(2007)年、退官。拠点を海外に移し、各国の警察、軍隊などで訓練指導を行う。著書に『国のために死ねるか』(文春新書)、『自衛隊失格』(新潮文庫)、『邦人奪還』(新潮社)などがある。

「2023年 『日本の特殊部隊をつくったふたりの“異端”自衛官 - 人は何のために戦うのか! -』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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