逃亡刑事 (PHP文芸文庫) [Kindle]

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  • 2020年(発出2017年) 334ページ

    高頭冴子32歳、千葉県警刑事部捜査一課所属の警部。あだ名は『県警のアマゾネス』。身長180㎝。剛腕で男勝りで美人。警官殺しの濡れ衣を着せられ、殺人の目撃者である8歳の男の子・猛と逃亡生活を送ることに、、、

    スピード感溢れるエンターテイメント小説です。ハラハラドキドキの手に汗握る展開のお話でした。はっきりとした勧善懲悪で最後はスカッとしましたが、千葉県警のその後は大変なことになりそうです。
    御子柴弁護士の名前が出てきた時は、御子柴先生とタッグを組んで闘うのかと思わず期待してしまいました。あてがはずれてちょっと残念。
    現実にはありえないと思いつつも、さすが中山七里さんで社会問題も取り込みながらの飽きのこないストーリー。正義と悪の二項対立がはっきりとしていて楽しい小説でした。

  • キャラ立ちがしっかりしているのと、展開にスピード感が合って読みやすかった。縦社会に蔓延る偏った思考がまるでカルトのようで怖かった。

  • 序盤からフルスロットルでスタートして最後まで駆け抜けるようなスピード感と熱さを感じる作品だった。
    飽きさせないストーリー展開が上手かった。

  • やはり中山七里、どれを読んでもはずれなしで、これもとても面白い。組織のどこまで腐っているかはこちらの思惑でした。アマゾネス冴子刑事もいいです。猛も良い。どの登場人物も生き生きとしています。冴子と猛がこの後どうなっていくのか、続編を期待したい。

  • 銃で殺された刑事の捜査にあたった高頭。真実を知るも、殺人犯の濡れ衣を着せられて警察組織に追われる身となってしまう。

    様々なピンチを切り抜けていく高頭の逞しさ、スピード感のある展開…大満足の作品だった。

    ◆高頭のキャラ
    口調が男性言葉で男勝り。長身。「アマゾネス」の異名を持つ。高頭不在の際でも動き回れる機動力のある班・部下を育て上げ、下からの信頼も厚い。30代未婚で結婚願望は消失気味だが【猛】に対し母性を見せるシーンがちらほら。

    ◆感想
    組織内に潜んだ悪事に対し徹底的にやり合う高頭の姿勢と行動力・思考力・機敏性・冷静さに心を惹かれる。ヤクザで気怠そうな語り口調だが任侠もある【山崎】や、施設を脱走し母親に会いたいと願う8歳児の【猛】、部下殺しで狡猾である【玄葉】、ホームレスに近い暮らしぶりでもどこかイキイキしている【佐古ジイ・センセイ】など、個性豊かでキチッと整理された人間関係もとても良かった。キャラが立っていて非常に読みやすい。

    見どころは高頭の攻撃力。ガタイの良い男刑事に物怖じしない態度と足払い・柔道技・相手の骨肉を躊躇なく砕く凶暴さ。濡れ衣を着させられてからの逃亡生活においては、自分事のように「次にどう行動すればいいんだ…」とハラハラしながら読み進めた。憎まれ口を叩きつつも、なんやかんや世話を焼く【山崎】に、コイツ本当はいい奴なんじゃねーかなとニタニタしてしまう。

    終盤、警察署からの脱出時のシーンにおいては「いやいや、非現実的じゃね」とも思ったけれどエンタメとして面白かったし、山崎やるなぁ…とここでもニンマリ。実際に起こったらとんでもない暴動だろうなと。

    ラストシーンで、もう少し結末を掘り下げてガツンと見舞ってほしかったなァ~という残念な気持ちが湧きつつも、きっと玄葉もその上も高頭にボッコボコに調理されるんだろうなという想像を楽しめて良かった。

    続編の【越境刑事】もあるので、是非読んでみたいと思った。

  • いや〜。かっこよかった!
    あっという間に読んでしまった…!
    高頭強すぎたw
    強い女性×賢い子供の組み合わせっていい。

    真犯人は割と予想はできたので驚きは特にありませんでしたが…県警内部全員敵!?だったので、この人は…この人は違うよね?????違うよね?????って思いながら読んじゃいました(笑)
    あとおじいちゃんたち無事でいて…と。

    結末がちょっと惜しいかな〜なんて思いましたが…
    どうなったんだろ?結局。感は若干あり…
    続編出たら面白そう!

    立場やその時によって見方なんて変わる。人を簡単に括っちゃダメだな、っていう学びにもなりました!

    ----------
    県警内部、全員敵!? 「どんでん返しの帝王」が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。単独で麻薬密売ルートを探っていた刑事が、銃で殺された。千葉県警刑事部捜査一課の高頭班が捜査にあたるが、事件の真相を知った警部・高頭冴子は真犯人に陥れられ、警官殺しの濡れ衣を着せられる。自分の無実を証明できるのは、事件の目撃者である八歳の少年のみ。少年ともども警察組織に追われることになった冴子が逃げ込んだ場所とは!? そして彼女に反撃の手段はあるのか!? 息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。

  • 腐敗し切った千葉県警の一部門
    アマゾネスが大活躍

  • 「犯人は生田巡査部長の上司、玄葉課長です」
    最初に犯人が分かった、目撃者も居た、本部長にも報告した、だけどそこからが長かった、最後、本部長こそ警察庁が汚職に関わって、最後には、ヤクザのまるBに助けられてた、こんな話は無いよー
    「押収物件の横流し、証拠物件の偽造、捜査情報の漏洩、どれ一つ取ってみても玄葉が単独でできることではありません。中でも捜査情報の漏洩は決定的でした。わたしが玄葉を疑っているのは本部長にしか報告していませんでした。それがいつの間にか玄葉にも知られていた。更に付け加えるなら、生田巡査部長殺害に使用された銃の線条痕について言及したのも、本部長にだけです。線条痕のすり替えはその時に思いついたのではありませんか」

    県警内部、全員敵!? 「どんでん返しの帝王」が贈る、息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。単独で麻薬密売ルートを探っていた刑事が、銃で殺された。千葉県警刑事部捜査一課の高頭班が捜査にあたるが、事件の真相を知った警部・高頭冴子は真犯人に陥れられ、警官殺しの濡れ衣を着せられる。自分の無実を証明できるのは、事件の目撃者である八歳の少年のみ。少年ともども警察組織に追われることになった冴子が逃げ込んだ場所とは!? そして彼女に反撃の手段はあるのか!? 息をもつかせぬノンストップ・ミステリー。

  • 人はいろんな顔をもつ ってことが再認識できた。とても読みやすかった

  • 登場人物のキャラ設定がわかりやすく、読み進めるにつれてよりそのキャラの様々な面が見られて面白かった。
    ストーリーは予想通りだったが、2人が逃走する様子は読み応えがあった。
    やや現実離れし過ぎている気もしたが、気にならないくらいにあっという間に読み終わった。
    猛の一挙一動が大人びていたり子供らしかったりと可愛かった。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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