マネジメントへの挑戦 復刻版 [Kindle]

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  • 日経BP
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感想・レビュー・書評

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  • 自分はいまだに一倉教信者なんだな、とつくづく思う。
    一倉先生の考え方に賛成する。

  • 中小製造業の経営に関する考え方として、すごく有意義な一冊。
    ずっと手元に置いておきたい本。

    □心に残ったもの
    ・計画は将来に関する現在の決定。必ずそのとおりに実施する。そのために必要なものは、生きるためが基礎にあり、次に必要なのはトップの強い意志。(最高峰は経営方針)
    ・重点主義はやらないことを決めることで、経常担当者がやるべきことを決める。
    ・問題とは、計画(標準)と現状との差。問題には急性問題と慢性問題がある。急性問題には問題を掴んだ後に対策を取り、次回へ生かす。慢性問題は問題を掴んだ後に原因を明らかにし、対策を取る。
    ・責任と権限は等しくない、現実は権限のみ押し付けられるのは世の常。権限が無いのであれば、必要な分を具体的な事項について上役から獲得するもの。権限を委譲させるのは、自分がすべき仕事に集中するために必要。
    ・管理責任の範囲に応じて、部下の数が決まる。部下が自己目標を達成するための指導などできる範囲。
    ・売上年計表:当月から1年以内の可視化することで、全体の直近の売上推移を見る。
    ・未来事業費:会社の将来を創造するための費用(潜在的実力)未来事業費は経費のため、現在の利益を得るためには未来事業費を削るのは愚か。売り上げー現事業費=現事業利益。現事業利益ー未来事業費=純利益
    ・工賃=賃率x加工所要時間

  • 目標は経営者がたてる。
    付加価値の45%が給料。

  • 日本のドラッカーと言われた一倉定の復刻版。

    経営計画のくだりは目からウロコだった、
    実現可能なもの、事実に即した、とはよく言われてきたことだが、
    それでは革新的な計画は生まれない。

    実現不可能に見え、ムリに見えるものを策定する必要がある。

    ここからが難しいわけだが、この大前提を計画策定者と共有することは非常に大事だと思った。

    あとは、自分自身を律していないものが、部下を律することができるわけがない。
    まずは自分を教育する。
    そのとおりである。

    ↓メモ
    世にいわれている〝計画に具備すべき条件〟とかいうのがある。
    ○実現可能なもの
    ◯事実に立脚したもの

    過去の実績は、〝不手ぎわと失敗の積み重ね〟であり、過去の理論は、〝いままでにわかったほんのわずかな事がら〟にしかすぎないのである。
    このようなものを根拠にした、実現可能なムリのない計画というものが、もっともらしさだけで、そのじつ、いかに権威のないものであるか

    ★零戦〟を設計したとき
    どこに事実に立脚したものがあるか、どこに実現可能な見通しのあるものがあるのか

    ★計画とは〝生きるため〟のものであるかぎり、それは、
    ○実現不可能にみえ
    ○事実に立脚せず
    ○ムリがあり
    ○非科学的なものであり
    ○納得がいかない  
    ものなのである。計画とは、過去の実績からみたら納得のいかないもの。

    ★「過去の実績」という尺度では計れないような計画でなければ、革新は生まれないのだ。〝実現可能なもの〟というようなマネジメントのきまり文句など、これらの業績の前には三文の値打もない

    最大の改善〟ではなくて、どうしてもこれだけは絶対に改善しなければならない、という必要最少限の改善を目指す

    「いつまでに、ここまで」という目標(新基準)がまず第一にくる


    1.目標(新基準)が設定され
    2.現状を調査し
    3.新基準と現状とのギャップをつめる

    まず経営者から、あるいは上司から、はっきりと目標を示されているかどうか

    会社の将来をきめる未来事業費を、苦しいからといって、不用意に切りつめることは絶対にしてはいけない

    「部下が思うように動かない」という嘆きをよく耳にする。しかし、部下が動かないことを嘆くまえに、自分に確固とした計画があるかどうかを反省する

    知らせない計画は、ないのと同じである。計画を知らせずに、部下が思うように動くわけがない。部下はどうしていいか、わからない

    まず部下に目標を与えること

    できるだけやる〟ということになる。〝できるだけ主義〟ではダメなことは、すでに述べたとおりである。  

    われわれの行動は、つねに目標がなければならない。〝これだけ主義〟でなければならない

    統制とは〝計画と実績との差をとらえて、これをつめること

    むずかしいのは実行であり、なおむずかしいのは統制すること

    われわれの仕事は、治療主義ではなく、予防主義がほんとうである。予防するためには、差を早めにとらえるのでなければ、対策の時間がなくなる

    試し実施期間〟を設けて、この間の経験によって、悪いところを随時改定し、それらが終わったところで本決定とするほうがいいし、実際的である

    問題とは、 計画( 標準) と現状との差

    問題も急性と慢性では解決法が違う

    急性の場合には、 1 問題をつかむ 2 対策をとる 3 原因を調べて、これを取り除く

    火事は消すことが先で、原因はあとから調べればいい

    慢性の問題の解決法は、 1 問題をつかむ 2 原因をあきらかにする 3 対策をとる  という順序に行うのである。急性問題とは順序がちがうことに注意

    心構え や 態度 の 問題 で ある。 と すれ ば、 その 心構え や 態度 を 身 に つける こと によって、 凡人 でも 有能 な 経営 担当 者 に なれる ので ある。

    人 を 管理 する ま え に、 まず 自分自身 を 管理 する こと で あり、 部下 の 仕事 は なん で ある かを 考える ま え に、 自分 の 仕事 は なん で ある かを 考える こと で ある。

    部下 を 思う よう に 働かせる こと が でき ない のは、 自分自身 を 働かせる こと が でき ない からで ある。

    まず 上 を 向く こと で ある。 経営者 が 上 を 向く、 という こと は、 顧客 の ほう を 向く こと で ある。 よい 社長、 よい 経営 担当 者 に なる ま え に、 顧客 に とっ て よい 会社、 上役 から み て よい 部下 に なる こと で ある。

    上役 は 自分 に 何 を 求め て いる か」 を はっきり と 認識 する こと で ある。 この

    決定 の 段階 で 最も いましめ なけれ ば なら ない のは、 ちゅうちょ する こと で ある。 ちゅうちょ する こと は、 誤っ た 決定 を する よりも なお 悪い。

    決定 には 大きな 勇気 が いる。 その 決定 が 重大 な 結果 を ひき 起こさ ない とも かぎら ない し、 決定 に対する 全 責任 を 負わ なけれ ば なら ない からで ある。 将来 の危険がつねにつきまとっているのだ。


    ★コスト・ダウン という のは、 現 事業 費 に のみ 適用 できる 考え方 なの だ。
    未来事業費には使えない。

    絶対値 の よしあし は、 問題 点 という 観点 からは、 どう でも よい ので ある。 要は、 その 値 が どの よう な 傾向 を とっ て いる か、 という こと なので ある。

    ★自ら を もっとも よく 教育 し た 人間 のみ が、 他人 を もっとも よく 教育 する こと が できる」 と 思う。 自分 で 自分 を コントロール でき ない よう な 人 に、 他人 を 指導 する 力 が ある 筈 が ない。

    まず、 うまい パン を あたえる」 こと を 最 優先 に 考え よう では ない か。 「衣食 足り て 礼節 を 知る」 の だ。 人間関係 は そこ から 出発 しよ う。

  • 多くの社長を指導し「社長の教祖」と称された経営コンサルタント、一倉定。
    学問的なマネジメント論とは一線を画す、きれい事抜きの、現実に根差したマネジメントを説く書籍。

    計画とは、「将来のことを、あらかじめ決めること」である。
    「あらかじめ決めてしまう」のだから、当然、決めたことを「そのとおり実施する」という責任が生じる。また、実施されることは、計画以上でも以下でもいけない。

    仕事の現実は、
    ①限られた時間のうちに、
    ②不完全な資料をもとにして、
    ③事態を把握し、判断し、決定し、行動する、
    ものである。
    そのために必要なのは、知識や技術ではなく、思索や知恵、そして決断をくだす勇気である。

    問題とは、「計画(標準)と現状との差」だ。
    こう考えると、目標や計画などのないところに問題は生じない。
    不良品が出ても、不良品をなくそうとする意欲がないと、不良は問題とはならない。高い目標がある時、目標と現状との差が問題になる。

    組織とは、事業の目標を達するためのチーム編成である。
    組織をつくる場合、理想や公式論がどうであれ、会社の目標を達成するために、“わが社の実情”に合った組織はどういう形をとればよいか、を考えるべきである。組織に定形はない。

    「責任と権限は等しくなくてはならない」と考える人は多い。
    だが、これはナンセンス極まる考え方だ。会社を含め、社会では、常に責任のみ重く、権限はほとんどない。権限があろうとなかろうと、責任は果たさなければならないのである。

    責任の範囲は明確にできない。
    会社の中の問題は、責任や権限を明確にできない個所におこる。よって、問題を解決するには、問題に関係がありそうな人や部門が協議し、判断し、決定する以外に道はない。

  • 経営計画の大事さを改めて痛感。
    時代が変われど、普遍的な。内容


    以下メモ

    前進する以外に、生きる道のないのが、企業の宿命
    業界の成長率以上に会社も成長が必要。
    それは業界シェアの維持に最低限

    会社というものは、成長する以外に生きる道がない、という宿命をもっている。


    有能な経営担当者の基本的原則

    1 まず自分自身を管理せよ
    2 上を向け
    3 すみやかに決断をくだせ
    4 目標を設定せよ
    5 結果に注目せよ
    6 時間を有効に利用せよ
    7 優先順位を決定せよ
    8 人の長所を利用せよ


    コスト・ダウンというのは、
    現事業費にのみ適用できる考え方なのだ。
    三度のメシ(現事業費)は二度にしても
    (節約しても)、子供の教育(未来事業)を
    するのが親(経営者)のつとめなのである


    自分を教育する能力が、
    すなわち人を教育する能力であることを
    認識すること

    抜てきを行なわなければ、教育効果はあがらない

    会社の方針は、社長の信念から、社長の責任で、
    高い目標を設定しなければ、生き残れるものではない

    人は自分のために働いているのだ。
    まず賃金を上げよ。

    経営計画書の具体的体裁

    ・サイズは必ずA4版
    ・ページ数は二〇ページまで
    ・誰でも分かりやすい文章
    ・豪華な製本をすること

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著者プロフィール

1918(大正7)年、群馬県生まれ。36年、旧制前橋中学校(現在の前橋高校)を卒業後、中島飛行機、日本能率協会などを経て、63年、経営コンサルタントとして独立。「社長の教祖」「日本のドラッカー」と呼ばれ、多くの経営者が支持した。指導した会社は大中小1万社近くに及ぶ。1999年逝去

「2020年 『ゆがめられた目標管理 復刻版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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