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感想・レビュー・書評
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太平洋戦争を収支という視点で分析する内容。
戦争に至る経緯の説明が意外と詳しく、戦争を始めた理由の理解に役立つ。
<読んだ動機>
コロナ禍という非常事態を受け、過去の非常事態から学びたくなり、太平洋戦争関係の本をいくつか読んでみている。
<成果>
戦争を知らない我々は、戦争は1945年で終わった、と思っているが、そんなことはないということがよくわかった。
<主なポイント>
・1937年から終戦までに使った軍事費は、GDPのほぼ二倍。この莫大な軍事費は国民からの借金によって賄われ、戦後はハイパーインフレにより踏み倒された。
・軍は人件費を切り詰める一方、兵器には金をかけた。
・戦争により、国内の資産の約25%が失われた。
・戦争により、主要産業の生産設備は20〜50%が破壊された。
・植民地や占領地は、どれも満足に利益を生まないうちに手放さざるを得なかった。植民地や占領地には油田もあり、日本は資源国になる可能性さえ秘めていた。日本が去った後に残された設備は、現地で大いに活用された。
・戦後、戦勝国への賠償は、ある程度在外資産と相殺された。一方で、旧植民地や占領地には賠償金や無償経済協力、経済協力金など様々な形で賠償をし続けることになる。
・1959年時点で、一世帯あたりの賠償額が大卒初任給を超えている。
・戦争により人命は失われ、街は瓦礫になり、資産は紙屑になった。引き換えに得たものは、ない。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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