- Amazon.co.jp ・電子書籍 (220ページ)
感想・レビュー・書評
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労働組合の成り立ちがよくわかる。日本的経営の三種の神器として企業別労働組合が語られるが、その本質的な意味合いや機能はともすると漠然としていて、よくわからないことも多い。改めて労働者側あるいは経営者側から労組に対して古典を通じて学ぶ機会に気づかされた。ただし本書で取り上げた文献はあまりにも古いものなので、原典にあたろうとすると、古書読解に共通する別の苦労をいとわないことが必要である。
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まず私にとっては難解な本でした。主内容はイギリス、ドイツ、フランス、アメリカ、日本などの労働運動に関する有名な、あるいは重要な書籍の紹介と解説であり、働き方改革の具体的な推移等の話は実はほとんどありません。そもそも労働市場のデータが全く出てきません。たとえば、平均就業年数とか、労働者の転職の回数とか、のデータが全く引用されないので、本書タイトルはかなりミスリーディングだと感じます。
しかし、労使関係をどうとらえるのか、という立場・考え方の各国での理論的・歴史的展開などはかなり俯瞰的にとらえられており、とくに、労働運動家にありがちな左翼的見解に毒されることなく、また経営側の論理に立つこともなく、それぞれの立場・見解をわかりやすい形で提示してくれています。
とはいえ、経済の第3次産業化にともない、どこの国でも組合組織率は下がってきており、労働組合を前提とした労使関係の議論が、どこまで現実に合致したものか、疑問に感じました。そして、日本では非正規労働者の増加という問題もあり、労働者間の格差の広がりをどうとらえるべきか、本書からはあまりinsightが得られなかったように思います。
もちろん、この分野に関する知識が不足している私なので、素人の浅薄な感想かもしれません。 -
働き方改革ってなんだろうなと思って読んだ。
分化が大事だと言っている本。
結局、経済的分業的な考え方が大事、それが結論なのかなと思った。あとは仕事に対して、人が交換可能であること。 -
働き方は労使で作っていくものということをつくづく実感しました。相互の関わり合いの程度、力関係、目指すもの、社会状況など様々な要素が複雑に関わって、偶然的に作り上げられているものなんだろうなぁ。