数学者の夏 [Kindle]

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  • 講談社
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  • 東京に暮らす天才高校生の上杉和典はひとりのなれる環境を求めて、農家に泊まって、涼しい環境のなかで学習をするという伊那谷学生協議会主催するプログラムに参加することになった。
    伊那谷では、当時の政府の方針により、民間人27万人以上が満蒙開拓団に加わり、第二次大戦末期、日ソ不可侵条約を破ったソ連により、沖縄戦や広島・長崎、東京大空襲以上の犠牲者を出した歴史があった。
    上杉和典は、村を揺るがす事件を、巻き込まれていく。

  • これは結局いったい誰の物語であったのか。私にはすこしわからない世界でもあったし、いろんなモヤモヤ感が残った。
    辺境の田舎にきた数学系エリート学生の上杉が主人公として進むことは進むのだが、閉鎖コミュニティの闇に無遠慮に割り込む心境がまず同調できず。綻びを見つけたら整合性がつくまで計算したくなる性なのか。結果的に大小の不審の理由や事実にたどり着くけれど、それはあなたが立ち入るところではないというか、、、
    自分がスッキリしたいがために行動しているように見えてしまう。それに、どうやっても年齢設定も厳しいとおもってしまう、敗戦を14-5歳で戻ってきたなら、どこでもスマホ検索を使いこなすこの世代と、こういう出会いはさすがに計算合わないとおもうし、へき地の山谷があるような田舎で、どこでもクリアにネットにつながるのも違和感、まだその未来には来ていないとおもうし。地元のひとも通らないような獣道が検索で出るなんて、このかんじの閉鎖感の田舎ならちと無理がある。身近さとリアリティに阻まれた、余計なおせっかいを見てしまった、、という読後感、すみません。いわゆる「高学歴ニート」な立場、あるいはそれに関わっている方なら、違う思いがあって読めるかもしれない。うーん。

  • (図書館本)お勧め度:☆5個(満点10個)はっきり言って退屈だった。これと言って盛り上がりもなく、淡々と進んでいくストーリーがやけに整然としていて、最後にどんでん返しがあるのかなと思いきやそれも無かったし・・。唯一「ブルーハーツ」が数学に関係あるのかという疑問が残っただけだった。内容は天才的な数学の才能を持った高校生、彼は長野の山奥で出会った人物に数学的才能を見染て彼と彼の母親にはまっていく。彼らには人に言えない秘密があった。それが、最後に仰天をもたらすのかと思えばそうでもなく、中途半端な終わり方だった。

  • KZ Deep(Upper)シリーズ7作目で、書き下ろし

    前作に続き数学の天才高校生上杉和典だけが活躍し、小塚君、黒木君は電話出演。伊那にはヘリコプター墜落事件の時も星を見に来てたな、と思い出す。

    まだ誰も解いていない数学の懸賞問題が解けず、壁に当たって人の少ない伊那谷村で集中して勉強しに来たのだが、ホストファミリーの父親が工場長になった製鉄工場を巡るトラブル、満蒙開拓団歴史資料館の盗難事件に首を突っ込んでいろいろを探り始める。
    計算の途中を書き留めた紙が隣家の庭に飛んでいったが、思いもよらない続きの計算が書き込まれて戻ってきて、いないはずの数学者に出会う。
    最後はガソリン盗難事件の犯人を見つけて、放火を未然に防ぐのだが、学生村に参加している紅一点が中学の時に一時的に付き合っていた立花彩で、このあといい雰囲気になりそうな予感。

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著者プロフィール

長野県生まれ。西洋史への深い造詣と綿密な取材に基づく歴史小説で脚光をあびる。フランス政府観光局親善大使。著作に、『新・三銃士』『皇妃エリザベート』『シャネル』『アンジェリク緋色の旗』『ハプスブルクの宝剣』『王妃マリー・アントワネット 華やかな悲劇のすべて』『幕末銃姫伝』『i維新銃姫伝』など多数。青い鳥文庫ではKZのほかに「妖精チームG(ジェニ)」シリーズ、『マリー・アントワネット物語』『三銃士』も手がけている。

「2019年 『探偵チームKZ事件ノート 特装版 校門の白魔女は知っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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