心理的安全性のつくりかた 「心理的柔軟性」が困難を乗り越えるチームに変える [Kindle]

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  • 日本能率協会マネジメントセンター
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感想・レビュー・書評

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  • オーディブルで聴了。興味深いテーマなので、類書を読みこみたいです。

  •  心理的安全性って最近よく聞くので、気になって読んでみた。

     心理的安全性とは、率直な意見や素朴な疑問や違和感の指摘などが誰でも気兼ねなく言えることだそう。そういえば「これっておかしくないですか?」「なんでこんなやり方してるんですか?」なんて言ったら煙たがられると思って言えないことがほとんど。そんな、死後硬直してるのかなっていうぐらい固まってるように見える組織文化や人との関係性を変えるにはどういう行動をとればいいのかが書かれているのが本書。
     リーダーシップは別にリーダーだけのものではなくて、一人ひとりが発揮できるもの。心は変えられないけど、行動は変えられる。他人の中に問題を見つけるんじゃなくて、自分自身を問題に入れる。そんな文章を読んで、自分の仕事での行動はどうだっただろうといちいち手を止めて考えてしまった。例えばで出してくる悪い事例が、あるあるー!ってなるものが多い。じゃあどうしたらいいの?って先が気になって一気に読んだ。すぐ2回目も読んだ。
     とりあえずの正解を探して進んだり、その中で失敗しても学んで次に活かしたりすることが大事な今の時代に、チームで協力することの重要さを教えてくれる本。一緒に働く人に配りたいぐらいおすすめ。

  • 個人的ハイライト:望ましい行動と求めるレベルとは切り分けて考える。
    報連相はそれ自体は望ましい行動。まずその行動は認める。内容に物足りなさがあるなら、認めた上でレビューする。
    行動の結果が叱られるというマイナスだと学習したら行動しなくなる。
    そう言われればそうだよなぁと納得感はあるけど、多分実践は簡単ではない。頑張ろう。

  • 日本版 チームの心理的安全性の4つの因子
    1.話しやすさ
    2.助け合い
    3.挑戦
    4.新奇歓迎

  • ・・ヌルい職場 = 心理的安全性がある、ではない
    ・・今までは求めるStandardが低く、そこが良くなっているのは歓迎
    ・・ただキツい職場の側面が強いのではないか?無知、無能、邪魔、否定的だと思われるリスク

    ・当然に言いたいことを言ってないのはまずく、タスクに対しての対立は歓迎したい
    → 対立が起きない理由は、
    ①理解度のギャップ
    ②クローズドな議論
    ③役割の不明確さ
    ④心理的な安全性の無さ


    ・リーダーとしては、自分自身に問題があるのでは?自分自身を問題に入れて考えることが重要。

  • ▼おすすめ度:★★★★★
    心理的安全性の言葉は知ってるけど、具体的にチームにどうやって導入するの?という人向け
    ※自分がマネージャーなど場を作る立場じゃないと導入が難しい側面もあるので、そこは注意。

    ▼所感
    ・心理的安全性の定義、もたらす効能、チームに取り入れるためのワークなど、知識から実践に落とし込むところまで丁寧にまとめられていた。
    ・実際に取り組む時は、単純に書かれてることを倣うだけだと難しいかもしれないが、ヒントにはなりそう。
    ・心理的安全性を取り入れた結果、「従来定義された正しさ」に囚われず「いま目指したいこと」にチームで向かっていける例がとても良かった。

  • 神ですね。この本も。
    特に3章の「②助け合いの行動分析」が私には響きました。

    網羅的に、納得いく論理展開と適度な具体例。分かりやすい親切な解説。
    読むだけで仕事ができるようになる希望が持て、何度も読んで身につけようという気になります。

    また、倫理的安全性を測定するアンケートも日本人の文化に合わせて調整するなどの姿勢も、私には、素晴らしいと感じられました。

    この本も、美しい芸術作品だと、私は思います。
    出会いに感謝します。

  • 『行動分析』を用いて心理的安全性を読み解く指南書。

    心理的安全性の重要な要素は大きく分けて4つ。
    ①話しやすさ『何を言っても大丈夫』
    ②助け合い『困ったときはお互い様』
    ③挑戦『とりあえずやってみよう』
    ④新奇歓迎『異能どんとこい』

    簡単にいえば、この4つのポイントが組織のなかで心理的安全性が確立されていると言える。

    この心理的安全性を高めるためには、『心理的柔軟性』があるリーダーシップを発揮することが重要。この心理的柔軟性において必須なことは
    ①変わらないものを受け入れる
    ②大切なことに向かい変えられるものに取り組む
    ③その二つをマインドフルに見分ける

    一方、心理的『非』安全な環境は以下のようなきっかけで起こりうる。
    『成功は一つの方法でしか成しえない』⇒過去の成功体験が思想をロック
    『リーダーである者は部下よりも優れているべきである』⇒リーダーという鎧を着てしまっているがゆえに、柔軟な考え方ができなくなってしまう。
    様々な人材と一緒に過ごす昨今の中で(筆者は『正解のない時代』と呼称)
    『なにかあったらすぐに言ってね』という声掛けだったり、報連相を大事にするというルール付けだけでは、心理的安全な環境を作ることは難しい。

    人の行動が持続できるかどうかは、『きっかけ』と『みかえり』で決まる。
    次回、同じ行動を取る確率が『増えるみかえり』のことを好子(こうし)、
    次回、同じ行動を取る確率が『減るみかえり』のことを嫌子(けんし)と呼ぶ。
    例えば
    ・悪い報告をしたとして、それにより叱られてしまい、次回報告する自発性が下がる⇒次回からは心理的リスクを感じ報告の頻度が減る、嫌子
    ・悪い報告をして、迅速に報告してくれたことに感謝し、一緒に解決策について考える⇒心理的にリスクを感じない好子であり、心理的安全性の4つのうちのひとつ『助け合い』でもある。

    組織を成長させるにあたって、自分が良かれと思って行っている行動が好子なのか、嫌子なのか。
    心理的安全性を高め、組織の風通しを良くするために言った『報告して』が直後の対応次第で逆に嫌子になっていないか。
    自身で見直していくきっかけになる1冊。

  • 【文章】
    とても読みやすい
    【ハマり】
     ★★★★・
    【気付き】
     ★★★★★

    内容が章を跨いで立体的に繋がっているため、一通り読むだけだと内容がなかなか頭に入ってこない。

    ・チームになっているグループは、共通の目標に向かう活動を行う
    ・心理的安全性が無いと、意見の対立は人間関係の対立に直結する
    ・チームの心理的安全性は、パフォーマンスの先行指標
    であり、長期的に捉える必要がある
    ・「相手以上に相手の才能と未来を考えている」という自負がないのであれば、厳しく接するべきではない
    ・人生で大切なことは、判断よりも選択した方がよい場面がある
     ・判断は基準をもとに選択肢を比較するなど、根拠があるが、選択に根拠は不要

    日本での4つの因子
     話しやすさ
      話す
      聞く
     助け合い
      助けを求める
      助ける
     挑戦
      挑戦する
      歓迎する
       結果を振り返り、ともに学ぶ姿勢
      機会を与える
      機会をつかむ
     新奇歓迎
      個性を発揮
      個性を歓迎
      適材適所
       価値付けされた行動
        みかえりのためではなく、やりたくてやっている
        メンバーに任せてみて、フォローせずとも自然とやってくる領域の仕事
    変革の3段階
     行動・スキル
      行動分析
       きっかけ
        プロンプト
         Lv1.リマインド
         Lv2.問いかけ
         Lv3.行動の指示
         Lv4.マニュアルの提示
         Lv5.手本を見せる
         Lv6.一緒にやる
         徐々にレベルを下げて独り立ちさせる
       みかえり
        好子を増加させる
         感謝を伝えることから始める
        嫌子によるコントロール
         効果は乏しい
       ルール支配行動
        言われたとおり
         行動そのものから、みかえりを感じていない
         ルールを守っていることに対するみかえりのみ
         他社からの見返りに依存している
         成果が出るまで時間がかかる取り組みに対しては有効
         不十分な仕事を生み出す
         無駄なルールが増え続ける
        確かにそうやな
         行動そのものから、みかえりを実感している
         ルールの間違いに気付くことができる
         きっかけとみかえりをセットで伝える
        そんな気してきた
         価値付けされた行動に対してさらに、言葉のきっかけを与える
         行動と大切にしたいことが結びついている
         新しい行動が生まれる
     関係性・カルチャー
      一つ一つの行動の集積した結果
     構造・環境
      変革が困難
    心理的安全性×仕事の基準
     高×高:学習する職場
     高×低:ぬるい職場
     低×高:きつい職場
     低×低:さむい職場
    心理的柔軟なリーダーシップ
     大切なものへ向かっていく
      大切にしたいことを明確化
       機能別チーム
        その業務に込める意味や意義は?
        仕事でやっている重要なことは?
        関係者にどのようないい影響をもたらせる?
       プロジェクトチーム
        トップダウンの大義を見つける
        何を変える?
        誰がどう幸せになる?
        何がすごいのかシンプルに
     変えられないものを受け入れる
      イヤな気持ちを受け入れる
      「それはちょーどよかった」と唱える
      「思考=現実」から脱出
      人の思考はフィルターが掛かっている可能性がある事を知る
      考え方が正しいかどうかよりも、役に立つかどうかが重要
       機能的文脈主義
     それらをマインドフルに見分ける
      過去の失敗、未来への不安に惑わされない
      自分に貼ったラベル(物語としての私=経験)に執着しない
      心理的柔軟性が損なわれる

  • 心理的安全性が高い職場では「皆が健全に意見を出せて、前向きな仕事のためにエネルギーを注げる」。

    ・話しやすい
    ・助け合える
    ・挑戦できる
    ・新しい事歓迎

    4つを満たして、硬直した縦社会…昭和な会社から一皮剥けるためのリーダーの必読書!

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著者プロフィール

ZENTech株式会社チーフサイエンティスト。慶應義塾大学システムデザイン・マネジメント研究所研究員。シンガポール国立大経営学修士。東京大学工学部卒。在学中から3社を創業。
教育・研修領域、環境領域で、ひとの認知モデルを元にしたメソッドづくり・仕組みづくりを行う。官公庁、大企業、国際組織等とのプロジェクトを主導。環境領域で手がけたプロジェクトは、数百万人が参加し、CNN、BBC等のメディアでとりあげられる。
主著に認知行動療法ACTについての入門書となる「悩みにふりまわされて しんどいあなたへ」がある。

「2020年 『心理的安全性のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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