鳴けないトヒコ 【電子限定特典付き】 (バンブーコミックス Qpaコレクション) [Kindle]

著者 :
  • 竹書房
3.90
  • (9)
  • (10)
  • (12)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 102
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 世の中から「外れた」2人が出会って、2人で寄り添い合う話。
    道具を使って準備したり、トヒコが健気で可愛かったり、個人的には好きだた〜〜!!

  • 救済BL。過去に酷い扱いを受けたのがトラウマになり逃げるように上京して無気力に街を彷徨ってた無職トヒコが謎リーマンのコウ(攻め)に拾われて優しく接されるうちに惹かれていくっていう。一見ありがち設定のよくある話だけど、攻めがめちゃ愛想よくて柔和でバチクソ優しく親切な割にちょいちょい不穏な空気を出してくるのがなんか底知れなくてすごく怖いので実は裏の顔があって本性クズ男とかだったらどうしよう……!(興奮)とか思いながら読んでたところ箱を開けたらとんでもねぇサイコパスヤバ男だったのでヤッタ〜〜!(大興奮)でした。でもその後はトヒコに酷い仕打ちするとかも特に無くてめちゃめちゃ平和に話が収束してったのでアレレ??とはなった。もっとヤンデレ展開を期待してしまったから若干物足りないような。すけべシーンはたくさんあった。
    初めて読んだ作家さんなんだけどギャグとか表現がシュールすぎて最初戸惑ったけど面白かった。この独特の世界観好きだよ。

  • さすが碗さんでした。
    シュールな感じ。今回は少しダークなお話でした。
    トヒコの鳴けない理由。
    そしてコウさんの過去。
    お互いに足りないものを与え合っている。
    今は2人だけで完結した幸せだけど、これからは彼らの世界も徐々に広がって、これからは意味のある人生になるんじゃないかな。

  • [ふゆ side]

     いつもの碗さん作品というか、シュールなお笑い系だろうと思って読み始めたところ、あれ? 手触りが違う? となって、途中で姿勢を正してしまった。雰囲気的には少し『雨雫』に近いようにも思う。

     登場時から、コウのありようへの違和感がすごい。まったく文化の異なる世界から来たような、パーソナルスペースの狭さや、遠慮のなさや、言葉のかけ方ひとつとっても、何かが違う、という感覚がすごい。トヒコがこのあとどうなっていくのだろうという期待よりもずっと、コウがどういう人物なのかが知りたくて、どんどんページを繰っていった。それこそ、ひとつ何かが間違ったら怖いことが起こるんじゃないかという暗い予想がずっとあった。トヒコの感覚もかなりずれている印象はあって、ふたりが変に絡み合って回転しているように見えて、このままどんどんとんでもないことになってしまうんじゃないかという、根拠のない漠然とした危惧。

     それが、第 5 話でコウ視点になった途端に、世界がぐるりと反転してしまった。コウの焦りや辛さや苦しみや、行き場がなかったそれをどういう形で表出していたかなど、知っていくにつれ、自分のなかにあった歪な感情も見えてきてしまう。それは、自分が知悉している応答をしないヒトを、脅えの目で見てしまう、ということ。だから、第 5 話でなけたコウの心情に沿ってあたたかな気持ちになると同時に、自分のなかの闇とも対峙することになった。

     トヒコとコウとは、それぞれの形がたまたまぴったり重なり合うありようを示していたから、互いに少しずれたところで相手を知り、思いやり、信じるということができたのだろうし、それが幸せを運んでくることになって、とても良い話だとは思ったのだけど、それは奇跡のような出会いで、うまくいかないことが重なることも往々にしてあるということが、コウのエピソードを通じて明かされる。うけとめるには大きなテーマだと思った。そして、自身の感覚で互いを愛しく思い合えるふたりがすごいなと。

全6件中 1 - 6件を表示

碗島子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×