- Amazon.co.jp ・電子書籍 (359ページ)
感想・レビュー・書評
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怪奇作品八編。表題作が200ページ弱、「時間からの影」が100ページ強で、あとは短編。
悪霊、化け物、半魚人、超古代生物、地球外生命体など。主人公はすべて何らかの形でそれら異形の存在と接触した人々であり、彼らの独白・証言によって恐怖体験が綴られる。
表題含む長い二作品はかなり雑に読んでしまった。キャラクター描写には乏しく、総じてインパクトが命の短編向きな作風だと思える。各作品で主人公が怯え、興奮した状態での告白が続き、長めの作品でもこの点はとくに変わらないため緩急のなさが目立つ。
作中にも言及があるポーの影響を感じる。ポーの一部の怪奇ものの方向性を突き詰めたのが著者作の成り立ちかもしれない。読んでいて伊藤潤二の画風でイメージが浮かぶ。表題作の途中までは、映画『遊星からの物体X』に似ている。本作が元ネタなのだろうか。ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」を連想させる短編、「ピックマンのモデル」はわりと好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
台詞がほぼない。ただ字が続くだけ。活字がずーっと続く感じ。難しいというか、長い説明とまではいわないけど長い分が続く感じ。
話の内容はなんとか入ってくるけどやっぱり一文が長くて、終わりはどこだろうと思ってしまう。
クトゥルフといえば不気味なものの正体が何なのか。その正体が近くまで迫っているのにその正体が分からない。ああ、これだ、これがクトゥルフだと思いながら読む。ぞくぞくする恐怖というか不気味さが読んでいて少し楽しんでいる自分もいた。
他の短編もあったけれど、同じような感じだったので読むのを断念してしまった。時間があるときに読んでみようと思う。 -
「狂気の山脈にて」のみ読了!
飛行機の窓から雪山を見下ろしながらの旅行のお供にちょうど良い一作。 -
収録作品は「ランドルフ・カーターの陳述」「ピックマンのモデル」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「猟犬」「ダゴン」「祝祭」「狂気の山脈にて」「時間からの影」です。最後の2編はラヴクラフト作品としては大作です。田辺剛氏のコミック「ラヴクラフト傑作集」でも「狂気の山脈にて」全4巻、「時を超える影」全2巻なので、併読を強くお勧めします。画を見てから読んでください。めくるめくクトゥルフ諸神の恐怖世界にようこそ。