狂気の山脈にて―クトゥルー神話傑作選―(新潮文庫) [Kindle]

  • 新潮社
3.50
  • (0)
  • (4)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 49
感想 : 7
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (359ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 怪奇作品八編。表題作が200ページ弱、「時間からの影」が100ページ強で、あとは短編。
    悪霊、化け物、半魚人、超古代生物、地球外生命体など。主人公はすべて何らかの形でそれら異形の存在と接触した人々であり、彼らの独白・証言によって恐怖体験が綴られる。

    表題含む長い二作品はかなり雑に読んでしまった。キャラクター描写には乏しく、総じてインパクトが命の短編向きな作風だと思える。各作品で主人公が怯え、興奮した状態での告白が続き、長めの作品でもこの点はとくに変わらないため緩急のなさが目立つ。

    作中にも言及があるポーの影響を感じる。ポーの一部の怪奇ものの方向性を突き詰めたのが著者作の成り立ちかもしれない。読んでいて伊藤潤二の画風でイメージが浮かぶ。表題作の途中までは、映画『遊星からの物体X』に似ている。本作が元ネタなのだろうか。ゴヤの「我が子を食らうサトゥルヌス」を連想させる短編、「ピックマンのモデル」はわりと好き。

  • 台詞がほぼない。ただ字が続くだけ。活字がずーっと続く感じ。難しいというか、長い説明とまではいわないけど長い分が続く感じ。

    話の内容はなんとか入ってくるけどやっぱり一文が長くて、終わりはどこだろうと思ってしまう。

    クトゥルフといえば不気味なものの正体が何なのか。その正体が近くまで迫っているのにその正体が分からない。ああ、これだ、これがクトゥルフだと思いながら読む。ぞくぞくする恐怖というか不気味さが読んでいて少し楽しんでいる自分もいた。

    他の短編もあったけれど、同じような感じだったので読むのを断念してしまった。時間があるときに読んでみようと思う。

  • 「狂気の山脈にて」のみ読了!
    飛行機の窓から雪山を見下ろしながらの旅行のお供にちょうど良い一作。

  • 「ランドルフ・カーターの陳述」~「祝祭」までの短編6編はともかく、本書の3/4を占める「狂気の山脈から」「時間からの影」の中編2編が共に長く、読了まで時間がかかってしまった。超古代の文明の遺構の描写はとにかく壮大で想像を絶する……ことはわかるんだが、如何せん描写が冗長過ぎて逆にイメージが追い付いていかず、かえって怖さを削がれてしまったというか……。
    固定観念―これまで無批判に信じていた常識や世界観がひっくり返されるということは即ち、自身の存在すら信じられなくなるということでもあり、それが途轍もなく“怖ろしい”とはわかるんだけれども。

    とはいえ、現代より遥かにキリスト教的倫理観の根強い当時に「人類の出現以前に別の存在による文明が存在した」「人類もその存在によって創り出されたもの」という内容は斬新なものだったのだろう、と。

  • 収録作品は「ランドルフ・カーターの陳述」「ピックマンのモデル」「エーリッヒ・ツァンの音楽」「猟犬」「ダゴン」「祝祭」「狂気の山脈にて」「時間からの影」です。最後の2編はラヴクラフト作品としては大作です。田辺剛氏のコミック「ラヴクラフト傑作集」でも「狂気の山脈にて」全4巻、「時を超える影」全2巻なので、併読を強くお勧めします。画を見てから読んでください。めくるめくクトゥルフ諸神の恐怖世界にようこそ。

  • インスマス〜の続編というか第二弾。有名なダゴンのフレーズや、有名な狂気山脈が収録されているが、私はどちらかというと中〜短編のラヴクラフト作品の方が好みのようで、後半ふたつの作品は長すぎてちょっと読むのが大変だった。

全7件中 1 - 7件を表示

H・P・ラヴクラフトの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
アーサー C ク...
カート ヴォネガ...
H・P・ラヴクラ...
劉 慈欣
スタニスワフ レ...
ジョージ・オーウ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×