セックス依存症 (幻冬舎新書) [Kindle]

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  • 幻冬舎
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感想・レビュー・書評

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  • まあ依存症はむずかしい。

  • 面白かった。セックス依存症にはマスターベーションのやりすぎも含まれる。著者が監修をつとめた「セックス依存症になりました」と併せて読むと、なおよし。

  •  
    ── 斉藤 章佳《セックス依存症 20201125 幻冬舎新書》 [Kindle]
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B08NJYJPD2
     
    ……「男は性欲をコントロールできない生き物だ」という偏見。男性と
    女性では、セックス依存症の原因や傾向に違いがあります。
     
     現在の日本において、男性に対してはいまだに「たくさんの女性と肉
    体関係を持っているほうが男らしい」という社会的バイアスが存在します。
     
     とくに男同士の絆や結びつきを重視するホモソーシャルな世界では、
    女性蔑視(ミソジニー)を介して絆を深めることが起こりやすいため、
    女性をモノとして扱い、ナンパした数や経験人数の多さを競うことで同
    性の仲間から認めてもらうという風潮もあります。
     
     Saitou, Akiyoshi 1979‥‥ 精神保健福祉士・社会福祉士
     
     大船榎本クリニック精神保健福祉部長。大学卒業後、アジア最大規模
    と言われる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとし
    て、長年にわたってアルコール依存症をはじめギャンブル・薬物・性犯
    罪・DV・窃盗症などさまざまな依存症問題に携わる。専門は加害者臨床
    で、現在までに2000人以上の性犯罪者の治療に関わる。
     
    『万引き依存症』(イースト・プレス)
    『「小児性愛」という病 それは、愛ではない』(ブックマン社)、
    『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』(集英社)、
    https://president.jp/articles/-/41212?page=5
     
    ── 斉藤 章佳《男が痴漢になる理由 20170818 イースト・プレス》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4781615716
     
    (20230128)
     

  • これがテーマの本を書いているので、参考書? として購入した。

    セックス以外の依存症にも当てはまることが多々あり、様々なことを学んだ。

    筆者の優しさが時々、にじみ出ていて、それもよかった。

  • お贈りいただいたのに今まで読めず、ようやく、読了いたしました。斎藤先生すみません。予想通り、素晴らしい本でした。心に残ったワードを残させてください(^^)
    ネタバレ、とは、思いませんが、もし、まずかったらご指摘ください
    **********
    再発は回復のプロセスである
    依存症からの回復は「点」ではなく「線」である
    「セックスしているときだけは、自分が大切にされている感覚がある」
    性欲があるのは良いことでも悪いことでもない。性欲が自分の中に存在すること、それ自体は認めながらも、そこに振り回されないことが大事(ミラクルさん)
    そもそも私たちがこの世に存在するのは、その多くが両親がお互いに愛し合い、さらに性的興奮や衝動が背景にあったからこそです。性行為自体を恥ずべきこととして学習してしまうことは、そんな「恥ずかしい行為をしてできた子ども」という価値観にもつながりかねない
    大切なのは「自己肯定感」ではなく、「自己受容」である
    "I'm OK"そして"You are OK"と言える自己受容や他者受容を積み上げた結果として、培われた自己肯定感は非常に強いものです。一方で、自己受容の積み重ねをせずに、他者からの「いいね!」だけを追い求めた結果としての自己肯定感の脆弱さは想像に難くありません、
    こういった「認知のゆがみ」は学習によって矯正されていくから、生まれながらの性的悪人はいないんじゃ無いかと思うんです 森林原人さん
    「あなたの弱い話を聞きたい。その話が私たちの力になるんだ」
    依存症は「他者にうまく依存できない病」といえるでしょう
    ******************

  • ■行為・プロセス依存に共通する7つの特徴
    ①反復性
    ・「繰り返す」という依存症の大きな特徴
    ⓶衝動性
    ・「スイッチ」が入ってしまうと突き動かされて自分を止められず、衝動制御ができなくなり、行為をやりきらないと収まらない状態
    ③強迫性
    「それをしないと、とにかく一日が終わらない」
    ④貪欲性
    自分が欲するものに執着し飽きることを知らないという意味
    ⑤有害性
    ・有害なものだと頭では分かっていても、どうしてもやってしまうこと
    ⑥自我親和性
    ・その行動が自我、つまり自分の心と親和的であることを指す。周りから見ても痛々しく映るのにそれでもなお問題行動を繰り返してしまうのはそこに「メリット」があるから
    ⑦行為のエスカレーション
    ・ある問題行動を繰り返していくうちに量が増えたり頻度が上がったり、やり方や手法が大胆になっていくこと
    ■人がその物質や行為から得られる高揚感や快楽にハマることを「正の強化」という。これまで依存症は脳の方集計に作用する「正の強化」が主な原因とされていた。それに対して心理的な苦痛や不安を一時的に緩和してくれることを「負の強化」という。人間は「正の強化」よりも「負の強化」の方がハマりやすい。薬物やアルコールは、それがどんなに気持ちよくても回数や量に限界がある。快楽を追い求める「正の強化」に限界がある一方で「負の強化」にはそれがない。辛かった記憶や心理的苦痛がすべてなくなることはないから。「負の強化」こそ依存症の本質と言ってもよい。
    ■依存症に共通している特徴として「すり替え充足」と「充足パラドックス」という概念がある。
    ・「すり替え充足」とは真の欲求や渇望をすぐ手に入る「ありあわせのもの」で間に合わせること
    ・「充足パラドックス」とはアルコールの場合、飲めば満たされると思って「これが最後の一杯」と飲み始めたらその酒が呼び水となって逆にもっともっと欲しくなってしまう状態のこと。ギャンブルの場合、当初は一回の価値で欲求は満たされるが繰り返しているうちに一回の成功体験では欲求が充足されず、さらなる勝ちを求めて得たお金を次のギャンブルに投入することになってしまう。負けた場合は不快な感情が生まれそれを埋め合わせるために次のギャンブルにのめり込むという悪循環のパターンに陥っていく
    ■依存症に回復はあっても完治は困難。
    ・気合や根性では長続きしない。強くなることと止め続けることは別問題
    ■なぜ依存症になるのか。
    ・あらゆる依存症の本質は脳の報酬系の機能不全の問題と言われる。報酬系の神経回路が乗っ取られてしまう状態
    ・依存症は「学習された行動」。ある行動をした直後に快感が得られたり何か良い結果が伴ったりするとその行動の頻度が増すという法則がある。これを「強化の原則」という
    ・リスクやスリルが味わえたり達成感や優越感を得ることができたりすると、その行動が強化され頻度が上がっていく
    ■依存症は「やめる」のではなく「やめ続ける」
    ・人間が何らかの快感を覚えるとき脳の中の報酬系と呼ばれる部位でドーパミンという神経伝達物質が多量に分泌される
    ・ドーパミンは快感をもたらすだけでなく心拍数や呼吸数を亢進させたり気持ちを高ぶらせたりする働きがある。これは脳内麻薬のような物質でこの快感が忘れられずいくら強い意志を持って「やめたい」「やめよう」と思ってもそれ以上に強く働き、その結果本人の意思とは関係なく「やめたくてもやめられない」という状態に陥り、嗜癖行動が亢進していく
    ・一時的にやめることではなく「やめ続けていくこと」が回復
    ■依存症回復のカギは自己肯定感より「自己受容」
    ・育ったところがどんなに過酷な環境であっても、いい大学を出ていなくても、有名な会社に就職していなくても、どんなにひどい底つき体験をしていても「自分の今の心と身体でOKなんだ」と思って生きていける。そんな心理状態を仲間との分かち合いを通して時間をかけて育んでいくプロセスが「自己受容」だと考える

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著者プロフィール

精神保健福祉士・社会福祉士。大船榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模と言われる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとして、アルコール依存症をはじめギャンブル・薬物・性犯罪・DV・窃盗症などさまざまな依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに2500人以上の性犯罪者の治療に関わる。主な著書に『男が痴漢になる理由』『万引き依存症』(ともにイースト・プレス)、『盗撮をやめられない男たち』(扶桑社)、『「小児性愛」という病——それは、愛ではない』(ブックマン社)、『しくじらない飲み方 酒に逃げずに生きるには』(集英社)、『セックス依存症』(幻冬舎新書)、監修に漫画『セックス依存症になりました。』(津島隆太・作、集英社)などがある。

「2023年 『男尊女卑依存症社会』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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