三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 表紙に惹かれて購入しました。

    内容は、タイトル通り。

    文学少女シリーズの先生だとは後々知りましたが、読んだ後に「あぁ、確かに先生ぽいかもなぁ…」と思いました。

    キャラの個性が良い意味でも悪い意味でも濃いため、この本だけの書き下ろしだとスッキリしないかも。

    キャラについて気になることがかなり多いので続編でないの?というのが読み終わって最初の感想でした。

  • 最後に読む本、読みたい本と問われても
    自分では答えられない

  • 題名まんまの内容。
    もう少しキャラ弱めな方がいい話になったかも。

  •  死んでから三途の川を渡る前に一冊だけ本が買えるなら?というテーマで語られる短篇集。文春文庫から出ているが、ファミ通文庫レーベルで出ている同著者の小説と同じような、独特のリアルを削ぎ落した表現で描かれている。

     本とは自分が生きてゆくために読むものだと考えていたので、最期の一冊というのは考えたこともなかった。私だったら、自分の人生経験の中で何だかもやもやした、煮え切らない思いに、「あぁ、これでよかったのだ」と形を与えてくれるものが読みたいなと思う。そういった意味で、第二話は非常に胸に沁みた。ネタになっている小説も、昔読んだ時は陳腐な悲恋譚にしか思えなかったけれど、今読んだらきっと胸に迫るものがあるのだろう。

     なお、第五話では熱心なアンチや信者に苦しめられるマンガ家の苦悩が表現されている。作者の代表作『文学少女シリーズ』でも、負けヒロインがあまりにも酷い不幸を背負い込まされていて、キャラに思い入れのある一部のファンの憤りは相当なものだったようだが、作者もそうしたファン(?)に対し似たような思いをしたのだろうか。

     描写にあまりリアリティはなくて、キャラクター小説としての色が濃い。例えば第一話の主人公は、世間の関わりは二の次で本を買って読みまくる34歳(童貞)。「いつも書店では、気になる本はすべて手に積んでレジへ運んだ。社会人になって経済的に自立してからは特に、本を買うのに迷うことなどなかった。読みたいものは買えばいい。そして読めばいい。」
     読みたい本を片っ端からカゴに入れられる社会人がいてたまるかよ(無職でも無理だ)とも思うのだが、たまにフィクションで描かれるいわゆる書痴と呼ばれるキャラは、実はどこかに存在するのだろうか。羨ましいといえば羨ましい。
     これらのキャラクターも、短篇ですぐ幕引きとなってしまい深い掘り下げが無いのがさみしい。今はファミ通で連載もしているそうなので、そちらをあたってみようかな。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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