キツネ目 グリコ森永事件全真相 [Kindle]

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  • 講談社
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感想・レビュー・書評

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  • 約1年半に及ぶグリコ森永事件の全過程をたどり直し、知られざる事件構造を解明。犯人グループのリーダー・キツネ目の男の素顔と属性、グループのメンバーについて描く。

    グリコ森永事件については「闇に消えた怪人」や「罪の声」などこれまでに何冊か読んでいて基本的なことは知っているつもりだった。それでも本作のような読み応えのある調査報道を読むと初耳なことが多かった。多くの人が思っているように裏取引に応じた企業があったことを匂わせながらも、いまひとつ事件の真相には突っ込めなかった印象。
    (B)

    • g2altさん
      確かに、いまひとつ。知らなかったのは自殺した方が、ノンキャリアの中でも別格の昇進していたこと。
      確かに、いまひとつ。知らなかったのは自殺した方が、ノンキャリアの中でも別格の昇進していたこと。
      2021/09/08
  • グリコ森永事件を警察の動きを中心に取材したルポルタージュ。小説「罪の声」を読んで事件に俄然興味を持ち、この本を読み始めた。犯人を捕まえるチャンスを何回か逃しているのには驚いた。裏取引に応じている企業があったことにも。犯人グループに関してはほとんど書かれていなかったが全く掴めていないのか、それともあえて書かなかったのか。犯人たちは皆生存しているのだろうか(罪の声では犯人の一人は殺害されている)。しかし毒を入れられたら食品会社は倒産の危険さえあるのだと改めて知った。

  • かなりインパクトのある事件だったので
    改めて読み返すと 面白い

    いろんな企業が存亡の危機にあったことがよくわかる

  • 最初の金の受け取りに現れたのは襲われたアベックの男、元自衛隊員。
    彼女は最寄り駅で降ろされ、交通費を渡された。二人はその後、別れた。
    10数年後、男は彼女を見かけた。子供連れだった。
    誤認逮捕を恐れ、犯人を取り逃した。上からの指示だった。
    高速の下の県道で待っていた犯人の車。滋賀県警のパトカーが近寄ると急発進。
    草津川の狭い堤防道路。犯人はすれ違いエリアでトラックとすれ違うがパトカーは立ち往生。犯人は車を捨てタクシーで草津駅。大坂方面の電車の乗車。
    逃げられた滋賀県トップはノンキャリア。叱責され焼身自殺。
    グリコの株主総会に松下幸之助登場。事件については終わった事だという雰囲気
    遺留品の中に髪の毛だ一本。70代になった犯人は怯えている。
    吃音の子供の声は公開せず。本人の実名がばれるのを恐れた。
    株で利益を得た人間を探すか不明。
    京大中退の無農薬野菜販売者も容疑者。
    車の残留物から工場の従業員をあらう。何回も刑事が聴きにきた。パチンコしていると隣に刑事がいた。
    身代金を払ったと思われる会社はインタビューにこたえず

  • グリコ森永事件は30年以上前の事件であるのにかかわらず、意外と記憶に残っている。文中に記載されている森永製菓の「千円パック」を買ったことがあるからだと思う。
    同じクラスの留学帰りのA君の父親が森永製菓に勤めていて、会社が大変なことになっているので協力して欲しいという申し出があり、クラスメイトは全員買ったと思う。そして他のクラスの多くの人達も買ったと聞きました。

    小説ではなくドキュメンタリーである「キツネ目 グリコ森永事件全真相」の警察の追跡シーンは臨場感があふれていて、ドキドキしながら読みました。
    また、脅迫状や挑戦状はほぼ原文のまま転記したことで、犯人の性格や思想がダイレクトに感じられるような気がしました。

    本著は非常に完成度が高くあっという間に読み終えたので、岩瀬達哉先生の他の著書も読んでみたいと思います。

  • グリコの江崎社長が誘拐されたのが1984年3月だから、事件発生からもう30年近い月日が流れようとしている。
    当時の脅迫状などを目にすると、食品企業を手玉に取ろうとした犯人憎さが改めて湧き上がってくる。

  • ふむ

  • 私は当時住んでいた町周辺でうごめいた昭和の劇場型犯罪を時代を経ても様々な媒体で注視しており、犯罪者の言動は恐怖と歓喜が交錯した奇妙な親近感さえ抱いている。この書籍はこの未解決事件の軌跡をもう一度振り返るとともに知り得なかった関係者の言葉を紡ぎあげていくことで実行犯の悪運と警察機構の脆弱を露呈する。誰もが予想しなかった滋賀県警本部長の自死。あまりにやるせないノンキャリアの決断は事件終結から遠のいた自責と組織上層部そしてマスメディアからの無慈悲な糾弾が導いた悲劇である。この劇場型は首謀者だけでなく世間を共犯者にした社会の病巣を物語る。

  • 読み応えありました。

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著者プロフィール

1955年、和歌山県生まれ。ジャーナリスト。2004年、『年金大崩壊』『年金の悲劇』(ともに講談社)により講談社ノンフィクション賞を受賞。同年「文藝春秋」に掲載した「伏魔殿 社会保険庁を解体せよ」で文藝春秋読者賞を受賞。2020年『裁判官も人である 良心と組織の狭間で』(講談社)によって日本エッセイスト・クラブ賞を受賞した。
他の著書に、『われ万死に値す ドキュメント竹下登』『血族の王 松下幸之助とナショナルの世紀』(ともに新潮社)、『新聞が面白くない理由』『ドキュメント パナソニック人事抗争史』(ともに講談社)などがある。

「2021年 『キツネ目 グリコ森永事件全真相』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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