チ。―地球の運動について―(3) (ビッグコミックス) [Kindle]

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  • 地動説の研究を託されるということは
    宇宙の真理へと、未知らずの先人達とともに旅するようなもの。
    さらに強靭な研究にするためにもっと仲間が必要だ。
    そして敵か味方か、天動説の大ボス登場。
    3集にきて冒険活劇のようなワクワク展開になってきた。

    この集で魔女に対する概念が変わってしまった。
    かつては才能や知性のある女性は驚異な対象で
    それは何かの権威とか統制を脅かす存在だからなのだろうか
    それらを守るために魔女という都合のいいものが存在した。

    そういや魔女って何かしら薬のようなものをかき混ぜてるイメージ。
    白雪姫で毒リンゴを作った魔女もねるねるねるねの魔女も
    かつては優秀な研究者だったのかもしれない。

    今は魔女狩りシステムはないけれど
    以前世間を騒がせた小保方さんを思い出してしまった。
    彼女が若い女性でなければ、あれほど世間を驚かせ
    あれほど叩かれることもなかったんじゃなかろうか、
    もしかしたら何かの都合のいい存在だったのだろうか、
    なんてことをぼんやり考えた。

    おまけ
    ===チ。辞苑===

    真理【しんり】……
    積み重ねた研究を一瞬で否定する力があり、個人の都合や信念を軽く超え、究極に無慈悲でそれ故に平等なもの。


    文字【もじ】……
    まるで奇跡。
    時間と場所を超越できる。200年前の情報に涙が流れることも、1000年前の噂話で笑うこともできる。
    私達の人生はどうしようもなくこの時代に閉じ込められているが、文字を読む時だけはかつていた偉人たちが私に向かって口をひらいてくれる。その瞬間この時代から抜け出すことができる。
    文字になった思考はこの世に残ってずっと未来の誰かを動かすこともある。

  • 満ちた金星のところがイマイチわからず。日没・日の出前後に低い空に見える場合は、ほとんど「満ちている」くらいの状態になるのだろうか。完全な満金星となると、もう昼間で見えないのでは。

    一方、天動説では金星が地球を挟んで太陽の反対側に来ることが可能と思えるので満金星は理屈としては起こり得るはず。ただしそれは夜中に観測する金星でなければならず、実際には起こり得ない。また、もし金星の軌道が太陽より外側とすれば、地動説と同じ地球-太陽-金星の位置関係になることは可能では。天動説で軌道の順番は決まっていたのだろうか。

  • 「チ。ー地球の運動についてー」1〜3巻、まとめ読み。

    地動説をめぐる物語。

    15世紀ヨーロッパ。宗教が強い力を持ち、許されない考えを持った人たちが「異端」として処刑されている時代。空に興味を持ち、観測をすることによって「天動説」に疑問を持ち始める人が現れる。異端として排除される危険と、真理の探求に揺れ動きながらも、自らの考えを記録し、次の誰かに引き継いでいっていた…。

    地動説が生まれた背景をきちんと知らないので、この物語がどの程度、事実に近いのかわからないけれど、こんな感じのことがあったのだろうと興味深く読めました。

    絵柄があまり好きではないのですが、今後の物語が気になるので、続刊、読んでいこうと思います。

  • 地動説の研究のため、協力者を募ると、そこに現れたのは女性でした。彼女を通じ手つながりを持とうとした人物はなんと天動説証明に生涯をかけている人物だった。感想はリンク先にて。
    https://historia-bookreport.hatenablog.jp/entry/2021/04/05/235505

  • ピャスト伯の想い、積み上げてきたものを守りたい気持ちと真理の追求のせめぎあい。

  • バデーニ、結構えげつないし計算高いと思っていましたが(思っているけど)何気にキーマンになってますね。
    一方、コルベは世渡りはうまいのだろうけれど、ヨレンタの手柄横取り。
    いつの世にもこういう人はいます…。

    若かりしピャスト伯は満ちた金星を観測し、自身が証明しようとしている説に揺らいでしまう。
    テーマは真理。

    オクジーとヨレンタの会話も素敵。文字が読めるのは奇蹟。

    冒頭の場面が後のフラグになっています。
    話の流れ巧いなぁ。

  • これは〜 かなり良い、久々感動した。
    漫画でこういう連作っぽいのはかなり久しぶり。
    かなり骨太の内容をとてもうまく描いている。

  • 感想は最終巻(第8巻)へ∠( 'ω')/

    https://booklog.jp/users/fleurenbonton/archives/1/4098613174

  • コペルニクス的転回、ソシュールの言語学、
    ハイデガー「存在と時間」、レヴィ=ストロース
    「野生の思考」、フェミニズム。
    世界の見え方がひっくり考え方ってある。
    いままでで最も箴言に満ちた書だと思う。
    「これから先の人生、君の本質と無関係な所で
    君のすべてを否定する輩と出会うかもしれない。
    そしてその度、心が折れそうになるかもしれない。
    だけど君は自分のやっていることを信じて進むんだ」
    「宇宙を完成させる」
    「文字はまるで奇跡ですよ」
    登場人物も中心になるキャラもどんどん代わっていく。
    「私が死んでもこの世界は続く。
    そこに何かを託せる」
    そういうことなのだろう。

  • ドラマ。
    圧倒的にドラマティック。

    長年自分が費やしたものが無駄にならないか。
    その思考から多くの人が費やした時間、費用を考えて親子、友人、恋愛関係で判断を鈍らせてしまう。
    研究者にとってもそうだろう。

    そんな中で圧倒的に魅せられるもの。突き動かされるものがある…。

    文字について、識字が当たり前すぎて気にもとめていなかったけれど書かれていることが的を射ていて感動した。
    書かれている通りに 時間を超え繋がれる。
    今、こうして漫画を楽しめていることにも感謝してしまう。

    圧倒的なドラマ。

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