くらしのための料理学 NHK出版 学びのきほん [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 土井善晴さんの「くらしのための料理学」読了。
    NHK出版 学びのきほんシリーズなので、さらっと読めて、わかりやすい本でした。

    昨年の「利他」を知ろうというマイブームの時に「料理と利他」を読んで、土井善晴さんの話していることは、私の忌避している「ちゃんと料理をする」というのとは違うことなのかもしれない、と気がつきました。
    そして、この本を、KindleUnlimitedに背中を押されて読んでみたわけなんですが、なんだかほんと、

     私の心をスッキリとさせてくれました。


    「主婦なら料理はきちんとしなくちゃならない」
    「美味しくなくてはならない」
    「栄養素を過不足なく取れていなくてはならない」
    「バランス良くなくてはならない」

    というような「呪い」が、どこから発生しているのかということを、いろいろな角度から説明してくれていました。

    (「呪い」なんていう言葉はこの本では使われていませんし、上でカッコ書きにしたような言葉もそのまま使われているわけではありません。えーっと、私の中にある「呪い」を列挙したわけです。とっても個人的な解釈ってことで…。以降の感想も、かなり個人的な解釈が入っちゃっています。お許しを〜)

    気候による食物に対する違いがあり、明治や戦後に日本に入ってきた西洋料理とは「食文化」のレベルで違いがあること。

    モンスーン気候で素材に事欠かなかった日本で生まれた食文化を、西洋料理で上書きしようとしてバグっていること。

    「ハレ」(晴れ)、「ケ」(忌)、「ケハレ」(日常)も区別が曖昧になっていき、混同されてしまったこと。

    栄養不足を補うために提唱された「一汁三菜」という言葉が、飽食の時代になっても生き続けてしまっていること。


    そして、「一汁一菜でよいという提案」に至るわけなのか。


    料理本は嫌いだけど(笑)、土井善晴さんの本は読める気がする(あ、あと、稲垣えみ子さんの食に関するエッセイも)。
    ということで、話題になっていた「一汁一菜でよいという提案」の方も読んでみようと思ったりしました。

  • 料理をするとはどういうことかを説いた本。
    日本の歴史、世界の歴史、その地域の今ある食材で食べること、神様との距離など、
    料理そのものの意味を理解するための本。

    ハレとケ、その間の日常について。
    料理するのは生きること。

    以前から土井善晴氏が提唱している一汁一菜についての意味もよくわかる。

    日本人は和食以外にも、洋食も中華もなんでも受け入れるから、どんな料理も日常的に目にするし作れるから、家庭で料理する人は辛いのだと。
    こんな毎日の食事作りを頑張ってる国はないのかも。
    私はそんながんばってないけど。
    みんな仕事して忙しい日は一汁一菜でいいよね。

    一汁一菜の本も読もうかと思った。

  • 料理とは何かを考察した本。

    人間は食べたもので出来ている。だからこそ、料理とは何かをじっくりと考える必要があります。本書を読めば料理の本質を感じることができます。

  • p.2022/5/9

  • ふーんそんなものかと思ったけど、主観的な話が続くように感じて乗り切れなかった。

  • 土井先生が永年の料理研究の中でたどり着いた,料理とは何か,について綴った本。
    料理とは原初的にはそのままでは食べられない食材を食べられるようにする作業。和食とは,自然をそのまま頂くものであって,何なら味付けさえしないものだそうだ。日本酒の清酒も清らかであることが大事でやはり人為的な味付けはしないものなのだそう。
    家庭においては,料理をする人が家庭のリーダーであるべき。家庭料理においては料理屋のように一手間加えて美味しくするというのは不要。など,色々と示唆に富んだ言葉にあふれている。土井先生は一汁一菜を勧めておられるが,これを読んで自分はなるほどと思っても,実践するには家族の理解も必要なのでなかなか難しそうだ。料理をする人がリーダーというのはそういう事も含めてかも知れない。

  • 和食の歴史をたどり、「料理をする」とはどういうことか、なぜ人間は他の動物と違って料理を行うのかなど、根源的なところを解説している。また、洋食と和食の違いが西洋と日本の気候からも説明されている。

    実際の料理に役立つ知識というより、料理をする際の心持ちに関して勉強になった。

  • 「第0章 料理の全体を広く見る」
    「料理」を、「授業」「仕事」に変えても、ほぼそのままで通ずる。

    「料理はおいしくないといけない(?)」
    の一節に、心惹かれた。

     現代では、忙しくて余裕もないのに、料理をする人は「おいしい」という「結果」を求められているのです。結果を先に求める料理は苦しいものです。しかも、結果に心を奪われると、プロセスという手段は疎かになりがちです。
     スポーツや仕事などを想像してみてください。結果だけを先に求めていたのでは、思い通りにはいかないもの。結果は一つひとつのプロセスの積み重ねについてくるものだからです。それは料理も同じです。
     お料理したいと思ったのは、「ちゃんとしよう(ちゃんと生きよう)」と思ったからではないでしょうか。人の気持ちってごまかせないんですね。
     そこで私が勧めたいのは、手を抜くのではなく、「要領よくやる」「力を抜く」ことです。
     プロの料理人は、時間通りに料理を仕上げないといけませんから、1時間かかる仕事を半分の時間でこなさないといけないこともあります。それは手抜きでもなんでもなくて、手順の軽重をはかることです。忙しさや、状況で判断することです。
     ですので、力を抜くなら堂々と自信を持って抜いて欲しいのです。
    (中略しつつ引用。)
    「授業」「仕事」にも通ずる、料理の本。

  • 「自炊」つながり

  • 「美味しい食事」つながり

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著者プロフィール

1957年大阪生まれ。料理研究家。十文字学園女子大学特別招聘教授、東京大学先端科学技術研究センター客員研究員、甲子園大学客員教授。スイス・フランスでフランス料理、味

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