Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ! [Kindle]

  • NHK出版
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感想・レビュー・書評

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  • 統計データをもとに7つの視点から、世界の現状と全体像を読み解いた本。

    統計データは世界の現状を読み解ける最強のツール。ただし、データの提示のやり方や読み解き方次第で、データの見え方は変わってきます。データを見るときは、そこを理解しておくことが大事。

  • とても興味深く最後まで読めた。
    それぞれの数字についてはさらに詳細に元文献にあたる必要がある(条件や調査方法などをみる)必要はあるが、全体的な方向性としては理解できた。

  • 私の目的とは違っていたので後半は斜め読みしました。さまざまな角度からの数字が紹介されていて、そこから読み取れる筆者の方が考えること認識が書かれています。正しい引用元を見つけること、そしてその数字と言う事実をどう捉えるかは人次第、ということがポイントかと思いました。

  • アメリカの工学系の専門学会のIEEE Spectrum誌の短いコラムをまとめたもので、ファクトフルネスや21世紀の啓蒙ほどの深さはありませんが、とくにエネルギーに関しては興味深い記載が多い印象です。
    幸福度調査の話や、製造業の重要性の項目の話が印象に残りました。
    エネルギーに関しては風力発電に関して化石燃料が必要だったり、大きなバッテリーが必要などエネルギーの人類史を書いただけ合ってかなりリアルなところを書いてます。
    その最後の項目で上げてるのは「エネルギー移行がゆっくり進むのは仕方ない」という指摘はもっともだと思いました。

  • 「数字」に着目すれば、世界のリアルをつかむことができる。信頼できる数字とデータを基に、多角的な視点から世界の事実を明らかにする書籍。

    数字を見ると、世界で起きている事実がわかる。例えば以下のようなもの。
    ・世界の「合計特殊出生率(1人の女性が一生の間に産む子どもの数)」は減少傾向にある。合計特殊出生率が1.5を切ると、人口回復の見込みは極めて低くなる。2019年時点でこの値を下回るのは、日本、スペイン、イタリアなどだ。

    ・国連による「幸福」な国ランキングでは、北欧諸国が常に上位を占める。だが、幸福度を判定する指標は雑多で、正確なランキングを示しているのか、疑わざるを得ない。

    ・敗戦後、短期間で経済大国となった日本は、その後停滞に陥り、現在は人口減少などの問題を抱える。政府は下り坂から抜け出す方策を探っているが、大胆な改革は難しい。

    ・中国はアメリカを抜き、世界最大の経済大国になると予想されている。購買力平価ベースの実質GDPは、すでにアメリカより高い。だが、1人当たり実質GDPの国別ランキン
    グは73位にとどまり、相対的に見て裕福とは言い難い。

    ・電気自動車(EV)はクリーンとされているが、実際は環境に負荷を与える。バッテリーは、化石燃料の燃焼によって生じた電力で充電される。また、EVを製造する際には、従来型自動車の3倍の有害物質が排出されるという。

    ・現代人はイノベーションを崇拝しがちだ。だが、莫大な費用を投じたものの、失敗に終わったイノベーションは数多い。また、人間の思考には不合理な面があり、非現実的なイノベーションはあれこれ夢想するのに、実用的なイノベーションは積極的に活用しようとしない。

  • 数字をもとにして、新しい世界の切り口を期待したが、当たり前のことが多くてちょっと興ざめ。IEEEスペクトラムの連載を単行本化したとの後書きで納得。切り口は良いものもあるが、掘り下げが甘いものは、字数が限られたコラムだからか?
    数あるトピックの中で、数字をみて気になったのは以下。
    ・地球温暖化対策で、電力供給を再生可能エネルギーにすることに成功してきた(1992年0.5%から2017年4.5%)数字の内訳は、水力発電の賜物。
    太陽電池や風力やるより先に、既存技術での対策を再考すべき。
    ・全世界の最終エネルギー消費のうち電力は27%で、製鉄やセメントやアンモニアをつくるための熱をどうするかはまだ解がない。これらも電熱で補うとすると、電力が全然たりない。
    →再生エネルギーでつくった電気を貯める技術開発を急がないと、エネルギーの効率的消費ができない。石油に代わる貯蔵可能で輸送可能なエネルギー源をさっさと決めて、インフラ開発をしないと温暖化対策時間切れになりそう。候補は水素かアンモニアか、はたまた別のものか?うだうだ議論してないで実証プラントを具現化した国が次の世界を制するであろう。

  • 数字は確かだけど、その読み方が大切ということがわかった。

  • 数字はうそをつかないというタイトルだが、数字に偏っているわけではなく、教養書という印象。

    訳がいいのかとても読みやすく、結構なボリュームがあるがすんなり読み終わった。

  • 世の中の事象を定量的にみてみようみたいな本。

    内容としては面白かったんだが、あんまり短編集というか、小ネタ集みたいな本が好きではないのでできれば、テーマを絞って1個1個を深堀してほしかった。

    それぞれの話も面白かったが、何よりも大テーマが割と俺がこれから来ると思う産業の話ばかりだったので、驚いた。

    特に「食」というのは割とどうでも良いと思われがちなテーマな気がするが、非常に将来的に重大な問題になると思うとか共有する部分があり、楽しんで読むことができた。

  • 感覚としておぼえていた数字が異なっていたものがあり、かなり新鮮であった。

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著者プロフィール

カナダのマニトバ大学特別栄誉教授。エネルギー、環境変化、人口変動、食料生産、栄養、技術革新、リスクアセスメント、公共政策の分野で学際的研究に従事。研究テーマに関する著作は40冊以上、論文は500本を超える。カナダ王立協会(科学・芸術アカデミー)フェロー。2000年、米国科学振興協会より「科学技術の一般への普及」貢献賞を受賞。2010年、『フォーリン・ポリシー』誌により「世界の思想家トップ100」の1人に選出。2013年、カナダ勲章を受勲。2015年、そのエネルギー研究に対してOPEC研究賞が授与される。米国やEUの数多くの研究所および国際機関で顧問を務める。これまでに米国、カナダ、ヨーロッパ、アジア、アフリカの400以上の会議およびワークショップに講演者として招待されるとともに、北米、ヨーロッパ、東アジアの多くの大学で講義をおこなう。日本政府主導で技術イノベーションによる気候変動対策を協議する「Innovation for Cool Earth Forum(ICEF)」運営委員会メンバー。おもな著書に、『エネルギーの人類史』(青土社)、『エネルギーの不都合な真実』(エクスナレッジ)。

「2021年 『Numbers Don't Lie』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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