血の記憶 (文芸社文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文芸社
3.14
  • (6)
  • (8)
  • (26)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 138
感想 : 18
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (323ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 移民、難民、移住者、外国人に対する日本の法と法的処置は諸外国と比べて目劣りする、時代遅れが多いと聞くが、まさにこれから日本は少子化対策、老齢化対策で諸外国の人力を必要としなければならない最先端国であるはずが、外国人の受け入れに一番最低国家になっている。政治家はもっぱら自分達の地位と名誉、お金だけに気を配り、外国人に対する良い意味での法的規制、規制緩和など政策が見えず、配慮が欠けているとつくづく思う。欧米諸国と比べても「安心して暮らせる国」に程遠いのは、残念だが逆に預貯金を多くしている国民の安心への知恵だと思う。

  • 23年前の事件を何故今になって暴露しようとしたのか?金山の動機がイマイチ明確さに欠ける。それぞれの事件が線で繋がっている事が少しづつ明らかになってゆく作りで有り、全てが繋がった時のスッキリした感覚はとても痛快だ。

  • (Kindle Unlimited27冊目)

    【ストーリー】
    生田目メガテクノを退職し駐車場警備員としてかつての同僚伊川に誘われ共に働くスーパー遠州灘で、金山剛は拉致事件に巻き込まれる。警備員室で拉致されたのは、生田目メガテクノ創業者令嬢拝島紗香とその息子勇。
    生田目豪社長は社員を思いやらない経営者であり、その娘は傲慢な女性に育っていた。
    金山は4年前に亡くなった妻秀子の件でも社長が冷たかったことを覚えている。
    一方で、生田目メガテクノ技術生産部長福島が失踪する。
    拉致事件の起きた生田目メガテクノの工場を見て、孤児として育ったタレントSUMIREは父親らしい男性が写っている写真の工場だと気づき、知り合いのBJの情報で、昔その工場で働いていた武政富美男を訪ねると左手を切断されて失血死していた。
    続く拉致事件で犯人は、生田目メガテクノ社長に手首を切れと要求する。
    膠着する中で、犯人からの提案で人質の交換を受けれるSUMIRE。犯人の元へ行くと、拉致事件の主犯は実は金山だった。


    →うーん、結論からいうと今ひとつ。きちんと書きすぎてるからあまり謎もなく帰結してしまった。いい人ぶってるけど金山酷くない?
    とても良くできてるお話なんだけど、登場人物に色がないことと、現実的じゃなさすぎて入り込めなかった。
    大手の経営者が直接殺人を犯すかねぇ?もっと下っ端にやらせればよかったんじゃ、めちゃお金動かせてるしさ。直接罵詈雑言吐ける性格の人は、こそこそ殺人やらないと思う。しかも、アサドに罪をなすりつけるためだけに、手首をそっと切って失血死という残忍な手口(殴り殺してから切っても…)。キャラがちゃんと出来てない、というか、「きちんとした筋立て」に合わせて人を動かすと、こうなってしまうのかもしれない。人が動いて物語ができたのではなく逆だから、感情移入できなくて、面白くなかったと感じたのかもしれません。
    いや、ちゃんと出来てるから、読めるんですよ。中身も、もともとノンフィクションをやっていたからかとても真実味がある情報をベースに書かれている安心感がある。そこは評価できると思います。(フィクションとして面白いかと言われたらNOでした。)
     

  • 面白かった。
    展開が気になって、ぐんぐん読み進めていけた。
    正直、自分にとってはあまり関係のない社会の問題で。
    外国人労働者の問題とか、やはり自分からは遠い問題で。
    でもこの話を読んだことによって、ニュースで見かけたら前よりは少し気にして見てしまうのかもしれない。
    そんな風に何も知らないわたしにも問題提起してくれたのかもしれない。

  • 一見、関係のない人たちのストーリーかと思いきや、徐々に点と点が繋がって、最終的に闇深い事件の真相が明らかになっていく。犯人は何となく分かるのに中々逮捕に至らないもどかしさがあった。

  • 淡々としててどの登場人物にも深みがなくて説明書読んでるみたいでした

  • ストーリーの展開は緊迫感もあってなかなかおもしろかったです。次から次へと読みたくなる感じです。ただ、全体的に説明が多く、冗長な気がします。著者の他の本を読むと、この著者が力を入れて取材されていた点がよくわかりますが、くどく感じるところもありました。

  • 長い物語だけど、飽きることなく最後まで楽しめた。殺人のエグい描写にはちょっと震えたこともあったけど。

  • 外国人職業訓練生かぁ、闇が深い

  • 探し出せるなら、なんとしてでも探そうとするものか。あれやこれやが繋がっていたなんて。ずるい人はどこまで行ってもずるいのね。

全18件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1950年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロのパウリスタ新聞社勤務を経て、1978年帰国。高橋幸春名義でノンフィクションを執筆。1987年、『カリブ海の「楽園」』で第6回潮ノンフィクション賞受賞。1991年、『蒼氓の大地』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。麻野涼名義で、社会問題をテーマにした骨太の小説を次々、発表。  著書に、高橋幸春名義で…『死刑判決は「シルエット・ロマンス」を聴きながら』(林眞須美 著、長冨俊和との共編、講談社、2006年)『日本一のわたしの母へ涙でありがとう』(東林出版社、1998年)『日系人その移民の歴史』(三一新書、1997年)『愛が引き裂かれたとき』(石飛仁との共著、解放出版社、1996年)『車椅子の挑戦者たち』(東林出版社、1996年)『絶望の移民史』(毎日新聞社、1995年)『パウラちゃんのニッポン日記』(国土社、1995年)『悔恨の島ミンダナオ』(講談社、1994年)『蒼氓の大地』(講談社文庫、1994年)『日系ブラジル移民史』(三一書房、1993年)『ドミニカ移民は棄民だった』(今野敏彦との共編、明石書店、1993年)『行こか戻ろか出稼ぎジャポン』(講談社、1992年)『蒼氓の大地』(講談社、1990年)『カリブ海の楽園』(潮出版社、1987年)、麻野涼名義で…『GENERIC』(徳間書店、2007年)『闇の墓碑銘』(徳間書店、2006年)『国籍不明 上』『国籍不明 下』(講談社、2003年)『天皇の船』(文藝春秋、2000年)などがある。

「2007年 『満州「被差別部落」移民』 で使われていた紹介文から引用しています。」

麻野涼の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×