三体Ⅲ 死神永生 上 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • ここまで読んできて、いよいよ終盤だと意気込んでいたがまさかの展開に衝撃を隠せない。
    SFの魅力はある程度場面状況が設定されていることだと思う。その予想や想像をはるかに超える描写、そして物語の面白さで頭が破裂しそうだ笑。
    いよいよ下巻、一ヶ月かけて読み切った上巻、下巻も一ヶ月たっぷり使って読むぞ。

  • 2巻の終わりで三体世界からの地球侵略を抑止したわけですが、その後の世界が描かれています。
    平和でしたで終わるわけもなく、ちょっと前に遡って、面壁計画の他に三体世界にスパイを送りこむ計画の話があって、ここの伏線が下巻にも繋がっていくようです。あと、地球侵略の抑止に成功した人物は執剣者と呼ばれていて、この代替わりに際して事件が発生する話があります。
    危機紀元(西暦の後)の話は、現代とそう変わらない常識で読めるのですが、その先の世界の話は、人類が宇宙に普通に出られているので、想像力を逞しくして読まないといけませんね。暗黒森林によって、地球文明、三体文明の他にも、なんらかの文明が存在していることがわかったわけですが、まだ上巻ではその辺は明らかになってません。話を広げてくるのかどうか楽しみです。
    下巻に続く。

  • 下巻のあとがきで訳者大森望 氏が触れていたが
    前作「黒暗森林」である意味、完結している作品だったのでどういった事になるのかと思い読み始めてみたが雲天明(ユン・ティエンミン)という新しい主人公の登場と新しい時代の始まりで「これはスピンオフ作品なのでは?」と思い
    ながらも読み進めていくとあれよあれよという間に
    「これは紛れもない続編なのだ」と気づかされる。
    ただ前2作と比べると明らかに違うのがゴリゴリの
    骨太SFになっている様に感じた。
    自分は決してSF知識に関して詳しい方ではないので
    色々と調べながら読み進めていくのも楽しかった。
    最終的には
    「よくぞここまで風呂敷を広げてくれたものだ
    それもここまで楽しい大風呂敷だ」

  • 「生命なんか、この惑星の表面にはべりついている、もろくて柔らかな薄皮でしかないと思ってる?」
    「正しいよ、時間の力を計算に入れなければね。米粒サイズの土くれをたゆまず運び続ける蟻のコロニーに、十億年の時間を与えたら、泰山をまるごと動かすこともできる。じゅうぶんな時間を与えるだけで、生命は岩石や金属よりも強固になるし、ハリケーンや火山よりも強力になる」

    「もし生命がなかったら、地球の大気組成はいまとかなり違っていただろうし、たぶん紫外線や太陽風をじゅうぶんに遮蔽できなくて、その結果、海が蒸発してしまう。数十億年も経てば、地球はカラカラに干上がるだろう」
    「このモデルで宇宙全体をシュミレートして、いまみたいに”生命”のチェックをはずしたら、宇宙はどうなる?」
    「当然、いまのままだと思うよ。相手が宇宙となると、生命なんかほとんどいないも同然だし、宇宙の変化に対する影響は、無視できる程度だと思う」

    生命が海から陸に上がったのは、地球上の生物が進化するうえでのマイルストーンでした。しかし、陸に上がった魚はもはや魚ではありません。同様に、実際に宇宙に出た人間は、もはや人間ではないのです。地球を捨てて宇宙に出ていこうと思っているなら、どうかよく考えてみてください。払うべき大証は、想像をはるかに超えているでしょう。

    あの若い母親と、いま抱いている温かな赤ん坊のおかけで、程心はいまはじめて、この新世界に対する自分の気持ちを、はっきりと理解した。すなわち、母性本能。程心はいま、潜在意識化下で、新世界のしべての人間を自分の子とものように思っている。彼らが傷を負う姿など見たくなかった。これまでの程心は、それを責任感だと誤解していた。だが、母性愛は責任感とは違う。前者は本能であり、逃げられない。

    「人々がなにをしても、神はそれを覚えている」

    「すべての村は消え失せ
    すべてのタイアハは折られた。
    わたしたちはここで、
    飲み、食べ、花を愛でた。
    だがおまえたちは、ただ石を撒いた」

    「生きているだけですでに、ものすごく幸運なのよ。これまでの地球がそうだった。いま、この残酷な宇宙では、昔からずっと、生きているだけで幸運だったの。でも、いつからか、人類は幻想を抱くようになった。自分たちには生きる資格があり、生きていることは空気のように当たり前のものなんだという幻想をね。それが、みなさんの失敗した根本的な理由。」

    彼女は自分が背負うべきものから逃げ出したくなくて、生きることを選んだ。生き続けることは、自分自身の重大な過ちに対する最も公正な罰であり、どうしてもそれを受け入れなければならなかった。

  • 上巻。とっても人間の残酷さ、三体人の残酷さが見えて、知的生命体みんな似てるねって思いましたよ

  • 世界的大ヒット中華SFの第三部上巻。下巻と合わせの評価となるが、俺は第二部の方が好きなので星4つ。とはいえ別に第三部がつまらないわけではないし、ここまで来たら最後まで読んだ方がいいのではないか。第三部の方が評価が高いという話も聞くし。

    第三部はまた主人公が変わり、程心という女性研究者になる。シリーズラストで女性主人公なので、実質ジョジョ6部。そのせいか、第二部の主人公だった羅輯がある種の神格化されていて笑える。ポケモン金銀に登場するレッドみたいな。

    第二部できれいに終わらせておいて、抑止というのはそんな簡単な話ではない。こいつには、やると言ったらやる『スゴ味』があると思わせなくてはいけない。そうやって地球世界と三体世界の戦いを再開させ、羅輯の特別さをアピールする。この続編の作り方が一番凄いと読んでいて思った。

  • 二巻がとても素晴らしいエンタメ展開だったので、三巻にはそれほど期待できないかなと思っていたのですが同じくらい面白いです。

    田中芳樹もそうですが、こういった宇宙スケールものは人類をいかに愚かに描くかが重要ですよね。。

  • ソードホルダー、程心が暗黒森林の中、時空を超えてたどりついた安寧とは。

    上下巻一気読みで三体完結篇です。もう最初から引き込まれて読み進めると読み終わってしまうので読みたくなくなる、という切ないジレンマに囚われた久しぶりの本でした。そしてこの圧倒的な想像力の翼よ。ここまで時空を自在に広げきって宇宙の終わりまで追いかけた壮大すぎる話ってあるんだろうか。そしてロマンチック。星のプレゼントから最後の最後に再会を熱望しながらも何このすれちがい。三体問題くらい解決しないモヤモヤ感の残し方とか、本当に楽しめました。
    これは多分ハードSFに入るので、次元の理解と相対性理論の概要くらい頭に入ってないとつらいかも。四次元の理解はドラえもんでも足りそう。二次元崩潰は理解不能。

    同じく壮大なSFといえば「火の鳥未来篇」と一緒にお楽しみください。絶滅と再生、宇宙はコスモゾーンで満ちている。

  • リモートで観察していながら人類の深層心理まで理解してしまう三体星人。現実の人類は同じ民族間でも理解できず、誤解を生み断絶する存在で三体人を見習うべきだな。
    それにしても智子おそろしい。ある意味中国人が感じている日本人の印象を象徴しているのではないでしょうか?こういうツッコミねた満載で、こういうネタを肴に飲みながらお話ししたいなぁ。オンラインなんかつまらないな〜。

  • Ⅱで三体人からの侵略を回避した羅輯、その後どう展開するかと思っていたら、こう来たか!
    Ⅲは程心を中心に物語が進んでいくが、この程心が・・・。

    三体世界の楽しい体験も残りⅢ(下)のみとなってしまった。
    名残惜しいが、このまま下も読み進めよう。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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