悪い女 暴走弁護士 (文芸社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 負の連鎖というのは、なんの罪もない赤ちゃんが自分の力で断ち切らないといけないという理不尽な世の中
    最終的には、温かみのある展開で良かったです
    ドラマや映画化とかしても見応えありそう
    裁判の進行の説明も丁寧で、わかりやすかったです

  • 暴走弁護士のタイトルはそぐわない内容である。凶悪な犯罪を犯した女性を如何に刑を軽くするか、生い立ちから当時の心境まで徹底的に調べ上げ、弁護側の証人に法廷で証言してもらう努力と執念の物語。裁判にまつわる専門的用語も多くて馴染めない人もいるかも知れない。

  • 悪い女のようでもあり、そうでもないような。心に引っかかっていること、人のために、自らを犠牲にする。なかなかできない。犯罪の方向で解決しようとするのは賛成できないけど。

  • 暴走族上がりのポルシェを乗りまわす暴走弁護士の物語、第二弾。
    「夫の姿が見当たらないんです。海に落ちたのかもしれません」という明日香が電話するところから、始まる。夫は、覚醒剤常用者で、アルコールを飲み、そして、睡眠薬も飲んでいた。そんな状態で、釣りに行くと言っても、歩けるかどうかが疑わしかった。
    そして、保険金も5000万円はいっていた。明日香に殺人容疑がかかるかもしれないからと言って、暴走弁護士真行寺悟に弁護を依頼しにくる。本当のことは何も言わない明日香。警察は、明日香が覚醒剤を使用しているのではないかと疑い、別件逮捕。
    明日香は、家庭内DVにもあっていた。夫の検死では、海水で溺れていることは、判明した。
    ところが、夫の飲んでいた海水は、確かに海と同じ成分であったが、ほんのわずかに家で使用している入浴剤が入っていた。家の浴槽で沈めてから運んだのではないか?保険金目当ての殺人として、逮捕される。さらに、高速道路で、父親を助手席に乗せて、壁に激突。父親は交通事故で死んでいた。保険金も5000万円でていた。警察は、夫殺し、そして父親殺しとして、明日香を逮捕する。
    死刑は免れない。父親も、仕事をせず、金をせびりにくる。夫もヤクザであり、同じように金をせびり、暴力をふるう。そして、明日香は、二人の殺人を認めてしまう。
    そんな中で、暴走弁護士は、明日香の生い立ちから、何があったのか?なぜそんなことをするのか?ということを調べる中で、ある事実を突き止めるのだった。
    母親に殺されかけた幼い時の記憶、そして、お守り。それが、事件解明に繋がって行く。
    ふーむ。久しぶりに、本を読んで、泣いてしまった。まだ、涙腺は生きていた。 

  • 2人の殺害容疑に問われているが、気だるげに自分の裁判を待つ大鷹明日香。頭が悪く、死刑の意味を理解できていないかと思いきや、実は頭がよく、娘を守るためという理由だった。母親になった今、涙なしでは読めなかった。娘を守るため、自分の命をかけて早く裁判を終わらせようとする、殺人だってする。わかる気がする。私もそうすると思う。
    最初は本当は殺してなくて事故だったのか?いや、本当に殺したようだ…ではなんで?に至るまでが結構長くて冗長的なところもあったが、全てがわかった途端涙が出た。説明的な文章が多かったので、映画やドラマにしたらスッキリと見れそうな印象。

    生育環境とかがもろに出るんだなと痛感した。碌でもない人生だ、と自分で思ってしまうとクズみたいな男に引っかかって、結局自分の首を絞めてしまうのが悲しい。今流行りのトー横とかにいる子たちも大鷹明日香みたいな人が多いんだろうな。少しでも幸せになれる赤ちゃんが増えることを祈ってます。

  • 説明的な文章ばかりでつまらないと思う人もいるかもしれないが、わたしはだからこそ感情移入できたと思う。同じ説明が言い換えられながら何度も出てくるから、自然と背景を覚えてくるし、すると自分なりにこうなんじゃないかとか、こうなるんじゃないかとか、いろいろ推測しながら感情移入できる。
    弁護士目線での語りで、感情的になるところは一切なく、プロとしていかに被告を救うか、にひたすらこだわって仕事していてとても良かった。世の中こんな弁護士ばかりだったら救われるよね。他の人も言ってたけど、別に暴走はしてなかったように思う。
    初めは事故かと思って、次は冤罪かと思って、かとおもったらほとんど警察や検察の推理通りだったから優秀だなとも思った。でも、どういう背景と心情で事件が起きたのか、に関しては、この弁護士くらいしつこく掘り下げていかないと見えてこないものなんだな、と。

  • とてもよく取材されていることがわかる本。ただ、説明的すぎるため、冗長に感じてしまいました。
    先の展開が気になりましたが、ちょっと殺人の動機はオーソドックス。
    展開が読めると、ちょっとだるい感じがしました。

  • 読みやすかったです。
    後半から、テンポが良くなった。

  • 裁判関係の漢字がすごい読みにくいけど面白かったよ

  • 読みやすかった。
    展開が枝分かれしないところも良かった。

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著者プロフィール

1950年、埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、ブラジルへ移住。サンパウロのパウリスタ新聞社勤務を経て、1978年帰国。高橋幸春名義でノンフィクションを執筆。1987年、『カリブ海の「楽園」』で第6回潮ノンフィクション賞受賞。1991年、『蒼氓の大地』で第13回講談社ノンフィクション賞受賞。麻野涼名義で、社会問題をテーマにした骨太の小説を次々、発表。  著書に、高橋幸春名義で…『死刑判決は「シルエット・ロマンス」を聴きながら』(林眞須美 著、長冨俊和との共編、講談社、2006年)『日本一のわたしの母へ涙でありがとう』(東林出版社、1998年)『日系人その移民の歴史』(三一新書、1997年)『愛が引き裂かれたとき』(石飛仁との共著、解放出版社、1996年)『車椅子の挑戦者たち』(東林出版社、1996年)『絶望の移民史』(毎日新聞社、1995年)『パウラちゃんのニッポン日記』(国土社、1995年)『悔恨の島ミンダナオ』(講談社、1994年)『蒼氓の大地』(講談社文庫、1994年)『日系ブラジル移民史』(三一書房、1993年)『ドミニカ移民は棄民だった』(今野敏彦との共編、明石書店、1993年)『行こか戻ろか出稼ぎジャポン』(講談社、1992年)『蒼氓の大地』(講談社、1990年)『カリブ海の楽園』(潮出版社、1987年)、麻野涼名義で…『GENERIC』(徳間書店、2007年)『闇の墓碑銘』(徳間書店、2006年)『国籍不明 上』『国籍不明 下』(講談社、2003年)『天皇の船』(文藝春秋、2000年)などがある。

「2007年 『満州「被差別部落」移民』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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