「日本人と英語」の社会学―なぜ英語教育論は誤解だらけなのか [Kindle]

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  • イメージと現実にはかけ離れていることがある。英語に関しても現実とのイメージが離れている。




    よく世間で出回っている英語と日本人に関する「常識」もよく見ると本当かと思うことがある。




    2015年に発行された本だが、2021年に読んでもフムフムと思う。ということは、いまだに思考停止したままの日本人の英語教育に関する常識とやらがはびこっているのか。





    よく日本人は英語が下手だと言われる。それが事実のごとく思われている。しかし、データとして利用されるTOEFLには、受験層が限られている。TOEFLは、北米の大学及び大学院を受験する外国人が必須の英語の試験だ。英語で大学レベルの講義を読んだり聞いたりして理解する力を測る。




    著者は指摘しているが、TOEFLを受験しない層がごっそり抜け落ちている。TOEFLのスコアから、国民の平均的な英語力を論じるのは無理がある。





    他にもあれと思うことがあった。日本人女性は英語好きだと言われるが、必ずしもそうではなかった。女性の英語学習ブームを取り上げる記事で登場する女性は、高学歴層、ホワイトカラー層、都市に住んでいる上層の女性に目立つ現象だったと述べている。





    この他にも英語のニーズは本当に増加しているのか、英語ができると収入が増えるのかなど興味深いことが載っている。




    「これであなたも英語がペラペラになれる」などとうまいことを言って、高い教材を買ったり、レッスンを受けないように注意する必要がある。英語はあくまでも世界にある言語の1つで、世界の超大国アメリカが使っているので必要な人はできたほうがいいというだけだ。




    日本人全員に英語が必要かというとそうでもない。あえて必要とするならリーディングとリスニングだな。日本で手に入らない情報を見聞きできるから。

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著者プロフィール

寺沢拓敬(てらさわ・たくのり)
[関西学院大学准教授]

「2021年 『英語教育のエビデンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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