山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る (講談社+α新書) [Kindle]

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  • iPS細胞で有名な山中伸弥教授が、医学部での同級生であり小児脳科学者である成田奈緒子さんと、子育てについて対談する、という本。

    KindleUnlimitedで見かけて、ちょっと読んでみたら面白かった。

    お子さんがいらっしゃる2人の実際の子育てについても語られてはいるのだけれど、それよりも重点が置かれているのは、お二方が育ってきた環境についての話。

    要するに、お二人が「育てられた時」の話。

    こういう育てられ方をすると、最先端の研究をする科学者になれるのか!という、まぁ、1つの、いや2つの実例を読ませていただいた感じ。

    山中先生は、大学時代に、「医学部」ではなく「ラグビー部」に入ったような日々だったとか、意外な話も知ることができました。できる人は、なんか、やっぱり違うのね。


    章立てを書いておくだけでも子育ての参考になりそうなので、メモっておきます。

    第1章「ほったらかし」が子どもを伸ばす
    第2章 親子で「ええかっこしい」をやめる
    第3章 良い習慣が脳を育てる
    第4章 常識を疑える子どもに育てる
    第5章 レジリエンスを身につけさせる
    第6章 しぶとい子どもは目線が違う


    子育てだけではなく、いろいろな世代の生き方の参考にできそうです。

  • ・勉強しなさいと言われたこともなかった。日ごろから「なんでも自分でしなさい」と言ってたから、子どもの自主性を育てようとしてた
    ・自立って何ですか?」って尋ねると、「自分ができないことをちゃんと理解して、誰かに『助けて』って言えること」とおっしゃる
    ・心の中で常に感謝していても、やっぱり言葉にしないと伝わらない。僕の研究所でも普段から、感謝を伝えるようにしてい
    ・ありがとう」と「ごめんなさい」がきっちり言えて、人に寄り添えて、人の心をきちんと読みとれる人になれたら、どんな職業になっても絶対成功していく。そう思っていたので、それを娘に繰り返し伝えまし
    ・ 一番は、「早寝早起き朝ごはん」。幼児期から夜は8時に寝かされて、朝は5時、6時起き。この習慣をきちんとつけてもらったからこそ、確実に脳が育ったと
    セロトニンを分泌させる一番の条件が、早寝早起き
    夜 10 時~朝8時の 10 時間より、夜8時~朝6時のほうがセロトニンをきちんと取り込めます。小学生なら9時までには寝たほうがいいでしょう。「しっかり食べるから働く きちんと働くから食べる」。脳と朝ごはんには密接な相互関係があるの
    ・山中君のお父さんやお母さんが「京大のほうがいいんじゃないの?」って言ったときに、「いや、僕は神戸大学に行くんだ」って言えた家庭環境が素晴らしいと思うんです。 自分はこうしたいと思って、それを子どもが何の気兼ねもなく言える関係性をきちんとつくっておられたところが、山中家は理想的だと思います

  • 子育て本があふれる中で、親の頭の中が情報過多になりブレてしまいがちですが、この本からは基本的なこと(早寝早起きや他者への感謝)をしっかり親から子に伝えることが大事だとあり、私も同感。まずは規則正しい生活習慣をつけてあげることが、心身ともに健やかな子どもの成長の基礎を作ってあげて、後はできるだけ口を出さない。両著者さんのお子さん達も同じく医者の道を進んでおり、やはり子は親の姿を見て育つのだなと思った。

  • 子育ての本として成田先生の本をおすすめされて読んでみた1冊目。割と短い本ですぐ読み終えた。

    山中教授も成田先生も、医者の家じゃないけどど根性な感じで医者・研究者になったんだと知る。大成するのってそういう人だよな。

    覚えておきたい内容メモ

    ほったらかしが創造性を生む
    早寝早起き朝ごはん
    子どもが一番認めてほしいのは自分の親
    レジリエンス…乗り越える力は自己肯定感・社会性・おかげさまと思える力

  • 親に「勉強しなさいと言われたことがなかった」と言う人がいるけれど(私もまぁそうだけど)、それって言われなくてもそれなりにできているちゃんとした子の親じゃないかと思った。ノーベル賞取るような人の子育て論は参考にならない。
    でも、「お子さんのこともご自身のことも、あんまり追い詰めすぎないでほしい」というのは響いた。「子育てには正解がないのに、正解を追い求めすぎると、どこにもたどり着けずに堂々めぐりをしてしまう気がする」と。「あなたのことを信じている。たとえ物事がうまくいかなくても、わたしたち親だけは最後まであなたを信じる」という言葉が、子どもが親にいちばん言ってほしい言葉だと。
    あと、初めて聞いた「レジリエンス」と言う言葉。「つらい出来事があったとしても、しなやかに対応して生きのびる力」のことだそう。
    あったらいいよな、その力!私も欲しい。子どもたちも持っていてほしい。そんな力、どうやったら身につくのか?で、一つの答えとして、それは「感謝」なのだそう。他者に感謝することで、自分が強くなれる。それならわたしにもできるかな。

  • 二人の医者の生き様や子育ての仕方を学ぶことができた。重要な学びは以下のとおり。

    ・子供が助けを自分から求められるようにSOSは恥ずかしいことじゃないことを教えてあげたり、環境を整えてあげることが重要。

    ・古くからの慣習を疑い慣習を捉えなおす力が重要となる。なぜなら、すぐ感情的になる子供を正義感が強い、エネルギーがある、感受性が強いという長所とも考えられるようになる。

    ・つらい出来事があったとしてもしなやかに対応して生き延びる力であるレジリエンスも重要。そしてレジリエンスは感謝することで鍛えることができる。

    ・上手くいかなかったとき、原因は自分にある。逆にいいことはおかげさまと考えることができればレジリエンスがあるといえる。

  • 会話形式で親しみやすく子育ての話をしてくれていて、要点までまとめられていて非常にわかりやすい。あの山中教授の幼少期も知って、面白い方だなと思った。
    私も子供のやりたいことや興味のあることを応援できる親でいたい。
    とりあえず早寝早起き朝ごはんの土台は作り続けたい。

  • 山中教授がどのような家庭で育ってきたのか、大学時代の話なども含まれていて面白かった。
    子育てに関する話題ももう少し掘り下げて欲しかったな、とは思いつつ。
    個人的には、自立、レジリエンス力、脳の発達の順番、親も子もええかっこしないこと、などが参考になった。

  • 「自分で選んだことを、失敗しては立ち上がって続けて、自信をつけるほうが重要」と本文中に記載があり、そうだよな!と共感した。また、 レジリエンス=乗り越える力の話も共感できたので星5つとしました。

  • 紙の本なんですけど…電子書籍しか登録が無い。



    親がしてあげられるのは、どれだけ良い習慣をつけてあげられるか。
    ・早寝早起き
    ・他者への感謝
    ・他人のせいにしない
    ・自分で考える
    ・「助けて!」!」って、言えること。

    そうなのかも。

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著者プロフィール

山中伸弥 1962年、大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業、大阪市立大学大学院医学研究科修了(博士)。米国グラッドストーン研究所博士研究員、京都大学再生医科学研究所教授などを経て、2010年4月から京都大学iPS細胞研究所所長。2012年、ノーベル生理学・医学賞を受賞。2020年4月から公益財団法人京都大学iPS細胞研究財団の理事長を兼務。

「2021年 『山中教授、同級生の小児脳科学者と子育てを語る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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