頼朝の武士団 鎌倉殿・御家人たちと本拠地「鎌倉」 (朝日新書) [Kindle]
- 朝日新聞出版 (2021年11月12日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (325ページ)
感想・レビュー・書評
-
京都・貴族を知り、伊豆に長く配流されていた源頼朝はバイリンガル(貴族言葉と関東武士のべらんめい)だったと言うのが面白かったし、頼朝と頼朝に従った武士団との関係を良く表している。”色々と困った人だけど俺たちの棟梁”の意識が結束力のあるチーム=武士団を作ったのかもしれない。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「吾妻鏡」を基本として源頼朝とその家臣について紐解いた一冊。笑ってしまうくらい砕けた口語調で書かれているため中高生にも読みやすい反面、かなりの部分を原典から引用しつつ深い示唆を与えている。
しかしこの時代の武士、かなりならず者なのにどこか抜けていて面白い。ノリで人殺すわ、何もしてないのに褒賞貰うわ、戦場で偶然手助けしただけで子供の縁談を組み始めるわ…作者は「物騒とゆるさ」「残虐とほのぼの」と例えているがまさにその通りだろう。
内容の濃さの割にスッと読めるのでおすすめ。
-
ざっばらんで好感持てる。
-
洋泉社歴史新書y版に、その後をたっぷりと追記した完全版?前半はエッセイ風に流人時代の頼朝がどのように坂東武士を篭絡し(いえ紐帯を結び)親分(いえ鎌倉殿)に成りあがったのかを著者独特な表現で解説しています。日付を追った著述は時系列が理解しやすく良いです。後半は親分亡き後の内部抗争を承久の乱、伊賀氏の変まで順を追って解説。義時が死の間際に極位極官を上げなかったことが、北条氏が「家子専一」ここでは御家人筆頭としての幕府内権威を固定し、一族の地位上昇でなく幕府自体の権力増大に注力していった理由かも?(2021年)
-
文章が面白く読みやすい。今期の大河のお供に最適。
-
大河ドラマの副読本
-
戦国ちょっといい話・悪い話まとめ管理人さんおすすめの鎌倉時代の本。
長らく絶版となっておりプレミアがついていたが、
大河に合わせてかめでたく再販されることになり、
しかも頼朝死後の武士団のことが大幅に加筆された。
まさしく大河に合わせて読むのにうってつけの本である。
「物騒とゆるさ」あるいは「残虐とほのぼの」という表現が出て、
大いに納得したが、頼朝死後はゆるさもほのぼのも影を潜める。
今は大泉のせいと言っていられるが、後半はどうなるのだろうか・・・ -
「辺境の怪書、歴史の驚書、ハードディスク読書合戦」で紹介されていた翔泳社新書の増補改訂版。坂東武者の親分としての頼朝のキャラが立つが、いままであまり頭に入っていなかった鎌倉時代の流れがよくわかる、良書だと思った。
-
「俺達の頼朝!俺たちの鎌倉!」
長らく絶版だったのだけれど、増補されて復刊。砕けた口語訳は、今期の大河ドラマと親和性が高いので、副読本としておすすめです。 -
『吾妻鏡』に基づきつつ、源頼朝の人間像、その家臣たる御家人との関係、彼ら武士団のノリを描いた一書。面白いと聞きつつ、絶版ゆえに、いつか図書館で借りて、と思っていたところ、加筆修正の上復刊と知り、早速購入。読むと滅法面白い。筆者の筆の軽快なこと! なにしろ「武力」は「ケンカ」、「所領」は「ナワバリ」、「白拍子」は「アイドル歌手」などと説明される。また現代語訳の面白いこと。たとえばプロローグ。「そいつは『バラせ』と、おめェに言ったはずだ。今も生きてるてのは、どーゆーこった?」とくる。面白くないはずがない。こういう文体で頼朝のトホホな部分、すごい部分、御家人達とのやりとりが闊達に描かれる。いや面白かったわ。そして鎌倉殿と御家人たち、大好きになったわ。これからの大河楽しみ。