教育工場の子どもたち (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  •  わたしが読んだのは,このKindle本ではなく,単行本の方。1984年出版のこの本は,まさにその当時に買ったのである。本書に掲載されているルポルタージュは,その大部分が月刊誌『世界』に載ったものだが,わたしは,そのころ,まだ世界も読んでいたはずだ。だから,手に入れて読んだのだと思う。
     40年ぶりに本書を読んだあと,ほかの人の本書に対するレビュー(Amazon)を読んでみると,わたしの今の気持ちと同じようなことが書いてあった。

     某管理職は、いまだに「教師の専門性は誰がやっても同じ授業になるような授業を作る事」と本書で思いっきり寒気のする批判を食らった校長と同じ事を言って,とある中学校の教育課程をデザインした。
    その部下たる学年主任は「生徒には必ず同じものを全員に与えて、教育の機会を均等にしないと」という。またもや本書の中にそのままあるセリフ!!!
    そんな事やってるから、生徒はフォロー仕切れないし、落ちこぼれが出続けて「しょうがないね」とか言って切り捨て弾圧し続ける事を正当化している。
    ちなみにこの主任は価値観の合わない部下をことごとく弾圧し続けている。やってることは本書の内容の問題教員そのものだ。
    1980年代の管理教育そのままの教育を繰り返している令和の中学校がある。

     まったく,困った教育現場だよなあ。 

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著者プロフィール

鎌田 慧(かまた さとし)
1938年青森県生まれ。ルポライター。
県立弘前高校卒業後に東京で機械工見習い、印刷工として働いたあと、早稲田大学文学部露文科で学ぶ。30歳からフリーのルポライターとして、労働、公害、原発、沖縄、教育、冤罪などの社会問題を幅広く取材。「『さよなら原発』一千万署名市民の会」「戦争をさせない1000人委員会」「狭山事件の再審を求める市民の会」などの呼びかけ人として市民運動も続けている。
著書は『自動車絶望工場―ある季節工の日記』『去るも地獄 残るも地獄―三池炭鉱労働者の二十年』『日本の原発地帯』『六ケ所村の記録』(1991年度毎日出版文化賞)『ドキュメント 屠場』『大杉榮―自由への疾走』『狭山事件 石川一雄―四一年目の真実』『戦争はさせない―デモと言論の力』ほか多数。

「2016年 『ドキュメント 水平をもとめて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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