- Amazon.co.jp ・電子書籍 (272ページ)
感想・レビュー・書評
-
火星に置き去りにされたワトニー、残された資源と知識とユーモアを総動員して地球への帰還を目指す。
「プロジェクト・ヘイル・メアリー」がとても面白かったので読んだアンディ・ウィアーの処女作。これは文句なしの面白さでした。映画を数年前に観ていて、ちょくちょくツッコミどころがあるまあまあのSF、という印象だったのですが本作ではこれでもかと数字でねじ伏せてくるハードな仕上がりになっていました。しかしハードSFながら軽妙な文章とギャグと小ネタで大変楽しく最後まで楽しめました。これは原作もそうですが、翻訳した小野田さんの腕によるところも大きいと思います。
それと、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」は恒星間(とか異星人とか)の話でちょっと想像力が及ばないところもあるのですが、こちらは惑星間の話なので絵面がしっかり浮かんでイメージしやすい、というのもポイントだったと思います。出てくる技術もかなり現行に近いし。ホントね、映画観た時のことなんですけど、作中にマーズパスファインダーが登場したときには胸が熱くて涙出るかと思いましたよ。ちょっとした宇宙オタクにはたまらない小ネタを使ったりするのもポイント高いです。
あとは最後の1ページで本作のテーマが明示されるのですが(このへんは映画「グラビティ」と同じですごく印象深い構成だと思った)、最後の最後にグッと胸が温かくなりました。
やあ、いい本を読んだ。本当にいい本を読んだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
火星版ロビンソンクルーソー、もしくは火星版キャストアウェイ。
絶望的に孤独な状況で宇宙飛行士マーク・ワトニーは必ず生還するという強靭な意志を持ち、火星での過酷な試練の連続に立ち向かう。
映画『オデッセイ』の原作。 -
人間が火星で暮らすことは、それほど遠い未来の話じゃなくなってきているのかな
ロケットで火星に着くまで1年くらいかかるみたいで、その位置関係によってかかる時間が変わるらしい
火星にたった一人残されたワトニーを救うことができるのか?
きっとワトニーなら大丈夫!と思ってるけど、どうやってというのがとても気になる -
SFにチャレンジしてみよう(挫折したら映画を観ようと)とKindleで。
誰が言ったか宇宙版DASH村。なるほど。 -
映画オデッセイを読んで、読む。
映画に描かれていないところがわかった。 -
マークワトニーの「どんなことがあっても死ぬものか」という強い志から人間力の強さを感じました。
人間はどんな困難な状況に立たされていても生き延びようとする。それをしっかり見せてくれる作品です。今あまり良いことが起きていなかったり、思い通りにうまくいかないようなことが多々ある時代。勇気や元気をもらえるはずです。 -
映画は鑑賞済み。SFが好きで、近年のスコセッシ作品も好きなのでかなり期待して見たせいか若干の肩透かし感で見終えた。「アルテミス」が面白かったので、それ以上に評価の高いこの「火星の人」を読むか多少迷ったが、サンプル分をソッコー読み終えたことで購入することを決めた。「アルテミス」では気になった軽いコミカルな文体はむしろ作品の質を高めている。かなり科学的に小難しい話が続くけど、随所に挟まれるジョークとワトニーの明るさによって読みやすくなってる。ほどよい分量で展開も面白い。