両利きの経営(増補改訂版)―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 最近受けた研修で紹介された本。以前から読みたいと思っていて良いきっかけでした。
    深化と探索、、、5年先、10年先を考えて今やるべきこと。具体的な事例も多く、ここ最近で最も勉強になった本です。

  • 深化と探索

     成熟事業の成功要因は漸進型の改善、顧客への細心の注意、厳密な実行だが、新興事業の成功要因はスピード、柔軟性、ミスへの耐性だ。その両方ができる組織能力を「両利きの経営(ambidexterity)」と私たちは呼んでいる。リーダーが成功の要だとすれば、両利きの経営は戦うための武器にあたる。

  • 日本では正確な定義を外れて有名になってしまった「イノベーションのジレンマ」を回避するための方法として、2つのイノベーションの手法を社内に持つべきだと主張するのが本書だ。一つは漸進的なイノベーションと呼ばれるもので、一般的に製造業や日本企業が得意としている”カイゼン”に近い。もう一つは非連続なイノベーションで、(本書の中では使われないが)一般的に「破壊的イノベーション」と呼ばれるものに近い(厳密には違うが・・・)。著者はこの2つのイノベーションを使い分けることができる経営を「両利きの経営」と呼んでいる。

    増補版では、この両利きの経営を実現するためのリーダーシップのあり方や組織文化に関する記述が大幅に追加されたとのこと。内容としては確かに重要なのだが、増補ということで全面改訂ではないせいか、同じ内容を繰り返し読まされている気になってしまうのがやや難点だろうか。

    個人的な疑問点としては、本書で繰り返し言及されているイノベーション・ストリームは、アンゾフの成長マトリックスとかなり近い点があり、その点を著者たちがどのように考えているのかは知りたいと感じた。

  • 既存事業の深化と新規事業の探索というを両方進めるべきで、いかにしてうまく両立するかという話。大企業に身を置く自分としては、評価制度や価値観、文化の対立など、実情に即した話が多かった。新事業を進める上で、懸念する事項が比較的わかりやすく纏まっており勉強になった

  • P209
    どうふるまえば、その会社に溶け込みうまくやっていけるか、ということだろう。では、仲間に受け入れられ、職務をそつなこなすために必要な行動を、どのように見極めるのだろうか。
    1つ確かなのは、他の人を観察したり、シニアリーダーの言動を注意深く見守って誰が報われるのかを観たり、やるべきことや避けるべきことについて他の人に助言を求めたりする可能性が高いということだ、、、強い文化であるほど、そこに溶け込みうまくやっていくための行動は、より明確になる。

    P211 リーダーが文化をうまくマネジメントするために二つのことが必要だと述べており。一つは、同じメッセージを送り続けること。そして二つ目に、「聞き飽きたと思わせる」こと。

    P511 日本企業が直面する二つの罠
    探索軸における自前主義の罠、言い換えるとパクる力の欠如。

  • ・深化型の企業では、効率性、生産性、バラツキ削減を重視するのに対し、探索では探査、発見、リスクや失敗の受容に左右される。
    ・ツー・ピザ・チーム
    ・進化論の3つの基礎:多様性、選択、維持
    ・深化がマネジメントの問題だとすれば、探索はリーダーシップの問題である。
    ・こうした企業は結局のところ、新しいことに十分に集中して取り組まないのは間違いだと気づいて、後から挽回に向けて必死に絶望的な戦いをする。
    ・失敗する組織はたいてい過度に管理され、リーダーシップはほとんど見られない。
    ・リーダーが行うべき本当に重要な唯一のことは、文化の創出とマネジメントである。
    ・二人の大学生の子供を持つ親の立場:一人はコミュニティカレッジに、もう一人はエリート大学に通っている。難しいのは、それぞれのニーズが全く違うことを認識しつつ、二人とも公平に扱わなくてはならないことだ。
    ・エイディエーション、インキュベーション、スケーリング
    ・四つの要素:①両利きになる取り組みを正当化する明確な戦略的意図、②経営陣の積極的な関与と支援、③探索部門と深化部門を分けた両利きの組織構造、④探索と深化の間で相反する要求に対してバランスをとるためのビジョン、価値観、文化という共通アイデンティティ
    ・成長に向けて、感情移入のできる抱負を定める

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著者プロフィール

スタンフォード大学経営大学院教授(The Frank E. Buck Professor of Management)。チェンジ・ロジックの共同創業者。主な著書に『両利きの経営』(東洋経済新報社)などがある。論文も数多く執筆し、『カリフォルニア・マネジメント・レビュー』誌の年間最優秀論文に三度選ばれた。

「2023年 『コーポレート・エクスプローラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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