Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法 [Kindle]

  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • 「自分の頭の中のひとりごと(チャッター)」と、どううまく付き合っていくか、が書かれています。
    例えば、自分のことを名前で呼びかけたり、二人称「あなた」と呼びけ、埋没から抜け出し客観化するなど、納得できる手法が26個挙げられてます。
    時間のない方は、まずは必ず巻末のまとめを読んでから、全部読むことを判断すればよろしいかと思います。個人的には読んで良かったと思います。しかし人の悩みは尽きませんね。

  • 誰もが経験している「頭の中のひとりごと!」について考察した本です。
    とても興味深く、グイグイ読める本でした。
    ぜひぜひ読んでみて下さい!

  • 読んでる最中なんですが。。

    頭の中で自分の事を三人称で呼ぶだけで、
    ネガティブな事から距離を取って、
    冷静になり正しい判断をする事に繋がるなんて。。

    凄すぎる!知れて良かった。
    そして大切な人にも読んで欲しい。

    読み進めるのが楽しみ!

  • 自身の内なる声に支配されていることに改めて気付くことができる点で読む意味がある。テクニックも複数紹介されているが、対象の事象を考える自身と距離を置いて考えること、畏怖の念を覚える経験が自身の反芻を抑制することが特に印象深い。ただ、要点に対して文章が長いため初めから順に読み進めるともったいない。

  • 序盤1/4と結論だけを読んで断念することにしました。

    ただそれに至るまでには当初kindle版で読み、読みづらさの為に途中断念して尚再度チャレンジした過去があります。良い本な気はしていたため、kindleのせいで読みづらいのかなと思い、紙の単行本で買ってまで読んだ挙句の断念です。

    私と同じように翻訳の難によって読みづらさを感じつつ我慢して読んでる方も結構いるようで、結論から読むことをオススメいたします。

    また、二度チャレンジして読み辛さの原因がはっきりと分かったような気がします。これは途中で「結論だけ読む」と決意した理由に同じですが、それは原文が冗長で読み砕くに値しない文章が多い上に、翻訳が直訳過ぎてそれを助長している、という点です。

    一部引用しますが、例えばこの文章です。

    ーーー
    "寛大にもアンドリュー・アーヴィングと思考を共有してくれたニューヨーカーたちは、私たちの「初期状態」の きわめて多様で質感豊かな本性を体現している。彼らの内なる独白はさまざまな方法で彼らを「内面へ」誘い、言語的思考の無数の流れに導いた。彼らの私的会話の細部は彼らの個人生活と同じように独特だった。とはいえ、構造的に見れば、彼らの心の中で起こったことはよく似ていた。彼らはしばしば 悲観的な「内容」に向きあったが、その多くは連想的なつながり、すなわち一つの 思考から別の思考へのスキップを通じて現れた。彼らの 言語的思考は建設的なこともあれば、そうでないことも あった。彼らはまた、かなりの時間を費やして自分自身 について考えた。その間、彼らの心は彼ら自身の経験、 感情、願望、欲求に引きつけられた。「初期状態」の自己中心的な本性は、何と言っても、その主要な特徴の一つなのだ。

    イーサン・クロス. Chatter(チャッター)―「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法 (p.42). 東洋経済新報社. Kindle 版. "
    ーーー

    原文をあたっていないので想像の部分もありますが、読んで分かる通り、長いし、どこに係っているか分からない単語が急に出てくるし(『初期状態』という言葉はここが初出の単語)、バラバラしてるしで分かりづらいです。
    自分はこの文章をこう理解しました。

    ーーー
    "ニューヨーカーたちが共有してくれた、心の独白から内面に至るまでの言語的思考の変遷は、人間的本性の多様さを体現している。
    とはいえ、思考の変遷には共通点もある。ひとつに、思考が変遷するに従い、悲観的な内容が現れる傾向にあること。またひとつに、思考の変遷は建設的なものもあればそうでないものもあること。
    しかし、そういった共通点の中でも特に重要なことは、その思考の中心がいつも自分自身についてである点だ。思考の変遷の間、彼らの心は彼ら自身の人間的本性の多様さ、すなわち経験、 感情、願望、欲求によって引き付けられる。この変遷を引き付ける心の要素を、私は自己中心的な「初期状態の」人間の本性と呼ぶ。"
    ーーー

    つたない超意訳ですが、こちらの方がよほど理解はしやすいと思います。

    ここまで意訳すると、原作者の文章構造を破壊してしまっているのは自覚しています。そうだとしても、ただでさえ修飾語が多く分かりづらいのだから、文章中で同義である
    「言語的思考の無数の流れ」=「彼らの私的会話の細部」=「連想的なつながり、すなわち一つの 思考から別の思考へのスキップ」
    は全部ひとまとめに言語的思考(の変遷)と翻訳してもよかったのではと思ってしまった。(この辺は原作者への不満でもあります)

    同様に、「初期状態の」という具体的説明のなかった初出の修飾語がつく「多様で質感豊かな本性」という言葉も極めて抽象的なので、最初から「(経験、感情、願望、欲求など含む)自己中心的な本性」と言い換えても良かったのでは・・・?とか、「私たち」と「彼ら」の使い分けがされつつも分かりづらいので、私たちは人類と訳して差し支えないのでは、など。。。

    そんな具合で、全284pある本書の序盤からこんな具合で読み進んでいき、苦労する割に内容が薄いことに気付いて途中で結論だけ読んでしまうことにしました。

    すると私が知りたい情報は結論に集約されていたので、そこそこ満足できた上、気になったところだけ詳細が記されたページだけを追うことで、本書を読了とし断念することにしました。

  • 考え事をしているときに頭の中をぐるぐると回るネガティブな言葉、チャッター。
    これが回っていると確かにストレスだし、判断力も鈍る。ひどければ考えすぎてしまって眠れないことだってあるかもしれない。
    そのようなあるあるの正体、対応策を書いた本。あまり聞いたことがない論点だったので面白かった。

    循環するネガティブな思考≒頭の中のしゃべり声→チャッター

    内省を呪いに変える

    苦しそうな内なる声に耳を傾けるタスクにパワーがとられてしまう

    慢性的なストレス状態→緊急事態なので、食欲や性欲もわかない(不健康)

    解決策!
    自分の名前を呼び、自分を他人だと思って語りかけることで、客観的に状況を把握でき、適正な対応ができる。

    君ならできる、というエールを自らに贈ることができる


    ↓メモ
    近年、多くの堅実で新たな研究によって、苦痛を感じているときに内省を実行しても有害無益であることが明らかになっている 。それは、仕事のパフォーマンスを低下させ、適切な判断を下す能力を阻害し、人間関係に悪影響を及ぼす。暴力や攻撃性を助長したり、さまざまな精神疾患を引き起こしたり、体調悪化のリスクを高めたりすることもある

    要するに、思考によって思考から救われないことが多い。
    それどころか、思考は油断ならない何かを生み出している。
    ★チャッター(頭の中のしゃべり声)である。

    チャッターを構成するのは、
    ★「循環するネガティブな思考と感情」だ。こうした思考や感情は、内省という素晴らしい能力を祝福ではなく呪いに変えてしまう。

    人の気分は、何をしたかではなく、何を考えたかによって決まる

    ★「苦しそうな内なる声に耳を傾ける」というタスク──をこなすことで、実行機能をぎゅうぎゅう詰めにしている。神経学的に言えば、チャッターはこうして私たちの注意力を分割し、鈍らせる

    人間は嫌な経験について他者に話さずにはいられないのだ。だが、それだけではなかった。
    負の感情が強ければ強いほど、それについてますます多く話したがった
    何時間も、何日間も、何週間も、何カ月も、ときには人生の残りの時間をすべてかけて、それを繰り返すのである

    私たちが無意識のうちにしょっちゅう愚痴をこぼしている理由の一つは、共感にある(私たちは他人の共感を求めている)

    人間は自分をよく見せたいという気持ちを持つと同時に、自分と他人を比較せずにはいられない

    フェイスブックの画面を受動的にスクロールし、他人の生活を覗いている時間が長いほど、人は妬みの感情が大きくなって気分が落ち込む

    ストレスは生産性の低下を招く現代の疫病

    その一方で、ストレスは適応反応であるという事実は見失われがちだ。ストレスのおかげで、私たちは潜在的脅威となる状況に対し、迅速かつ効率よく身体を反応させることができる

    ★ストレスを絶えずかけつづける主犯は、私たちのネガティブな言葉の流れだ

    ★差し迫った脅威への対処に必須ではない身体システム、たとえば消化器系や生殖器系などを抑制する。危機のさなかに食欲や性欲が湧かないことに気づいた経験がある

    イーサン、いったい何をしているんだ? どうかしているぞ!」  すると、奇妙なことが起こった。
    ★頭の中で自分の名前を口にして、他人に話しているように自分に語りかけると、すぐに一歩引くことができた。突如として、より客観的に自分の苦境に集中できた

    ★人びとは距離を置いた自己対話を使うことで、第一印象を良くし、ストレスのかかる問題解決課題でパフォーマンスを改善し、賢明な推論を促進できることが示されてきた

    自分の名前を口にして気持ちを落ち着かせることに関して何より興味深いのは、それが実に簡単だということ

    君ならできる」という激励のアドバイスを自らに送れるのだ

    アーロン、落ち着け。デートは誰だって緊張する。おっと、なんでこんなことを言ってしまったんだ? 前言撤回しなくては。大丈夫、しっかりしろ。君ならできる

  • 本書では内省を「自分自身の思考や感情へ積極的に注意を向けること」と定義しています。内省は普段は素晴らしいものと理解されていますが、時には自分を苦しめてしまい、これをチャッターと定義しています。

    よく「辛いことがあった時に誰かに話すと楽になる」と言いますが、これは必ずしも正しくはなく、逆に何度も反芻することがネガティブ思考を強化することにつながってしまうこともあると言います。よく考えると確かにありそうな話ではあります。

    タイトルにもあるとおりチャッターを上手く扱う方法が次々と述べられていきます。例えば、自分の経験をあえて一般化することで思考との距離を取るといった考え方、自然に触れることで注意力を向上させるような物理的な外部環境によって改善できるなど、多面的かつ具体的な方法を学ぶことができます。また、プラセボ(偽薬)効果もチャッターに対して有効であることも分かります。

    チャッターという聞き慣れないが自分の中に常にある概念だけでなく、その有効性と危険性も併せて学ぶことができました。自分の経験と照らし合わせて理解することができる内容であり、非常に示唆に富んだ書籍だと思います。

  • ストレングスファインダーでの強み1位が「内省」だった自分には刺さりすぎるテーマと内容だった。
    強みであると同時に、本書で記載されているような弱みを内包していて、自分自身困難を感じることも多かった。

    事例や研究を踏まえた事実関係の整理から、「チャッターを制御するための」具体的な対応方法が挙げられている点も含め、個人的には手元に置いて読み直し続けたいと思う。
    特に、「自分と距離をとる」「畏怖」についてはこれまで実践してこなかった部分なので、意識していきたい。

  • 欺瞞的プラセボも効果が実証されているという記述が良かった。

  • 【文章】
    とても読みやすい
    【ハマり】
     ★★・・・
    【気付き】
     ★★・・・

    ■経験の一般化
    自分自身が直面している苦悩や災難が、自分だけではなく他の人も遭遇したことがあるということが分かると、状況を客観的に捉えることができるようになる。

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著者プロフィール

イーサン・クロス
意識する心のコントロールに関する世界的な第一人者。ミシガン大学の心理学部と同大学ロス・スクール・オブ・ビジネスの受賞歴のある教授であり、感情と自制研究所の所長。ホワイトハウスの政策議論にも参加し、『CBSイブニングニュース』や『グッド・モーニング・アメリカ』、NPR『モーニング・エディション』などの番組で、研究に関するインタビューを受けている。その先駆的な研究は『ニューヨーク・タイムズ』『ニューヨーカー』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『USAトゥデイ』『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』などで取り上げられている。ペンシルヴェニア大学で修士号を、コロンビア大学で博士号を取得。本書が初の著書。

「2022年 『Chatter(チャッター)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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