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感想・レビュー・書評
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昭和から平成を振り返ることができる。俺も平成から令和を振り返りながら、強く生きる人を描ける人になりてえ。てかこの川上えみこさん綺麗すぎるやろ。
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昔何かで、親からの愛情を幼少期に与えてもらっていない人は
愛情不足を他人で埋めようとしてしまうけれど、
結局家族でもない他人からの愛情という...昔何かで、親からの愛情を幼少期に与えてもらっていない人は
愛情不足を他人で埋めようとしてしまうけれど、
結局家族でもない他人からの愛情というのはそこまで強いものではなく
求め続けてしまうが故に、上手くいかないことが多い、という話を聞きました。
さつきさんの感想を読んで、花ってそうだったのかなぁということを
ふと思い出してついコメントしたくなりました。2024/05/04
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★3.7
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月20冊程度本を読む私だが、2冊続けて小説を読んだのは初めてではないか。
ビジネス本は斜め読みでも得るところはあるが、
小説はそうはいかない。2冊で1週間以上かかってしまった。
しかしそれぞれ読み応えのあるものだった。今回の黄色い家は500ページ。
内容も深い。
敢えて乱暴に一言でいえば、貧困女性の普通でない生活を描いた小説、だろうか。
水商売の母親を持つ主人公花は、その母が恋人と家を空けたときに黄美子という
女性の世話になる。風水を信じ、ラッキーカラーは黄色。
小学生の花には素敵な存在だった。
その黄美子が居抜きでスナックを始めることになり、花は手伝う。
当時18歳。学校には行かない。
スナックは思いのほかうまくいって人手が足りなくなり、客が取れないキャバ嬢、
客が連れてきた高校生を仲間に入れる。家を借り、4人で暮らすようになる。
しかしそのスナックが焼け、スナック再開のため、4人の生活のため、
「出し子」を始める。ぼんやりした3人と違いしっかり考える花は、次第に
追い詰められていく。そして破綻がやってくる、、、
あらすじを書いてもあまり意味がないな。
貧困で、教養のない女性たちの奇妙な集団生活。
なぜか主人公花だけはその中でものを考えるようになる。
もとは黄美子がママのはずだったのが、共同生活のリーダーは花になる。
どうやって金を得るか、生きていくかに必死になる。
それが出し子ではなあ。。
足を洗った後は安い時給で働くようになる。
そういえば先ほどニュースで大谷10年1000億という話があった。
かけ離れた世界。時給1000円と、時給数百万、かな?意味がない、、、
貧すれば鈍す。つらすぎる生活。
教養を身につけねば。 -
お金がないと考えられることが少なくなって生きる世界が狭まってしまうのか。
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じりじりと読んでいた本作。
ようやく読み切った。
中でも黄美子さんの人物像が絶妙だなと。
こういう人は本当にいる。
けれど、私たちが普通に社会の中で社会人たる中で出会うことは稀である。
彼らは真っ当な社会に存在する可能性が少しばかり低いから。
けれど、ドキュメンタリー等の中には必ずいる。
そして、もっと大きな括りで言えば、
『何も考えない人達』というのは沢山いる。
私自身が、考えすぎるくらい日々悶々と暮らしているので、
この事実に気づいた時はちょっとした衝撃であった。
もちろん、伴侶である旦那も、所謂『考えない』側の人間である。
蘭や桃子のような。
ただ目の前のことをやり過ごして生きていこうとしている人々。
なので、花が2人と言い合うシーンはめちゃくちゃ花側に深く共感してしまった。
この世の中は深く物事を考えれば考えるほど、損するようにできている。
1人の人間の人生としては、深く考えることは必要だし、それこそが人間の矜持であるが、
社会生活を営む上で、この能力はただ邪魔なだけなのではと思うことがある。
もしかしたら不幸なことなのでは、と。
ただ、この小説の最後がそうであったように、
考えすぎる人々は往々にして黄美子さんのような人間に救われているのも確かだ。
考えすぎる人間は、彼女のようにただ波に身を任せている人に癒されるところがある。
おそらく、自分にはない感覚であるからだろう。
この辺りが、人間の面白いところだと思う。
後は、ひとつの事件から始まった物語が
長い回想を経て全く違う事件となるところが良かった。
これも現実にとても多く見られる現象で、
そのことに、常々憤りを感じているから。
物事を深く考えすぎて疲れている人達にとって
最後は涙なしでは読めないだろう小説だった。
花の憤りや、怒り、悲しみ、無力感、その全てを自分のことのように感じ取ることができた。
私も同じように感じました。
同じ世界に生きているのにそこに壁があるような。
生まれた時からそちらにいる人はなかなか抜け出せな...
私も同じように感じました。
同じ世界に生きているのにそこに壁があるような。
生まれた時からそちらにいる人はなかなか抜け出せないし
かといってこちら側の人間だと思っている人も、
ちょっとしたきっかけで簡単に向こう側に行ってしまうような。