少年と犬 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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感想・レビュー・書評

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  • 昔飼っていた子を思い出しながら読んだ。
    あの震災を思い出しながら。

  • 短編集のようで、だけど物語は繋がっていて、読みやすい文体でした。登場人物も複雑ではなかったので、シンプルに犬が主人公で繊細な感情が想像しやすかったです。

  • 本屋の売り場に犬を飼っている人に読んでほしいと書いてあり購入。自分のワンコとは全く異なる犬の物語。

  • 犬好きにはたまらない連作小説集であろう。
    一見関係ない短編が並ぶが、そのどれにも放浪する犬、多聞が登場する。放浪する中で異なる飼い主が現れるが、そのどれもきわめて不幸であり、多聞のおかげで一瞬人間らしさを取り戻す。最後にはなぜ放浪しているか謎解きが行われ、「少年と犬」の意味が分かる。これほどまでに犬と人間のつながりは強いのか?

  • audible 。東日本震災で飼い主を失った犬「多聞」がいろいろな人とかかわりながら5年もかけてたどり着いたのは?
    いくら賢い犬でもここまではさすがにと思いながらも応援しながら読んだわ。

  • 気にはなりながらずっと読むのを避けていた一冊。
    なぜなら涙なしに読めないことを知っていたから。
    そして予想は的中。
    しかしそれは悲しみや別離によるものでなく久遠の絆の確証によるものだった。
    これって物語の中だけじゃないよね。
    ふと見えない写真の愛嬢に尋ねてみる。

  • 【あらすじ】
    2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか……

    犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!

    「どうして犬と暮らす喜びを忘れていたのだろう。犬が与えてくれる愛や喜びを、どうして思い出さなかったのだろう。」

    「声をかけてくれるわけではない。話にうなずいてくれるわけでもない。ただ、そこにいる。それだけで救われた思いがするのはなぜだろう。」

    【個人的な感想】
    約2ヶ月前に愛犬を亡くして、自分よりも寿命が短い犬と別れる辛さを身をもって体感したばかりだったので、この物語は深く心に残った。
    犬を愛する全ての人にオススメしたい1冊です。

  • 私も犬を飼っているので、感慨深く読みました。うちの子は多聞ほどお利口じゃないけどね笑
    不思議な縁で色々な人と関わっていく多聞だけど、中には泥棒がいたり、犯罪者がいたりと決して善人ばかりと出会ってたわけではない。けど、本の中は優しさで溢れていて、ほっこりする。それと同時にどの短編集も少し悲しい結末が多かった。
    ただ、悲しい結末の中にも前向きになれるような救いがあって、そこが読んでいてしんどくならない要素だったかも。最後の短編も悲しい結末ではあったけど、やっぱり救いはあって、ほっこりとした読了感だった。

  • 数人の飼い主がいて犬の魅力が一杯。

  • 『名犬ラッシー』を思い出させながら、震災後文学の要素も少しある、良くも悪くもありきたりな犬系感動物語。多聞。呼びやすい。
    途中ちょっとセリフが臭すぎて恥ずかしくなったり、女性心理が雑に感じたりもしたが(『娼婦と犬』なんかは特に。「男が思う娼婦の心理」感?)、さくさく進んで読みやすかった。行く先々で得たお土産に、拾い主の死や不幸や地震をも運んできた気がしなくもないけど。
    オチはちょっとドラマの展開すぎ!いくらなんでもありきたりすぎる。

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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