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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (214ページ)
感想・レビュー・書評
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本書は、家政婦兼訪問介護ヘルパーである女性が2015年に過労死したのに伴い労災給付を申請したが不給付処分となったため、その取消しを求めて訴えを提起したところ、家政婦は家事使用人であり、労働基準法・労災保険法の適用から除外されているとした東京地裁2022年9月29日判決を端緒とする研究である。
本書の終盤に次の要約がある。
「労働基準法施行時には明確にその適用対象であった派出婦会から派遣されてくる派出婦たちの末裔である家政婦たちが、職業安定法の施行によってその所属元であった派出婦会が違法の存在とされてしまい、紆余曲折の末に有料職業紹介事業者たる家政婦紹介所から紹介されてきた者という世を忍ぶ仮の姿を身に纏わざるを えなくなり、その結果本来はそれに該当しないはずの家事使用人であるという烙印を押され、労働基準法や労災保険法の適用されて、早くも70年の月日をすることになったわけです。」(237頁)
本書の大半は、この記述を、数々のエビデンスを示しながら説き起こすもので、さながらパズルを解くような興味深さを感じる。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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